脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】フォーククルセイダーズ / 帰ってきたヨッパライ [1967]

面白ソングじゃ終わらない。

 

フォーククルセイダーズ
サディスティック・ミカ・バンド等で活躍した
加藤和彦氏が自殺したのはそんな遠くない記憶である。

うつ病だったというけれど、
遺書にあった『死にたいというより、消えてしまいたい』の一節からは、
何かこう我々には想像できないような底知れぬ闇を感じてしまうところだ。

とまぁ少し暗めの切り出しとなったが、
このフォーククルセイダーズのデビュー曲、
コミカルな歌としての認識が一般的だと思うが、
実はオリコンチャート史上初のミリオンヒットだったりする。

声を早送りして録音されたボーカル、
なんじゃこりゃ的な滑稽な歌詞、
親しみ易いメロディーとギミック満載の音作り。

とにかく60年代の日本においては話題性抜群であり、
面白ソングでは終わらないパワーを秘めた、
日本の音楽史でも重要な曲なのだ。
今でもこの曲に詰め込まれたアイディアにはびっくりさせられる。

60年代は海外でもビートルズ等がロックの狼煙をあげた頃でもあり、
音楽的にも多種多様な試みがなされていて面白い時代だったのだ。
日本でもそういった海外の刺激にいち早く触れた一部の人間は、
常に新しい表現を求めてチャレンジしていたのである。

こういう曲を聴くと、
やはり当時のアーティスト達は表現する事に貪欲だったと思うのだ。
今のアーティストがそうじゃないとは言わないが、
やはりフォーマットをなぞるだけじゃ面白くはないのだ。

面白い事をやろうという純粋な熱意と、
それに夢中になった純粋な人々がいつも時代を切り開く。
当時のそういった貪欲な表現者たちに想いを馳せながら聴くとまた楽しい。


【採点】
・邦楽史上記念すべき一曲  20点
・ギミック満載       20点
・一度聴いたらクセになる  20点
・面白ソングじゃ終わらない 10点
70点

スーパーベスト ザ・フォーク・クルセダーズ ASB1049 スーパーベスト ザ・フォーク・クルセダーズ ASB1049
ザ・フォーク・クルセダーズ

曲名リスト
1. 帰ってきたヨッパライ
2. 悲しくてやりきれない
3. さすらいのヨッパライ
4. コブのない駱駝
5. 青年は荒野をめざす
6. 水虫の歌(ザ・ズートルビー)
7. レディー・ジェーンの伝説(ザ・ズートルビー)
8. こきりこの唄
9. 何のために
10. ひょっこりひょうたん島
11. ドラキュラの恋
12. 紀元貳阡年

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