脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Nirvana / Nevermind [1991]


25年前の大事件でゲソ!

Nevermind (Remastered) Nevermind (Remastered)
Nirvana

曲名リスト
1. Smells Like Teen Spirit
2. In Bloom
3. Come As You Are
4. Breed
5. Lithium
6. Polly
7. Territorial Pissings
8. Drain You
9. Lounge Act
10. Stay Away
11. On A Plain
12. Something In The Way

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ちょうど25年前の今日、1991年の9/26にこのアルバムは世に出た。
今日はもうコイツについて書くしかない。

別にネタが無いわけではないが、最近の記事が本当に最近の曲ばっかで、
たまには昔の曲やアルバムにも触れないとなーと思っていたところだ。
それだけ書くネタになる最近の音楽があるという事は有り難いのだが。


というわけでニルヴァーナの2ndアルバム『Nevermind』である。
誇張でもなんでもなく、音楽界を激震させた一大事件がこのアルバムだ。
ロック好きならコレを聴かねば始まらないとまで言われる勢いの、
90年代以降の音楽に絶大なインパクトを与えたメガヒットアルバムだ。

1977年にセックス・ピストルズが世界に衝撃を与えたアルバムは
『Never Mind the Bollocks』だったわけだが、
またもや『Nevermind』が衝撃を与える事になったわけだ。
つまりこのアルバムはセカンド・インパクと言える。ドヤァ。

約15年前くらいの俺が高校生の時に読んだ音楽雑誌では
「全世界で1500万枚売れたアルバム」みたいに紹介されていて、
「ほほー、かなり売れたのね。でもリンキンの方が売れてるね。」
などと思っていたのだが、今現在4000万枚を超えているらしい。
あれから15年の間にさらに売れたのか?恐るべしネヴァーマインド。


まずジャケットのインパクトからして凄い。
ドル札に釣られる赤ちゃんだ。そしてTinTinまで見えている。キャッ。
そのインパクトの大きさからパロディーのネタとしても良く使われる。
日本ではイカ娘のサントラがこのアルバムのパロディになってて吹いた。
IKAMUSUME ORIGINAL SOUNDTRACK2
IKAMUSUME ORIGINAL SOUNDTRACK2

こういうのって今の感覚だと児童ポルノに引っかかりそうに思うんだが、
当時はギリギリ大丈夫だったんかな。
あとこの赤ちゃんはノーギャラだったらしい。こんなに売れたのに。

ちなみにこのジャケットに映っていた青年はこのアルバムの20年後、
20歳になったときに再度プールの中でドル札を狙う写真を撮って、
20年越しのセルフパロディだと話題になっていた。
あと彼もなんとニルヴァーナファンになってたそうな。
良かった良かった。ノーギャラだったのにね。


さて、この作品はそんなジャケットで驚かされるだけではない。

俺はいくら世間的には名盤と言われていても
今聴くとそうでもない作品もあるという考えなのだが、
このアルバムは中身もピカイチである。文句なしでオススメだ。

一発目の『Smells Like Teen Spirit』からもうアドレナリンどばーっだ。
この曲は最早説明不要なくらいに音楽ファンの間では有名だ。
90年代の音楽シーンは本気でこの曲で定義付けられたと言って良い。

その後も『In Bloom』『Come As You Are』と人気曲が続く。
どれもこれもボーカルのカート・コバーンのカリスマ性が凄い。
彼が歌えばどんな曲も不思議な魅力を放ち、聴けば虜になっちまう。
これをカリスマ性と呼ばずになんと呼ぶ。カート=カリスマだ。
カートとカリスマは必要十分条件で結ばれているわけだ。


ニルヴァーナの音楽ジャンルは一般的には「グランジ」と呼ばれるが、
このグランジは今や殆ど聞かれないためやや分かりにくい言葉だと思う。

グランジをもの凄くかみ砕いて言うと”汚れたロック”だ。
そもそも汚れたイメージのロックが汚れているんだからもう大変だよ。
ハエがゴキブリに止まった状態を思えばその破壊力たるや絶望的だろう。
とりあえず暗い音楽をへヴィーな音に乗せて叫ぶように歌う感じだ。

ただこの『Nevermind』は、本来のニルヴァーナの音楽とは
実はやや外れていて、当時市場の中心だったハードロックっぽい面や、
少し前の時代に売れたパンク的な要素も含まれていて結構聴きやすい。

だから売れ線とも言える作品だが、それでもアルバムのバランスは良い。
聴いてて飽きないし、何より音楽的なパワーがある。ビッグ・バン的だ。
ハードロックともパンクとも違う何かが確かにここに感じられるのだ。


元々ニルヴァーナアンダーグラウンドな層からの支持があった。
だが若干市場を意識したこのアルバムで猛烈な旋風を巻き起こし、
それによりニルヴァーナは一気に時代の寵児となった。

だがカート・コバーンはこの事態をあまり心地良くは思っていなかった。
売れる事による新たな悩みは彼をアンダーグラウンドへと呼び戻し、
次のアルバム『In Utero』でより暗い深みに入っていく事となる。

まぁでもなんだかんだで『In Utero』も売れた。そりゃまあね…。
そしてカートは悩み苦しみ1994年に自殺をする事となる。
この『Nevermind』がメガヒットした事が遠因で自殺したとも言える。

そんなカートの自殺もあってニルヴァーナは伝説化したのだ。
このアルバムが未だに売れ続けるのはそんな伝説化も要因の一つだろう。
こう考えるとこの『Nevermind』の売上は悲しき記録かもしれない。

だが結果的にニルヴァーナの台頭によって、
それまでなかなか日の目を見なかったグランジ
さらにその周辺のオルタナティブ・ロックにもスポットが当たった。
それが今日まで続いていると考えるとやはり彼らの影響は凄いのだ。

そしてこのアルバムにより事実上ハードロックやメタルは駆逐された。
音楽業界は一変した。そんな問題作が生まれたのが25年前の今日なのだ。

音楽史に残る大事件の引き金となった名盤『Nevermind』、
まだ聴いてない人はこれを機に、聴いたことある人はもう一度聴くべし!


ちなみにハードロック好きの椿鬼奴が昨年結婚した相手は、
3人組お笑いトリオ「グランジ」の佐藤だった。
やはりハードロックはグランジに弱いのか。
当時そんな事を思った。

…結局くだらない話で終わってしまった。
すまないでゲソ!


追記:25年ジャケット企画もやったみたい!
⇒ニルヴァーナのデビューアルバムから25年、ジャケットの赤ちゃんは25歳になった(画像)
この記事にはデビューアルバムと書いてあるけど2ndじゃねーかな。
あとちゃんとギャラ貰ってたらしいね。200ドルだけどw

【採点】
・歴史的な事件の発端    30点
・ジャケットもインパクト大 30点
・カートのカリスマ性爆発  30点
・「コバーンじゃなくてコヴァーンな」とかいう奴めんどい
              -1点
89点