脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】ガロ / 学生街の喫茶店 [1972]

学生運動なのか恋愛なのか。

 

またまた古い曲を…といったところだが、
森田童子で少し学生運動に触れたので、
この曲でもっかいおさわりしたいなと。

70年代フォークロックの代表曲の一つとして有名なこの曲。
嘘か真か定かではないけどこれも学生運動に関わる曲だという噂だ。


確かにこれも直接的表現はないし、
時代としてはおそらくもう学生運動自体が
しらけムードに入っていた頃だと思うけど、
そんな時代に想いを馳せながら聴くと
これもまた味わい深い曲だと思うわけだ。

歌詞の一説にあるのは

「この店の片隅で聴いていたボブ・ディラン

だ。

ボブ・ディランと言えばプロテスト・ソングの代名詞的存在。
本人は全くそんなつもりは無いみたいだがw

パンクしかり、日本ではインテリが海外の文化を
独自に解釈して流行らせる国なんですわ。
みんな真面目なんすわ。


さて、その是非は別にしてもだ、
このボブ・ディランというワードが
学生運動を想起させる事がそうだとした場合に、
『片隅で』というのは結構ポイントだと思う。


学生運動が既に下火になって
こういった曲が時代に取り残され始めた印象を深めており、

『あの時の歌は聴こえない 人の姿も変わった 時は流れた』

と続く。

切なさ爆発ぅ~!みんなしらけちゃったんだね。

俗に言う「しらけ世代」の始まり始まりとなるわけだ。
その時代はまだ俺の親でさえガキンチョだったと思うけど、
それでも感じるこの時代の感触。
昔の曲ってこういったところが本当に面白い。


ところがだ。この曲はこの後

『あの頃は愛だと知らないで別れたよ』

と続いているんですね。

結局恋愛の歌かよ!というオチも考えられるのだが、
そうだとしても学生運動の終わりが最終的に恋愛を終わらせた、
とも考えられる実に切ない曲なのだ。


何かに夢中になり燃え尽きるその過程の中で、
周りの人との温度差が生まれていき、
失った後でその頃を振り返る。
これもまた虚無感がハンパねぇ曲なのである。


ちなみに作曲者はゲーム音楽やアニソンに詳しい方ならご存知、
すぎやまこういち氏だ。
ガロもこの他人が作った曲がヒットしちゃったせいで、
オリジナルでやっていきたかったガロ自身が、
終わりに向かい始める切なさもあるのだ。


学生運動の終焉から、
サブカルチャーに人々の熱量が移行し始めたこの時期、
切なくも僅かなサブカル的匂いも感じられるこの曲が
ヒットするのは必然だったのかもしれない。

次の学生運動曲は『いちご白書をもう一度』かな?
まーそのうち。


【採点】
・時代の感触におさわりできる  30点
・ゲーム内で流れてても良さそう 30点
・ボブディランは今でも聴こえる  5点
・やっぱ恋愛ソングな気がしてきた 1点
66点

ガロ ベスト 一人で行くさ たんぽぽ 地球はメリーゴーランド ビートルズはもう聞かない 美しすぎて 一枚の楽譜 一本の煙草 君の誕生日 大男の歌 ピクニック 姫鏡台 ロマンス 時の魔法 学生街の喫茶店 忘れていたもの 暗い部屋 DQCL-1159 ガロ ベスト
ガロ

曲名リスト
1. 一人で行くさ
2. たんぽぽ
3. 地球はメリーゴーランド
4. ビートルズはもう聞かない
5. 美しすぎて
6. 一枚の楽譜
7. 一本の煙草
8. 君の誕生日
9. 大男の歌
10. ピクニック
11. 姫鏡台
12. ロマンス
13. 時の魔法 (未発表バージョン)
14. 学生街の喫茶店
15. 忘れていたもの (LIVE)
16. 暗い部屋 (LIVE)

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