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脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

脱R論 - 一般人の一般人による一般人のための音楽ブログ。

史上最大の侵略が始まる

 
歴史的一幕を見逃すな。

ウルトラセブン・クラシック ウルトラセブン・クラシック
シューマン オムニバス(クラシック) ライプツィヒ放送合唱団

曲名リスト
1. 交響詩ウルトラセブンウルトラセブン
2. 交響詩ウルトラセブン」 怪獣出現
3. 交響詩ウルトラセブン」 ウルトラホーク発進
4. 交響詩ウルトラセブン」 侵略者の魔手
5. 交響詩ウルトラセブン」 さよならウルトラセブン
6. ピアノ協奏曲 イ短調 作品54 第1楽章:アレグロ・アフェトゥオーソ (リパッティシューマン) (モノラル)
7. ピアノ協奏曲 イ短調 作品54 第1楽章:アレグロ・アフェトゥオーソ (ハスキルシューマン) (モノラル)
8. ピアノ協奏曲 イ短調 作品16 第1楽章:(冒頭部分)
9. 皇帝円舞曲 作品437
10. 流浪の民

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今年はウルトラマン放送開始50周年を記念して、
NHKで特集が組まれ色々な企画が行われていたみたいだ。

その一環でウルトラQウルトラマンレオまでの放送回の中で
「名作」回の投票が行われたのだが、そこで栄えある第一位に輝いたのが
ウルトラセブンの最終回「史上最大の侵略(後編)」だった。

⇒ウルトラ怪獣最終決戦!「名作」回結果発表!|祝ウルトラマン50 乱入LIVE!怪獣大感謝祭|NHK

俺も全てのウルトラマンシリーズを観ていたわけではないが、
このウルトラセブンの最終回は本当に素晴らしすぎて何度観ても泣ける。
第一位を獲得したのもなんか順当すぎて驚かないレベルだ。

ウルトラセブンの最終回は究極のドラマだ

俺もこの結果を知って久しぶりにセブンの最終回を観たくなった。
というわけでこの名作について熱く語ってみようかと思ったわけだ。

まず「ウルトラマンセブン」じゃなくて「ウルトラセブン」だからな。
ここ間違える奴は鼻フック一本背負いされても文句言えないからな。

つーか間違った知識を広めたゴムさんの「思い出は億千万」は罪だ。


このウルトラセブンの最終回は、
第48話の「史上最大の侵略(前編)」と
第49話の「史上最大の侵略(後編)」の前後編からなる。

NHKBSで名作に選ばれた回の上位を順次再放送しているが、
ただ1位を取ったのは「史上最大の侵略(後編)」の回なので
放送されるのはこの後編だけっぽい。

「前後編どっちも放送しろ!」と殆どのウルトラセブンファンが
思っただろうが、そこは大人の事情で後編だけ流すんだろう。
こういうところがNHKだよな。そこは融通利かせて欲しいぜ。

しかしタイトルのスケール感が凄いよね。
だって「史上最大の侵略」だぜ。最終回に相応しいタイトルだ。

この話は主人公のピンチと地球の絶望的なまでの危機、
そして友情、恋愛要素までが描かれているという重厚なドラマだ。
セブンの人気が高いのはこの最終回があってこそだろう。

では以下からネタバレも含めたあらすじを始めようと思う。
現時点で「ちゃんと最終回を観たい!」と思った方は観てから来てくれ。
観るの面倒だけど内容は知りたいなどと言う我儘な輩は続けて読め。

史上最大の侵略(前編)

地球でのセブンの仮の姿であるウルトラ警備隊モロボシ・ダンは、
それまでの地球への侵略者との戦いで疲弊しきっていた。
これ以上セブンに変身して戦い続けると命が危ないという状態だった。

そして疲れていた彼のミスによりゴース星人が地球へ侵入してしまう。
ブラック企業でこき使われているとミスも多くなる。
まさしく現代人が学ぶべき教訓もこのセブンの最終回にあるのだ。

そしてゴース星人はウルトラ警備隊の一人である
アマギ隊員の拉致に成功し、さらにセブンのラスボスとなる
双頭怪獣パンドン(通称エビフライ/別称イカフライ)を投入。

ウルトラ怪獣名鑑 史上最大の侵略 パンドン
B00T7B9JE6

ダンは変身は危険だと分かっていながらもセブンに変身して立ち向かう。

調子が悪いセブンはこのパンドンフルボッコにされる。
男なら誰もが真似したお馴染みの技アイスラッガー

この必殺技もパンドンに叩き落されてしまう。

その辛そうなセブンの姿を観ているとこちらも辛くなってキツイ…。
今まで戦ってくれた僕らのヒーローが眼前でボロボロになっているのだ。

しかしウルトラ警備隊の援護もあって、
セブンはなんとかパンドンアイスラッガーで切り倒して勝利する。
そしてその場にそのまま崩れ落ちダンの姿に戻って気を失ってしまう。
ここで史上最大の侵略の前編が終わる。


このパンドン、ラスボスにしては見た目もパッとしないし、
不調のセブンと張り合っただけなのであまり強くないという評価が多いが、
個人的には結構強いんじゃないかと思う。

セブンの主題歌の歌詞で「倒せ火を吐く大怪獣」とあるが、
セブンが戦った怪獣の中で火を吐くのはこのパンドンのみである。
つまり主題歌に合致する敵がラストでようやく登場したわけだ。

ちなみにパンドンは頭部の左右に口がついており、
火炎を吐くときは体を横に向けて吐く。なんかカワイイ。
あとどこにあるか分からないが目があるらしい。どこだ?心の目か?

史上最大の侵略(後編)まさに史上最大の侵略

さて、後編だ。
ダンは警備隊の基地に搬送され、なんとか意識を回復するものの
精密検査で正体がばれるのを恐れて基地を飛び出してしまう。

一方ゴース星人は拉致したアマギ隊員をカプセルに閉じ込め操り、
彼にゴース星語を日本語に翻訳させながら地球に宣戦布告をする。
ゴース星は高度な文明を誇っており、強力な地底ミサイルを有していた。

ウルトラ怪獣名鑑  史上最大の侵略 ゴース星人
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「地球人は空と海の守りは固いが地中からの攻撃には対処できない」
なんか妙に納得させられる論を展開、全世界を射程に収めていた。
そして地底ミサイル150発により「30億人類皆殺し」を宣言、
モスクワ、ニューヨーク、ロンドン、パリと主要都市への攻撃を開始した。

世界の総人口が30億だったりモスクワが対象だったりするとこは
1968年という放送当時の時代を感じさせてくれる。

そして世界の大都市が火の海になる映像が流れる。
特撮とは言え相当にショッキングだ。まさに「史上最大の侵略」だ。
ここまでの大規模な侵略は見たことが無い。空前の危機である。
当時コレを観ていた子供達はどんな気持ちだったんだろうか。

そしてゴース星人は「次は東京だ。降伏しろ。30分時間をやる。」
と降伏を迫ってくる。大変だ。東京の街はパニックになった。
アナウンサーも「人類はゴース星人の奴隷になるのでしょうか」等と、
淡々とテレビで報道している。お前良く冷静でいられるなオイ。

しかしこの絶望的状況の中、逆転の一手が見えた。
ウルトラ警備隊はゴース星人の地下基地を突き止めて、
無人のマグマライザーに爆弾を詰め込み突入させる計画を立てたのだ。

史上最大の侵略(後編)ダン、最後の変身

その頃、街に出ていたダンは車の中で寝込んでいるところを
ある少年に助けられてその少年の家に匿って貰っていた。
終始緊迫感が漂うこの最終回の中でこの少年とのシーンは落ち着く。

少年は「僕は大きくなったらウルトラ警備隊になるんだ!」と言う。
警備隊を逃げ出してきたダンにとってこのセリフはどう響いたのだろう。

そしてダンは腕につけた小型ビデオでウルトラ警備隊の作戦室を覗き、
地球防衛軍と警備隊でマグマライザーの計画が進んでいる事を知る。
さらに基地にはアマギ隊員が捕らわれているが仕方ないとする決定を見て、
ダンは少年の元を離れアマギ隊員を助けに向かう事を決意する。

しかしダンの所にウルトラ警備隊のアンヌ隊員が駆けつけてきた。
ダンとなんかイイ感じの関係になりつつあった紅一点のアンヌ隊員だ。
どうやら少年の母がウルトラ警備隊に連絡していたみたいだ。
ナイスだ少年の母。貴方の連絡によりダンとアンヌはここで会えたのだ。

かけつけたアンヌはダンに「何故逃げたの?」と詰め寄る。
ダンはもう行かなくてはならない。そしてもう戻れない。
ここでダンは意を決してアンヌに全てを明かす事にした。

「アンヌ、僕はね、人間じゃないんだよ。
 M78星雲から来たウルトラセブンなんだ!」



ここでキラキラした背景に変わる。
このキラキラは聞いた話によるとなんとアルミホイルらしい。
小学生の図画工作のような発想でいい演出をする。うーん、凄い。

この衝撃の告白をしたダンはさらにアンヌに対し、
「びっくりしただろ?」と問いかけるが、
アンヌは「ううん、人間であろうと宇宙人であろうと、
ダンダンにかわりないじゃないの」と返す。

素晴らしい返しだ!普通の人間ならば衝撃のあまり、
泡吹いて失神するか泣き叫んでギャーギャー喚くかどっちかだと思うが、
こんな立派なセリフが出てくるのがアンヌ隊員の強いところである。

ダンは「ありがとう、アンヌ」と感謝する。
そして「僕はM78星雲に帰らなければならないんだ。
西の空に、明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んでいく。
それが僕なんだよ。…さよならアンヌ!」と別れを告げる。

ちなみに明けの明星が輝くのは西の空ではなく東の空なので、
このセリフは単純にダン頭の悪さを露呈したミスとも言えるが、
「そんな時は来るわけがないから本当の意味で帰る事は無いんだ!」
という実にポジティブな解釈がファンの間で広まったのも面白い。


「待って!ダン!」と言うアンヌの制止も聞かず、
「アマギ隊員がピンチなんだ!」とダンはセブンへの最後の変身をして、
アマギ隊員が捕らわれているゴース星人の地下基地へと向かう。

史上最大の侵略(後編)ダン、最後の戦い

マグマライザーがゴース星人の地下基地に到達する寸前で、
セブンはアマギ隊員を基地から救い出す事に成功する。
同時に現場に駆け付けたウルトラ警備隊がアマギ隊員を保護する。
そして爆散するゴース星人の基地。ゴース星人の計画はなんとか途絶えた。

しかしそこで地中から何かが現れる。
前編で切り倒した筈の敵、パンドンである。
パンドンは切断された左手と右足に改造を施されて、
再びセブンとウルトラ警備隊の前に立ちはだかったのだ。

ここでアンヌ隊員はウルトラ警備隊の面々に
セブンの正体がダンであった事を打ち明ける。
そして彼がもう元の姿に戻れず星に帰らなければならない事も…。
衝撃を隠せない皆さん。そしてキリヤマ隊長は「行こう!」と叫ぶ。


セブンとパンドンのラストバトルが始まった。
バックで流れているシューマンのピアノ協奏曲が、
この最後の戦いをより一層ドラマチックに演出する。

セブンはもう満身創痍だ。
ウルトラ警備隊の隊員達はウルトラホーク1号2号3号で出撃、
またもやパンドンにボコボコにされているセブンの援護をする。

ここで警備隊のメンバがセブンに向かって叫ぶ。
ダン離れるんだ!怪獣はオレに任せろ!」
ダン!」「ダンは死ぬ気で闘っているんだわ!」

セブンではなくダンと呼んでいるところが非常に重要だ。
アンヌも言っていたように彼らにとってダンダンなのだ。
今まで幾多の苦難を共に戦ってきた警備隊のモロボシ・ダンなのだ。


戦いは最終局面、
セブンはパンドンに向けて必殺技のアイスラッガーを放つ。
しかしパンドンは飛んできたアイスラッガーをなんとキャッチしてしまう

このシーンも衝撃だ。いくらセブンが弱っているからとは言え、
今まで数多くの敵を切り裂き撃破してきたあのアイスラッガー
キャッチされてしまって愕然とする。このシーンによって
パンドンアイスラッガーキャッチャーというイメージが定着した。

そしてパンドンアイスラッガーをセブンに向かって投げ返そうとする。
ヤバい。まさかセブンは自分の必殺技で逆に倒されてしまうのか。
しかしここでウルトラホークの攻撃でパンドンは手にダメージを負う。

いいぞウルトラ警備隊
この最終回はウルトラ警備隊とセブンがちゃんと共闘するのがまた良い。

それでもパンドンアイスラッガーをセブンに投げ返してきた!
だがここでセブンは最後の力を振りしぼったウルトラ念力で、
投げ返されたアイスラッガーの軌道を変えて
そのままパンドンに向かってもう一度アイスラッガーで攻撃!

ズバッ。

見事にパンドンの頭部を切断する事に成功する。
これが名シーンとして名高い「アイスラッガー返し」である。
(※「アイスラッガー返し返し」と言う人もいる。気持ちは分かる。)

セブンは最後の戦いを勝利で収め、そして星へ帰るために飛び立った…。

史上最大の侵略(後編)そして伝説へ…

夜が明け始めた空を見上げて立ち尽くすウルトラ警備隊の面々。

ダンは死んで帰っていくのだろうか…」
ダンが死んでたまるか!ダンは生きている!」
「そしてまた元気な姿で帰ってくる!」

アンヌは少し涙をこぼしながらも笑顔で頷いた。
空にもダンの笑顔が浮かんでいた。


以上がこの感動的な最終回のあらすじだ。

印象的なのはやはり一貫したセブンの人間らしさの描写だと思う。

セブンには「怪獣を倒す絶対的ヒーロー」という一面だけではなく、
我々と同じように人間味に溢れ、脆く弱い面もあるという事。
そして隊員が皆ダンの正体を知ってもダンと呼び続けた事。
人間と宇宙人との絆をもしっかり表現しきった不朽の名作である。

セブンの最終回で流れた名盤

いかがだっただろうか。
あの感動を噛みしめながらここまで書き綴ってきたが、
多分今までの記事の中で最長の記事なんじゃないかと思う。
一応ココ音楽の話題が中心のブログなんだけどな。方針変えようかな。

というわけで一応この最終回の音楽関連の話題にも触れておこう。

後年のエヴァンゲリオン等でも観られる
「劇中のクライマックスでクラシック音楽を流す」という手法は
このセブンの最終回が起点となっていると言われている。
それくらいにこの最終回の演出は後世に大きな影響を与えたのだ。

流れているのは「シューマンのピアノ協奏曲イ短調」である。
この曲と言えばセブンの最終回を思い浮かべる人も多いくらい、
「セブンの最終回=シューマン」のイメージが根付いている。
ちなみに俺もそうだ。のだめでモーツァルトを思い浮かべるのも俺だ。

さらにこの回で流れた演奏は指揮者がかの有名なカラヤンのものだ。
そしてピアノ演奏は白血病で倒れた名ピアニスト、リパッティであり、
衰弱しきったセブンの心境にこれ以上なくマッチした選曲だった。

この名演奏により単なる劇判以上の絶大な効果が生まれたわけだが、
実は選曲自体は制作者の一人の家にあったレコードの中から
適当に持ってきた一枚を使ったという話もあったりする。
でも、そうだとしたらチョイスが神過ぎるだろ。まさにゴッドハンドだ。

最後に

そんなわけで伝説として語り継がれるこのセブンの最終回、
「史上最大の侵略(後編)」は、NHK BSプレミアム
明日9月11日の夕方5時から放送だ。みんな観ようね!


ちなみにウチはBS加入していないので観れません。

 

 

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