脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

レコード大賞と紅白歌合戦に変化はあったか考える。

いざ、大衆音楽が「無い」時代へ。

 

明けましておめでとう御座います。
ファンキーモンキーベイベーな2016年です。

年末年始はずっと積み本していた漫画をそれなりに消化したものの、
それでもあと有休3日分くらいの漫画が残っている有様だ。
でも録画したガキの使い観るのが先かな…。


さてさて、レコード大賞紅白歌合戦の話だ。
実はリアルタイムではどちらも観てないんだけどね!
ただこちらも録画はしていたので観たいものだけ後から観た。


レコード大賞も権威がなくなった」だとか
「紅白なんか観てもつまらん」なんて話は
今日び近所のオジちゃんオバちゃんも言ってる時代だが、
改めて視聴率を確認するとまーその通り。


⇒不振の紅白 マンネリ化目立つ - Yahoo!ニュース

⇒レコード大賞の視聴率は13% 大みそか前日に日程変更以降で過去最低 - ライブドアニュース


そもそもテレビを観ている人自体が減ってる世の中なので、
こんなニュースは中身の議論以前に最早当然って感覚になっているが。
テレビ自体持ってないって人が俺の周りにもそれなりにいるし。
欲しい情報や娯楽は別にテレビじゃなくてもいいって事に奴らは気付いてやがる。

そういえば去年、
会社の後輩達の前でとにかく明るい安村とバンビーノの真似をしたら
半分くらいの人に伝わらなかったな。

今の世の中バラエティ番組の影響なんざもうその程度って事だ。
それより問題なのはそのせいで俺が滑った事だよ。
ちくしょう。どうしてくれるよ。頑張れよバラエティ番組。


しかしこれらの番組の視聴率は落ちたというものの、
時代の潮目というものを非常に感じる内容だったとは思うね。
ちょっくら整理も兼ねて冬休みの感想文的気分で書いてみるか。
 

レコード大賞

大方AKBか三代目だろうという下馬評通り、三代目が大賞。
最優秀新人賞の「こぶしファクトリー」については名前すら初めて聞いた。
知らないのは俺の勉強不足かもしれんが、
勝手に賞レースやってればって多くの人が思ってそう。

ただ最優秀アルバム賞にサザンの『葡萄』が選ばれていた事には凄く納得した。
サザン自身が自負していたように現在の大衆音楽に近い形の作品だったと思う。
もっとも曲単体というよりアルバムという集合体としての大衆性にはなるけど。

この最優秀アルバム賞は2008年に創設された賞みたいだが、
今後は是非ともレコード大賞や最優秀新人賞と同列に扱うようになって欲しい。
確か昨年もこんな話したと思うが、日本はアルバム単位で話す機会が足りない。
レコード大賞を再注目させるにはアルバムを評価するという視点が欠かせない。

まーレコ大はこんくらいの感想。
サザンのアルバムだけ「おっ」と思った程度で
正直目を見張る要素なんて特に無かった。
 

紅白歌合戦

マンネリ化だという話が多いけど、結構みんな目と耳が肥えてるのねー。
紅白については俺はそこまで悪くなかったかなって思ったんだけど。

確かに”歌”合戦というより”演出・コラボ・中継”合戦になりつつあるし、
アニメ紅白という企画も去年の妖怪ウォッチの焼き直しというのはそうだが、
紅白がエンターテイメント番組としてまさに意識改革中である事を感じる。

というかこんなに音楽の趣味が多様化・細分化した時代の中で、
全世代に楽しんでもらえる番組を作ろうと思ったらこの道しかない。


特に今回はアニメ・アイドルソングの印象が強かった事は重要なポイント。
アイドルはここ数年の傾向としてもラブライブのμ'sが登場したのは象徴的だ。
保守的なお方やロキノン系&サブカル系から煙たがられそうなこれらの要素だが、
今やアニメとアイドルは種々雑多な音楽を咀嚼し提供してくれる存在だ。

そもそもアニメ・アイドルというのは音楽のジャンルでは無い。
ポップもロックもヒップホップもありとあらゆる垣根を超えて取り込む、
実に恐ろしき肉食系コンテンツなのだ。言ってしまえば何でもアリ。

その奔放さこそがこれらの楽しみ方の一つである事は間違いない。
だからこそ多くの支持を集める一大文化として根付いている。

紅白がエンターテイメントとしてのリバイバルを目指していくには、
そんな熱い&厚いファンを抱えるアニメやアイドルを使わない手は無い!

これは紅白が”歌”合戦を捨てたときから避けて通れない道だったのである。
むしろ音楽文化の変容と共に”歌”合戦を捨てる事自体が避けられなかったと思うと、
この流れは宿命でもあったと言い切ってもいいのかもしれない。


さらに今回は小林幸子の登場も大きかった。
ボカロ曲の『千本桜』を歌い、ニコニコ動画の字幕まで表示されました。
お茶の間よ目に焼き付けたか!ラスボスの力を!

しかし振り返るとネット文化の紅白出場はむしろ遅かったとすら思える。
ネットとテレビは競合するというより共存するものである。
小林幸子というその両者の間の見事なパイプの登場により、
今回の紅白でその部分が少しでも達成出来たのではないだろうか。

他にも初出場のレベッカバンプゲスの極み乙女星野源等で
往年のロック世代からロキノン・サブカル層までリーチさせる辺り
紅白は実はかなりの範囲をカバーしていたと思う。

という事でざっと総括。

やはりもう大衆音楽というものは存在しない時代に突入している。

皆が知ってるヒット曲は生まれないなんて話は結構前から言われてますが、
それでも暫く前まではCDが売れていた時代の残り香のようなものがあって、
若い世代も2000年前後のヒット曲くらいまでは比較的知っていたと思う。

しかしCDが売れなくなって10年余り経過した現在は、
その昔のヒット曲の残り香すらも消え去ってしまい、
若い世代は本当にヒット曲というものに殆ど触れていない。

そんな中でも紅白はより多くの方面に配慮している事が伺える。
テレビ全体の視聴率の低下が待ったなしの状況の中でも、
紅白は時代に合わせて可能な限りの音楽文化を網羅しつつ
エンタメ路線でソフトランディングしているのだと感じた。

ただ、ここまで多様化したニーズに応えようすると、
横の繋がりが薄れてしまって紅白に釘付けにする事がなかなか難しい。
実際にツイッターのタイムライン等を眺めていても、
目当てのアーティストの場面だけ観るというスタイルが結構多いようだ。
その部分をまとめ上げていく事が視聴率回復のカギになっていくだろう。
 
それに比べてレコード大賞の不甲斐なさったら!
殆どの人が興味の無い賞を大々的に放送するという寒々しさ。
慣例だからいつも通りやるかーというやる気の無さが見え隠れというか見え見え。
もう根本的に見直さないと救いようがないよね…。

しかし紅白も頑張ったのはどちらかというと出場歌手の方で、
番組側の努力というのはあまり感じられなった気もする。
まぁ変にNHKが口出しするよりはその方がよっぽどいいかな。

「国民的音楽番組」はこれからも変化を余儀なくされていく事だろう。
それはテレビ番組に限らずありとあらゆるモノがそうなんだけど。


という事で2016年も始まります!
今年はどんな楽しい事が巻き起こる年になるのか…?
ワクワクして参りましょうではありませんか。

葡萄(通常盤) 葡萄(通常盤)
サザンオールスターズ

曲名リスト
1. アロエ
2. 青春番外地
3. はっぴいえんど
4. Missing Persons
5. ピースとハイライト
6. イヤな事だらけの世の中で
7. 天井棧敷の怪人
8. 彼氏になりたくて
9. 東京VICTORY
10. ワイングラスに消えた恋
11. 栄光の男
12. 平和の鐘が鳴る
13. 天国オン・ザ・ビーチ
14. 道
15. バラ色の人生
16. 蛍

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