脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Weezer / Weezer(blue album) [1994]

掟破りの禁じ手使い。

Weezer Weezer
Weezer

曲名リスト
1. My Name Is Jonas
2. No One Else
3. The World Has Turned And Left Me Here
4. Buddy Holly
5. Undone-The Sweater Song
6. Surf Wax America
7. Say It Ain't So
8. In The Garage
9. Holiday
10. Only In Dreams

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今年のサマソニウィーザーも出演するらしい。
ああなんだろう、懐かしいようなこの感覚。
俺、久しぶりに聞いたんだよ彼らの名前を。

人間生きていれば、当然ながらあまり聴かなくなるアーティストもいる。
それも無意識的にだ。だから不思議なんだよね。

今まで聴いていたアーティストの新作をちゃんと聴いて
「うーん、これは好みじゃないなー」といって離れていくのではなく、
本当に自然に聴かなくなるんだ。誰しも経験があるんじゃなかろうか。

ウィーザーのファンの方には申し訳ないが、
俺にとっての彼らはそんな自然と聴かなくなったバンドの一つだった。
調べたら2014年に新作出していたのね。知らんかったよ。


そんな彼らのサマソニ出演なわけだが…

あれ?何だか扱いが小さくない?
⇒SUMMER SONIC 2016

いや俺も聴かなくなってたけどさ、それでもあのウィーザーさんだぞ!
何年か前のフジロックではオオトリを務めたウィーザーさんだぞ!
90年代パワーポップバンドの代名詞的存在だぞ!すげーんだぞ!

…うーん、でもまぁまだメインポジションに近い方か。
これも時代なんだろう。


そんなわけで後輩から煙たがられる先輩ポジションに勝手に追いやられた
不憫なウィーザーパイセンの華々しきデビューアルバム『Weezer』である。

作品名にアーティスト名を冠した所謂セルフタイトルアルバムだ。
1stアルバムに付けられる傾向が強いが、そうじゃないケースも最近多い。

しかしいずれにせよアルバム名にアーティスト名を冠するというのは、
やはりその作品にそれ相応の意気込みと覚悟がある場合か、
もしくはマジで他に何も思い浮かばなかった場合のどちらかだと思う。

そんなわけで彼らはその気合十分のデビューアルバムに
自らのバンド名『Weezer』とつけて大ヒットとなったわけなのだが、
なんと彼ら、このセルフタイトルという禁じ手をこの後2回も使ってる。
必殺技ゲージが溜まり易い格ゲーのキャラかよ。ずるい。

そのせいでアルバムを『Weezer』と口頭で伝えると、
一体どのアルバムか分からなくなって面倒臭い事この上ないので、
それぞれジャケットの色で通称がつけられているのだ。

この1stアルバムが「ブルーアルバム」、
3rdアルバムが「グリーンアルバム」、
6thアルバムが「レッドアルバム」となっている。

見事に赤緑青の光の三原色だ。故に初代ポケモンである。
だから次は「イエローアルバム」も出るんじゃないかと思っているが、
今のところ出ていない。ピッピカチュー。


そんなこのブルーアルバムの内容だが、
ブルーだからって別に暗いわけじゃない。
パワーポップバンドの名に恥じない実に純粋なポップロックアルバムだ。

聴き易い事この上ないくらい聴き易い。なんの障害もなく鼓膜に届く。
ちょっとしたギターの歪みやたまに顔を見せる哀愁ソングもご愛敬。
突き抜けたような軽やかさで、なんだか童心に還れたような気分になれる。


しかし多くの90年代の作品の例に漏れず、これも「時代」感が強いなぁ…。
上の世代からは「軽薄だ」と蔑まれ下の世代からは「古臭い」と罵られる、
改めて聴くとなんだかそんな感想を抱いてしまった。

俺はギリギリこの手の音に慣れ親しんでいた世代なので嫌いではないが、
それでも2010年代の今聴くと少し物足りなさを感じてしまう。
俺自身も時代と共に変わっていっていたわけだと再確認したのだ。


というわけでサマソニ出演の情報を機に久々に聴いてみたWeezerだったが、
聴かなくなったものにはやはり理由があったのかなと思った次第である。

それでも90年代の空気感を感じるには十分な一枚。
もしこのブルーに嵌ったなら、グリーンとレッドも買い揃えよう。


【採点】
・純粋ポップロック    30点
・禁じ手セルフタイトル  30点
・控えめなサマソニの扱い -1点
・出ないイエローアルバム -1点
58点