脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

脱R論 - 一般人の一般人による一般人のための音楽ブログ。

【激突】英語詞 VS 日本語詞 その2

白人コンプレックスを打ち崩せ

 

大学のときヨーロッパから留学してきた学生が同じ講義を受けていたのだが、
皆の前で発表するときにさも当然のように英語で喋っておったのですよ。

この白人至上主義者め!日本人を見下しているな!
日本の大学なら日本語使えよ!白人はそんなに偉いのかよぉ!
…と、ブランキーベンジーさん的な感情になったりしたものだ。

勿論英語の授業だったわけじゃなく、
教授はうんうん頷いたり英語で質問したりしたけれど
こちとら何発表してるのか全然分かんねーよ

英語が世界標準語だからどこでも通じると思ったか。
残念~!日本の英語教育は相当遅れてまーす。

drr.hateblo.jp


さてさて、日本語と英語の違いとそれぞれの特徴って話だったか。

日本語は字数的に英語に圧倒的に不利、
しかしそれ故に全てを説明せずとも行間を読ませるような歌詞で
独特の面白さが出てくるみたいな話をした。
曖昧だけど多分そんな話をしたはず。したと思う。

しかし裏を読み解くような歌詞は英語にだってある。
日本語だけの特徴ではないというのは勿論そうだろう。


そこでもうひとつ日本語の特徴として
最後まで聴かないと分かんない”事があるのだ。


英語って基本的に冒頭で主語と動詞が登場しちゃうので、
もうその時点で意味の大筋が確定しちゃうわけだ。
「I don't like…」の時点でコイツ何か嫌ってんなって分かる。

でも日本語は最後まで聴かないと分からない。

「私は今日の夜コンビニに出掛けません
の「せん」まで行かないと最終的な意味は分からない。
出掛けま…の後が「す」か「せん」で全然違う。


この言語の特徴の違いによって
電信での情報のやり取りがうまくいかずに
日本は太平洋戦争に負けたという説まである。

ちくしょおおおおおお!やはり白人様には及ばないのか日本人!




さて、長渕剛の『乾杯』だ。
最初のほうから「語りつくせぬ青春の日々~」といった
昔を懐かしむ歌詞が続いたところでサビ前だ。

「故郷の友は今でも君の心の中にいます

 か」


ここでいきなり問いかけキタああああああっ!
今まで独白みたいな歌詞だったのにいきなりこっちにふってくる

この虚をつくような表現で「ハッ」となるわけだよ。
問いかけがある事で”君”に向けたメッセージソングの展開へと切り替わる。

この「か」が最後まで残っていた事が重要なのだ。
「心の中にいますよ」ではなく「いますか」という疑問形だったと判明し、
急に聴き手に主体性が移る。それによりふと考えさせられるのだ。


これがとても面白いところ。
最後まで聴かないと分からないというある意味不利な点も、
表現によっては驚かせたり裏をかくような効果がある。

他にも日本語詞はとんでもなく自由だ。
英語で良く見る主語+動詞+副詞的な構成だって実は出来ちゃう。


バンプの『ガラスのブルース』だ。

「ガラスの眼をしたネコは唄うよ 大きな声で りんりんと」


そう、”りんりんと”唄うんです。
ちなみに『凛々と』だと思うんだけど、これが敢えて平仮名なのは
その凛々しさと可愛さと弱さを同時に想起させるからだ勝手に推測。


で、これなんか最後にその「りんりんと」がくる事により、
英文の副詞的な”どんな風に唄っているか”が強調される構造の文となる。

こんな組み換えでも全然問題ない。むしろ詩的だ。
国語の教科書なんかにも良くこういった詩が載ってただろう。

「俺は焼肉を喰った ひたすらに ムシャムシャと」

な、詩っぽいだろ。
お願いだから詩っぽいって言って。


むしろこういう大事な部分を強調させたりオチをつけたり、
文をいろいろ組み替えて言葉遊びをするというのは
日本人は古来から得意としているところでありお家芸だ。


さらに、日本語の平坦さについてだ。

日本語の発音は50音+αしかないし
英語のようなリズム感もなく表現に乏しいなんて言われたりもするが、
そののっぺりとした日本語だからこそアクセントには寛容だ。

歌詞を歌にのせるとやはりどうしても曲と歩調が合わずに
文語上のアクセントを無視した歌詞になる事も多いわけですが、
日本語だとそんな事全く気にしないで聴けちゃう。

だからアクセントの制約が殆どなく歌詞を書く事が出来るわけだ。
これこそ普段からアクセントが曖昧で重要視されない日本語ならでは。


…まー実は俺、英語の試験の発音問題が大の苦手だったんだけどな!

一気に説得力無くなったけど、一応保険かけとくぜ。
英語が堪能な方にツッコまれたら萎縮しちゃいそうだから。


さて、色々書いてきたが、
結局日本語詞って実は物凄い自由度が高いって事だ。

確かにスマートさでは英語詞には勝てないだろう。
でも、日本語詞には日本語詞ならではの勝負方法がある。
それを武器にすれば英語詞とはまた違った独特で面白い世界が生まれるのだ。


歌詞関連の話題はまだまだ色々書きたい事はあるけれど、
それは別のテーマでまたの機会に書けたらいいかな。

日本語詞と英語詞。

「みんなちがってみんないい」

金子みすゞさんの詩を引用させていただきイイ感じで今回は終わりという事で。

4882840707 わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集
金子 みすゞ 矢崎 節夫
JULA出版局 1984-08-30

by G-Tools
広告を非表示にする