脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】美輪明宏 / ヨイトマケの唄 [1966]

時代を超えて語り継ぐべき。

 

放送禁止曲といえばこの曲もそうだった。
2012紅白で披露され話題となった『ヨイトマケの唄』である。

炭鉱で働く労働者がテーマの曲で、
差別的表現が問題視されて放送禁止曲とされていた。
戦後の経済成長の真っ只中で生まれた曲であり、
歌詞に出てくる母と子の生き様が涙を誘う感動的な曲だ。


本当に良い曲だと思う。
力強い美輪明宏の歌声が一層この曲を引き立てている。


「泣いて帰った道すがら 母ちゃんの働くとこを見た」
「帰って行ったよ学校へ 勉強するよと言いながら」
「苦労苦労で死んでった 母ちゃん見てくれこの姿」


打ち震える程の人の温かさを感じる歌詞だ。
こんな曲が長らく放送禁止だったとは。

イメージを作り上げるのは最終的には聴き手次第ではあるが、
この歌に一方的で作為的なイメージ作りの意図は無いだろうし、
こんな良い曲が埋もれていたのはむしろ勿体無いとすら思う。


ただちょっと考えるのは、
現代は炭鉱という職業がもう過去のものになった時代であり、
この曲の差別的表現の意味が世間的に薄れてきたという背景もあって、
現代人の多くは放送禁止的要素をこの歌に感じなくなったという事だ。

今も従事している人が数多く存在している職業に対する歌だったら、
また違った反応になるのは間違いないだろう。


あと歌詞にエンジニアって出てくるけど、
60年代にも既に使われている言葉だったんだと少し意外性を感じた。
そりゃシステムエンジニア(SE)じゃなくて単に技術者って意味だろうけど。
あの頃からみんな横文字使ってたのか!欧米かっ!

しかし場面設定も何もかもが違った1960年代に生まれた曲が、
今聴いても皆の心にこんなにも響くというのは本当に凄い事である。
差別云々は置いておいて、こういった唄こそ語り継いで欲しいわけだ。

人間の根底にある何かに訴えかけるパワーを秘めた曲。
涙なしには聴けない。


【採点】
・時代を超える感動  40点
・人の心の温かさ   30点
・語り継いで欲しい唄 15点
・エンジニアって単語結構昔も使ってたのね
            1点
86点

ヨイトマケの唄 ヨイトマケの唄
美輪明宏

曲名リスト
1. ヨイトマケの唄 (2013年 新録音)
2. ふるさとの空の下に (2013年 新録音)
3. ヨイトマケの唄 (オリジナルカラオケ)
4. ふるさとの空の下に (オリジナルカラオケ)

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