脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】FRICTION / 軋轢 [1980]

クールなせいで熱くなれない。

軋轢 軋轢
FRICTION

曲名リスト
1. A-GAS
2. AUTOMATIC FRU
3. I CAN TELL
4. 100 NEN
5. CRAZY DREAM
6. CYCLE DANCE
7. COOL FOOL
8. NO THRILL
9. BIG-S
10. OUT

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世間一般に”名盤”と呼ばれている作品を聴く場合、
気合いが入るというか少し先入観が入るのは否めない。

そして期待しすぎたせいで、
逆に「あれ?」と思ってしまう事もあるのだ。

このフリクションの『軋轢』は
俺にとってはそんな作品の一つ。
前評判が仇となったか、微妙な感想に終わった一枚だ。


坂本龍一プロデュース、
レックによるアメリカ仕込みのクールなロックサウンド、
良く言う「ハード」とはまた違う、
本当に硬派なロックアルバムというのは間違いない。

しかし、どうも響かない…。
1980年当時の人はこの作品にかなり強力な気迫を感じたようだが、
俺はそれを感じ取る事が出来なかった。

クールだ、これはとってもクールだ、
クールで硬派でハードボイルドだ。
間違っても彼ら絶対にベビースターラーメンとか食ってそうにない。
指をキツネの形にして少しずつつまんで食ったりするわけがない。
そんな方々が奏でるミュージックだ。

それはとても良く分かるんだが、
世代のせいもあるのか魅力を感じる事が出来なかった。
確かに俺ハードボイルドってちょっと苦手だしな。
確かに俺ベビースタースターラーメン好きだしな。

パッションが伝わらなかったのだ。
かなぐり捨てた感情や抑えきれない個性というものが。
「そりゃお前が子供だからだ!」とか言われれば…
うんまぁ否定は出来ないけどさ。ベビースターうめぇ。


そして坂本龍一が一体どのように作用しているのか。

正直その部分が正確にどこかは良く分からんかったのだが、
アルバム全体を通して無機的というか構造的というか
スケールがコンパクトにまとまってしまっている。
実はそれこそが坂本龍一のせいとか思ったりする。

勿論そこがこの作品の良さでもあるのだけど、
個性が変に抑圧されてたりしないか?
そのせいでベビースターな俺には届かなかったのではないか?

名盤と言われている割には
パンチ力に欠けると思った原因はそこにあるのかもしれん。
洗練されたサウンドも心地は良いが、
このアルバムに対してプラスの効果となったと言えるのか。

フリクションの他作品を聴いた事が無いので、
坂本教授の効果を比べようがないけれど、
ここは坂本教授のせいにして今日も駄菓子を頬張る事にしよう。
ブタメンうめぇ。


【採点】
・クールなロック  20点
・ハードボイルド  20点
・ニューヨーク帰り 20点
ベビースターはお呼びじゃない
          -5点
55点