脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】UVERworld / KICKが自由 [2014]

Uverあるある早く言いたい。

 

歌というものは基本的にメタ的表現だと言える。

漫画等ではたまに登場人物が自分たちのいる世界を漫画だと認識して
「これは漫画だからー」といったメタ発言をする事も少なくない。
あまりにメタ発言が多いと萎えるという人もいるので乱用は危険だが。
ただおそ松さんの一話目はヤバい。あそこまでやるとなんかもう立派だ。


そういった意味で歌詞というのは基本的に視点が歌い手である以上、
当然ながら歌詞の内容と歌を歌っている自分という認識は一致してるものだ。
今自分はマイク持って歌を歌っている最中だと思っていたら
実は包丁持って銀行に向かってる途中なんだよとか言われる事はない。

だから歌詞の中の自分が「歌っている自分」なのは自然であり、
「私はこの歌を届けたい」とか「この声が響きますように」とか
そういった言葉が歌詞に登場するのはなんらおかしくはない。


しかしだからこそ逆に「俺今歌ってる最中なんだ」と改めて歌詞の中で
再認識させるという事は「いやわざわざ何言ってんのお前」という話になる。
歌詞書いときながらそこで歌ってる事を改めて認識するとか寝ぼけんなと、
そんな事はいちいち問うまでもない愚問なのだ。


だが世間は広い。
歌を歌っている事を完全に意識したメタ曲というものも少なからず存在する。
若者に大人気のUVERworldの『KICKが自由』もその一つだ。


ハッキリ言って歌詞に脈絡がなさすぎる曲だ。
歌っている最中に気分でころころ歌う内容を変えてくる奇曲なのだ。


冒頭からとにかくテキトーな感想文のようにうだうだと歌詞が続く。
「出前を持ってくるババアが可愛く見える」とか言ってるし、
精神状態がただ事ではないようだ。熟女好きなのか。柴咲コウはどうした。

そんな1番が終わる頃に突如

「言うの忘れてたね 1番の歌詞はこの曲と全く関係ない」

と告げられる。

ああなんだ、前座だったのか。
歌詞の主題に入る前にちょっと空気あっためとこう的なノリか。
逆にちょっと寒い気もするがこういうところが彼らの特徴でもある。

しかし2番に入ると今度は下ネタっぽい事をぶっこみ始める。
ここはオッサンの集まる居酒屋か。これが本題とかいうのか。

と思ったら案の定また自分で勝手に歌をぶった切る。

「この話もやっぱりもう良い
 そんな事よりKICKっていう犬が可愛いんだよ」

お、来ましたここでKICKです!やっと本丸に到達したみたいだ。
だよな、下ネタが本丸とかまあちょっと嫌だしな。
ちなみにKICKというのはメンバーが使用したスタジオにいた犬らしい。
この犬が自由奔放だったので自由を歌うときに思い出すそうだ。

話が二転三転する歌詞だったが2番の途中からようやく始まったようだ。
なるほど、曲名とも合致するしこういう内容の歌だったのね。

「言うの忘れてたね 2番の歌詞もこの曲と全く関係ない」


てめぇぇぇぇぇぇぇっ!

そしてまた別の話が始まる。マジで自由すぎんだろ。
『KICKが自由』とか言っときながらあんたらが一番自由だわ。

しかしなんか今度はカッコイイ事言ってやがる。
未来は自由じゃなきゃ魅力がないとかそれっぽい事言ってやがる。
これがホントにホントの本丸なのか。というか本丸であってくれ。

「とは言っても この曲とやっぱり全く関係ない」


…もういい。ツッコむ気も失せた。

ゲームでラスボス倒したら裏ボスが出てきてそれもやっと倒したのに
また黒幕が出てきた気分だ。結局何が歌いたいんだよ疲れたよ俺。


そして最後の最後でようやっと歌いたい事を歌ってるっぽい。
全体の歌詞の量からすると1/10程度の長さだ。寄り道しすぎだ。

しかしもうここまで聴いた後だとあんま入ってこない。
レイザーラモンRGが「早く言いたい」で引き伸ばし過ぎて
最後が意外と印象に残らない感じだ。これも狙いのうちなのか。


歌というものは基本的にメタ表現だと冒頭に書いたが訂正しよう。
こういう曲こそが本当の意味での歌のメタ表現だ。

歌の中で自分が歌っている事を認識する。
なんだか書いててわけが分からなくなってきたぞ。
俺も精神状態がただ事ではないかもしれん。もう寝よう。


【採点】
・歌のメタ的表現 30点
・歌詞の無駄遣い 20点
・早く言ってくれ 20点
・どちらかというとUverが自由  
          2点
72点

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UVERworld

曲名リスト
1. 零HERE ~SE~
2. IMPACT
3. 誰が言った
4. ナノ・セカンド
5. Fight For Liberty
6. ENOUGH-1
7. KICKが自由
8. a LOVELY TONE
9. 7日目の決意
10. 別世界
11. Born Slippy
12. Wizard CLUB
13. 在るべき形
14. 0 choir

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