脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】4TE / Leave A Message [2016]

J-POPが船出するとき。

 

突然だが、
果たして日本人は本当に優しくて思いやりのある人種なのだろうか。

どちらかというと欧米人は利己的で自分勝手で他人に冷たく、
対する我が日本人はおもてなしの心がある、
そんなイメージを俺らは植え付けられている気がしないか。


確かに外国人から「ニホンジンヤサシイネー」みたいな
お褒めの御言葉を戴く映像みたいなのは良く見かける。

だがそれは日本に来た外国人に対しての日本人の態度が、
「あ、外国人だ、優しくしよう」という方向性に働いているから
外国人からそう見えるだけという可能性が少なからずあるのではなかろうか?
日本人の日本人に対する態度と外国人に対する態度は実は相当違うのでは?
普段から斜に構えすぎて平常時の姿勢すら傾いていそうな俺はそう思う。

だって例え俺が道に迷って困っていても多分みんなスルーするでしょ。
そりゃみんな早く帰って録画したテレビで綾野剛のご尊顔が観たいんだから、
困ってる俺の横を素通りしながら心の中で「ググレカス」唱えて終わりだよ。
俺が綾野剛みたいな顔だったら喜んで助けるくせにさ。

結局だ、日本人は少なからず外国人にコンプレックスを抱いているわけで、
特にアングロサクソン系の人種にはめっぽう弱いイメージすらある。


そんな哀れな悲しき日本人の性は音楽市場でも発揮されるのだ。

洋楽アーティストが歌詞に日本語を混じらせようものなら、
「○○が歌詞に日本語を使った!」みたいに好意的にプッシュされる現象だ。
これを俺は個人的に「日本人ホイホイ楽曲」と呼んでいる。

しかし当然ながら日本のバンドが英語を使ってもそんな騒がれる事は無い。
まあ世界共通語だしね。ハイスタ以降はもう英語詞のバンドなんて普通だ。


そこでだ、
この4人組ユニット4TE(フォルテ)の曲を聴いて欲しい。
聴いただけでは、普通に日本語で歌っているJ-POPの曲だ。

まさか彼女達がアメリカのガールズユニットだとは思うまい!

J-POPが好きなアメリカの4人の女の子が、
ネットを通じて知り合って結成されたらしいからスゴイよね。
まさかこんな事が起きるとは日本人でも驚きだろう。


日本には洋楽に追いつけ追い越せと精進を続けるアーティストと
そういった音楽を好んで聴くリスナーも多かったわけで、
とりわけそういう海外趣向の強い層からこそ、J-POPというジャンルは
「J-POPwwださww」みたいな扱いを受けていたわけだ。

勿論J-POPというジャンルそのものが良く分からん定義なのだが、
それでもやはりJ-POPなんて海外向けにはちょっと…という空気はある。
こういった控えめで謙虚なところもまた日本人の美徳らしいからな。
全くどうなってんだよ日本人。鎖国は160年以上前に終わったんだぞ!


だが日本人がそんな風に洋楽的なモノを追い求めていた陰で、
実はその逆の現象もこういった形で進行していたのだ。
これは実に面白い話じゃなかろうか。

しかもこれは歌詞の一部が拙い日本語というレベルの話ではない。
歌詞の全てが普通の日本語に聞こえるというかつてない案件なのだ。
曲も近年のJ-POPをかなり分析しているようだ。

だがそれ故に彼女らの曲は背景の説明抜きで聴くと
「日本人ホイホイ楽曲」とはなかなか分からないのが難点だ。
マジで普通にJ-POPと思ってしまいそうである。


しかしこういった活動はいつか日本でも話題になるのだろう。
だって日本人好きだからね、海外に自国の事が取り上げられるの。

あと近年、何気にJ-POP見直しの機運も高まっているような気がする。
まだまだ小さい炎だが、何かのきっかけさえあれば爆発するかもしれない。
いよいよJ-POPが逆黒船となる時代が到来するか?


【採点】
・まさかのJ-POP逆輸入   30点
・日本語に違和感無さすぎ  20点
・高度な日本人ホイホイ楽曲 20点
・だがそれに気付きにくい… -1点
69点