脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】キンモクセイ / 二人のアカボシ [2002]

ボクらの時代のあの音楽。

 

電気・水道・ガス・サブカル。

我々の生活を支える重要なインフラなわけだが、
その一角であるサブカルにかなりエンゲル係数を傾けているであろう
皆々様におかれましては『ラブとポップ』のCDの事はご存知でしょう。

皆々様のホームグラウンド・重要なインフラ拠点として機能している
「ヴィレッジヴァンガード」に行けば必ず目にするあのCDです。
店の激押しポジションに置かれパワープレイされているアイツです。

ラブとポップ ~好きだった人を思い出す歌がある~ mixed by DJ和 ラブとポップ ~好きだった人を思い出す歌がある~ mixed by DJ和
ヴァリアス

曲名リスト
1. Every Little Thing「fragile」
2. DA PUMP「if...」
3. Aqua Timez「千の夜をこえて」
4. ORANGE RANGE「花」
5. RIP SLYME「One」
6. CHEMISTRY「PIECES OF A DREAM」
7. Crystal Kay「恋におちたら」
8. アンダーグラフ「ツバサ」
9. サスケ「青いベンチ」
10. 蓮井朱夏「ZOO~愛をください~」
11. 光永亮太「Always」
12. キンモクセイ「二人のアカボシ」
13. ASIAN KUNG-FU GENERATION「君という花」
14. サンボマスター「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」
15. Whiteberry「夏祭り」
16. NANA starring MIKA NAKASHIMA「GLAMOROUS SKY」
17. YUKI「ドラマチック」
18. センチメンタル・バス「Sunny Day Sunday」
19. ガガガSP「卒業」
20. RIZE「Why I'm Me」
21. nobodyknows+「ココロオドル」
22. 麻波25「SONS OF THE SUN」
23. DJ OZMA「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」
24. 倖田來未「Butterfly」
25. D-51「NO MORE CRY」
26. 木村カエラ「Butterfly」
27. REIRA starring YUNA ITO「ENDLESS STORY」
28. 河口恭吾「桜」
29. 元ちとせ「ワダツミの木」
30. ZONE「secret base ~君がくれたもの~」
31. 花*花「さよなら大好きな人」
32. YUI for 雨音薫「Good-bye days」
33. 中島美嘉「WILL」
34. 一青 窈「ハナミズキ」
35. 椎名林檎「ギブス」
36. 浜崎あゆみ「SEASONS」

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このCD、昨年の発売以来じわじわと話題が広がり
2017年最大のロングヒット作品となり今も尚売れているらしい。
この調子だとアルバム史上最長のロングヒット作品になる勢いだとか。

J-POPをミックスするクラブDJとして注目されているDJ和
2000年代前半のヒット曲を中心に36曲を詰め込んだアルバムで、
特に俺のような30代前半の人間にはドストライクなラインナップだ。



俺もね、サブカルの定期摂取のためにヴィレバンに行くとさ
このCDのCMが店頭で流れてもうめっちゃ足止めくらうんですよ。
誘惑に負けて買いそうになる、でも思いとどまる、の葛藤の連続。

そんないつも迷うくらいなら買っちゃえばいいんだけどさ、
でも収録曲の殆どはもう何かしらの音源で持ってるんだよな…。
ジャケットの広末も別にそこまで好きじゃないし

しかもこれに収録されている曲ってフルじゃなくて1番だけなんだよ。

最初は「36曲も入ってて2000円とかお得やん!?」と思ったけど、
よくよく考えたらCDの容量的に1枚で36曲も入るなんて
メロコアバンドでもあり得ない収録曲数なわけでして、
で調べたらやっぱりどの曲も1番だけが入っているみたいで。
危ない危ない。てか絶対勘違いして買った人いるでしょ。


だがそんな俺の葛藤を尻目に、
ロングヒットを続けるこのアルバムの30万枚突破を記念した
一夜限りの平成ラストパーティー「ラブとポップ フェス」
今月開催されるらしい。うっわ。平成ラストとか言うな。沁みる。

natalie.mu


広末もMajiでゲスト出演するんだね。


そんなボクらの世代直撃のフェス開催にあたって、
なんとキンモクセイが再集結するという情報が流れてきた。
そう、このラブとポップにも収録されている『二人のアカボシ』を
ヒットさせ紅白まで出場したあのバンド、キンモクセイである。


懐かしい!

10年くらい前に活動休止したバンド、キンモクセイ。
東北大震災の時に一時的に再集結して新曲を出してはいたが、
それ以来の再集結。今回はそのまま活動再開という噂もあるが…?


そんなキンモクセイと言えばやっぱりこの曲『二人のアカボシ』。
彼らの出世作であり最大のヒット曲であり紅白出場曲。
そしてそのせいで彼らを一発屋という印象にしてしまった曲だ。

でも一発屋って言い方は失礼ですよやっぱり。
ほら、『さらば』とか『車線変更25時』とかもまぁ有名じゃない?
うん、でも俺も彼らの曲はそれくらいで殆ど知らない。すまん。


しかしこの『二人のアカボシ』のヒットは実に面白いヒットだった。

2002年当時のJ-POPの主流からするとこの曲はかなりのアウトロー。
青春パンク、ラップ、ミクスチャー等々
騒々しい曲がチャートを賑わしていた当時の状況で、
こんな昭和歌謡っぽい優しげな曲がヒットしたのだ。

いや、逆だな。
昭和歌謡っぽさが逆の意味で当時はロックに見えたのだ。

派手目な曲で戦々恐々としているシーンに現れた一筋のやさしさ。
ラブとポップの収録曲の面々の中でも間違いなくソフトな部類に入る。
特にバンドという形態でこのノスタルジックな優しさは稀有だ。

彼らはこの曲で果敢にもシーンに一石を投じたのだ。ロックである。
そしてヒットした。そう、人々はまだ優しさを忘れていなかったのだ。
この曲により失いかけていた何かを取り戻した、そういう事なのだ。


しかし、当時の音楽シーンを覚えている人間の感覚としては
この曲のヒットは別にそんなに不思議という程でも無かったと思う。
古いとか懐かしいとかより単純に「いい曲」という感じだった。

確かに懐かしさを感じるメロディラインである事に異論は無いけど、
でも当時この曲は若者にもすんなり受け入れられ人気を集めていたし
そんなに「古い」イメージは若者もあまり持ってなかったように思う。

それはこの曲のような歌謡曲っぽいメロディというのが
もともと世代を問わず日本人に潜在的に刷り込まれたパターンであり、
皆がDNAレベルで「いい曲だ」と思ってしまうからではなかろうか。


加えてボーカル、伊藤俊吾の声が時代に合っていた事、これですよ。
昭和歌謡って曲だけじゃなくてあの声・歌い方がまた印象的なんだよね。
力強く湿っぽくネットリしてていかにも「聴かせる」って感じ。

だがこの『二人のアカボシ』、メロディラインは懐かしくとも
歌声はとてもクリアだしグイグイしてない。魅力的だがクセは弱い。
つまりボーカルの雰囲気はむしろ当時の人気バンド達の傾向に近かった。
故に、若者たちにもそこまでの古さを感じさせずに素直にウケたのだ。


しかし、いずれにしてもあのシーンの中で一つの憩いの場のような
こんなホッとする歌謡ロックがヒットしたのは面白かったなと思う。
優しく切なく胸に響くようなメロディが耳に残る一曲である。
やっぱちょっとみんな休憩したかったんだね…。

あとジャケットもチャルメラのパッケージを意識した
ホッとさせてくれるデザインで話題となった。
あーやべ、チャルメラ食いたくなってきた。



このヒットのお陰でチャルメラも一緒に売れたかどうかは不明だが、
でもお店でチャルメラを1000円くらいでこのCDの傍に置いてたら、
何人かCDと間違って買ったりしたんじゃなかろうかと思う。

こういった話題も先行で戦略勝ちといった部分もあったけど、
ヒットするべくしてヒットした、ちゃんとしたヒット曲だった。
彼らが再結成してまた曲を作るのであれば、
この路線で行くのかまた別のタイプを聴かせてくれるのか楽しみだ。


さて、そんな再結成が話題のキンモクセイも入ったラブとポップ。
しかしCDをしっかり購入してた最後の世代も俺らなのかもしれない。
そういった意味でも実に狙いどころが鋭いCDだと言える。

まー俺は別に「ラブ」なんてガラじゃなかったけど、
やっぱりこのCDの収録にされている当時の音楽達には
かなりお世話になったなという事を思い出すのね。

このCDには1番だけしか入ってないんだけど、
でも逆にその1番だけという点がフラッシュバック感があって
魅力なのかもしれないと思い始めてきた。

…だんだん欲しくなってきたぞ。
ちょっと欲しいCDリストに正式に加えておこうかな。

つーかヴィレバンの株持ってるので次の株主優待で買おうかな…。


【採点】
・ラブとポップ世代直撃 30点
・懐かしき歌謡ロック  20点
・優しく響くメロディ  10点
・チャルメラ食いてぇ   5点
65点

二人のアカボシ 二人のアカボシ
キンモクセイ

曲名リスト
1. 二人のアカボシ
2. ゆびわ
3. 二人にしやがれ
4. 二人のアカボシ (ORIGINAL KARAOKE)

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