脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】やなせたかし / アンパンマンのマーチ [1988]

アンパンマンの世界じゃ俺は消える。

 

本来のこのブログのルール(俺ルール)だと
タイトルには歌手名を記載すべきところなんだが、
ここはやなせたかし先生への敬意と哀悼の念を表しまして、
敢えて作詞者のやなせ先生で書かせて戴きたいと思います。


アンパンマンのマーチに込められたメッセージ性については
あまりに深いという事でネットでも良く話題になる。

確かにこんな歌、園児がちゃんと理解するには難易度が高すぎる…
それくらいとても大事で色々と凄いバックボーンがあるんですコレ。

「何の為に生まれて 何をして生きるのか
 答えられないなんて そんなのは嫌だ」

有名なアンパンのマーチの歌詞の一節。
大人でもこの問いかけに本当に答えられる人間は
一体どれくらいいるんだろうか。
少なくとも体は大人で頭脳は子供な俺は答えられるわけもない。

そしてそういった人は実はアンパンパンの世界では生きていけないのだ!
これ、マジです。


アンパンマンの映画に『いのちの星のドーリィ』という作品がある。
この映画のメインキャラのドーリィは「生きる意味」と向き合わずに
アンパンマンの歌もバカにして好き勝手に楽しんで過ごすのだが、
すると生命の源の「いのちの星」が徐々に小さくなっていくという話だ。

クライマックスで自分の命が終わる可能性を感じたドーリィは
「…何のために生きてきたの?このまま終わっちゃうの?私…」と
自分の生きる意味について初めて考える。
生きる意味と向き合わないと生命の源が絶たれてしまうのだ。

あのばいきんまんでさえも実は「いつかアンパンマンを倒す」という
生きる意味を自覚しているからあの世界で生きていけるという事らしい。
あの世界では皆が皆己の目的を持ってそれと向き合って生きている。


やなせたかし先生は弟さんを戦争で亡くしております。
その経験から生まれたヒーローこそがアンパンマン

正義は逆転する。正義は信じがたい。
国が違えば、立場が違えば、皆それぞれの思想・正義を持つ。

そこに不変の正義があるとすれば、
それは「飢えている人に食べ物を差し出す事」。
ちなみにやなせ先生は相手を徹底的に懲らしめるという表現はしないそうです。


そして生前、
やなせ先生はアンパンマンを「世界再弱のヒーロー」とも語っていました。
弱点もあるしすぐにジャムおじさんに助けを求める。
それでもアンパンマンは「空腹を満たす事」に尽力します。

弱くてかっこ悪くて自分も傷付く。正義を貫くとはそういう事だと。
「愛と勇気だけが友達」という歌詞は色んな正義がある世界で、
最終的に自分の正義を信じ抜くときに必要なものだと。

ヒーローは正義の味方⇒じゃあ正義って何?
⇒不変の正義があるとすれば、それは飢えている人を救う事。
⇒ではそれをヒーローにしよう

これがやなせ先生の考えるいつの時代も変わらない正義の味方なわけだ。

そしてあの世界では皆それぞれが自分の生きる意味を自覚し生活している。
アンパンマンは自ら傷付いてでもアンパンを差し出す事に生きがいを感じる。

なんという正義のヒーローなんでしょう。
我々もいつか生きる意味を見つけて、アンパンマンの世界に行けるのでしょうか。


【採点】
・全ての世代に問いかける生きる意味
          30点
・究極の正義を求める意思
          30点
・友達がいない俺も愛と勇気は友達だ良かった
          30点
90点

アンパンマンのマーチ アンパンマンのマーチ
ドリーミング

曲名リスト
1. アンパンマンのマーチ
2. サンサンたいそう
3. アンパンマンのマーチ <メロディ入りカラオケ>
4. サンサンたいそう <メロディ入りカラオケ>

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