脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】lyrical school / RUN and RUN [2016]

重力に逆らい、常識に抗う。


最近良く「若者の○○離れ」とか聞くけどさ、
なんだかまるでその「○○を離れない人が健常」みたいな物言いだよね。
単純にそのビジネスモデルが時代遅れになってきてるってだけでしょ。

そんな若者が離れていると言われているモノの一つがテレビだ。
最近の小中学生はテレビタレントよりYoutuberとかに詳しかったりね。
テレビがなくてもネット環境さえあれば十分という人は実際増えている。

実際俺もテレビは最低NHKさえ観れればいい。
深夜アニメとかも観たいけどその辺はレンタルでもいいしね。
なんだかんだでニュース関連はNHKが一番余計な情報が無くて良いし、
小さい娘がいるのでEテレは非常に助かっている。
受信料分くらい余裕で活用している自信があるぜ。


ちょいとというか相当話が逸れているが、
結局テレビに支配される時代は徐々に変化しつつあるという事だ。

そしてそんな事実をこの曲のMVが再認識させてくれたのだよ。

lyrical school、通称リリスクのこの『RUN and RUN』、
ご覧の通りMVが縦長である。そう、コレ完全にスマホ向け仕様なのだ。

リリスクはラップをするアイドルという事で話題となったグループだが、
またもやこんな形で話題になるとはいやはや時代を読むが上手い。
やはりアイドルシーンは音楽ビジネスの最先端を走ってるね。


思えばテレビを始めとする映像系の形式はどれも横長である。
そりゃ人間の目は横についているからね。
万物が重力に従い続けている以上は視野が横に広がる事は自然であり、
視るという行為が前提にあるコンテンツは必然的に横長だ。

しかしスマホはそもそも動画を観る事は主たる機能ではない。
とにかく色んな機能をオールインワンで使用するため、
どちらかというと操作する事に特化したツールである。

だからスマホで動画を観るという行為は
元来はスマホでネットを見る事の副次的な要素であったハズだ。
そしてネットの動画も基本横長だからスマホを横にしたりしていたのだ。

だがテレビはおろかパソコンすら持たずスマホ三昧な若者が増加した今、
むしろ動画の方がスマホで観易い形態に変化する事だっておかしくない。
スマホで観る方がより楽しめる動画というまさにスマホ時代の産物だ。

そしてこのMV、ただ縦長なだけではなくて
ちゃんとスマホの機能を使ったギミックが動画に散りばめられており、
スマホで観るとスマホジャックされたような感覚が味わえる代物なのだ。

そう、つまりこのMVは完全にスマホ専用MVなのだ。
もうMVだってテレビで垂れ流される時代じゃないのだ。
それを先陣を切って世に知らしめたこの動画のインパクトはデカいぞ。

昔っからテレビっ子だった俺も
横長という形式に完全に無意識的に囚われていたよ。
その概念を崩していくのは、テレビ離れなどと謎の心配をされる
新時代の若者なのかもしれないと真面目に考えたMVだった。

冒頭の話に戻るが、元々近づいてもいないのに勝手に
「若者の○○離れ」等と叫んで自分の世代の価値観を肯定したい方々よ。
いつまでも若者がおかしいんだと勝手に思ってればいいさ。

ただ時代に一番敏感な若者に見放される事は未来が無い事と同義だ。
今までと同じように誰もが興味を持ってくれる等と考えない方が良い。
自分達の時代の常識なんてあっさり崩されていくものだよ。

【採点】
・動画の常識を覆せ   30点
・アイドルラップよ響け 20点
スマホ世代へ届け   20点
・そもそも若者が近づいていない事に気づけ
            -3点

67点

RUN and RUN(通常盤) RUN and RUN(通常盤)
lyrical school

曲名リスト
1. RUN and RUN
2. リリスクのうた
3. RUN and RUN (INST)
4. リリスクのうた (INST)

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