脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Steady&Co. / CHAMBERS [2001]

期間限定ドリームアルバム。

CHAMBERS CHAMBERS
Steady&Co.

曲名リスト
1. S・T・E・A・D・Y -intro-
2. Chambers
3. 風まかせ
4. Hip Drop
5. Sorrow
6. 春夏秋冬
7. Time Erases Everything
8. Jammed Train Blues -inter-
9. Pass da Mic
10. Wonderland
11. Only Holy Story
12. Up and Down
13. 月光浴
14. Stay Gold
15. After Hours -outro-

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覚えているか?

かつてDragon Ashの降谷とBOTSに
RIP SLYMEILMARIスケボーキングのSHIGEOという、
当時のメジャーヒップホップシーンを牽引していたグループの
中心メンバーが一同に会したドリームユニットが存在した事を。

ドリームユニットだからって正月の特番のクジで結成したわけじゃない。
どうもDragon Ashの降谷とBOTSが声掛けした模様である。

このアルバム1枚限りのユニットだったので、
実質半年くらいしか活動していなかったと思われるが、
彼らが残したこのアルバムは実に味わい深い…。


日本のヒップホップと言うと攻撃的なスタイルか、
あるいはノリノリのパーティチューンでハジけるか、
どちらにしても刺激的で若々しいという特徴から、
言わばユースカルチャーの一翼を担うポジションだ。

それ故にしっとりと聴かせるヒップホップというのは、
あまり日の目を見てこなかったわけだが、
それをこのドリームユニットがやったとなれば、
日の目を見ないわけがない!逆に日の目見すぎて眩しいくらいだ


こんなにも落ち着いた気分で、
ヒップホップを聴く機会があっただろうかってくらい、
オットナーなムードたっぷりな楽曲群である。

全体的にはジャズ、アコースティックテイストで、
音数が比較的抑えられているのがクール!
でも全くノれないわけじゃなく小刻みに揺れてノる感じ。
ポケットの中のケータイがバイブするぐらいのノリかな。


3人のMCのコーラスワークが絶妙に響く曲から、
先行シングルの『春夏秋冬』『Stay Gold』のように、
哀愁漂うちょっぴりセンチメンタルな曲、
そして美しいクリスマスソング『Only Holy Story』。

どこかのコンサートホールに来たようなイントロに始まり、
遊び心もある楽し気なインタールード、
そしてコンサートが終わり皆がホールから出た直後の
祭りの後みたいな喧騒をイメージしたアウトロと、
非常にコンセプチュアルな構成も面白い。


風格すら感じさせる円熟味のあるヒップホップである。
邪道という人、楽しくないという人、とりあえず否定する人、
そんな人達にですら寛容になれそうなオットナーなアルバムだ。

これからの寒い季節、
しっとりとしたヒップホップを味わいながら、
オットナーになりましょう。


【採点】
・オットナーの品格     30点
・しっとりヒップホップ   30点
・コンセプチュアルな構成  20点
・ケータイバイブくらいのノリ 3点
83点