脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】小沢健二 / 流動体について [2017]


俺が知ってるオザケン


最近忙しかったせいもあって、
色々と世間の話題から遠ざかっていた。
話題のニュースや音楽関連の情報にも疎くなっていた。

仏教的な価値観では世俗から離れる事は良しとされる事も多いけど、
やっぱ俺はどっぷり世俗に浸かっていたいの。ミーハーでいたいの。
出家とかもうマヂ無理。それくらいなら月給5万円を選ぶ。


しかし気付けば世間は様々なニュースで溢れていた。
チャックベリー亡くなってるしNHKケータイ大喜利は終わるらしいし
岡崎京子のリバーズエッジが実写映画化するらしいし。
実写化…。じっしゃか…。…いや、なんでもない。実写化頑張れ。

そんな岡崎京子の支持層にはもう一つ驚きだったであろう話題がこちら。

オザケンが復活したらしいやん!Mステにも出たらしいやん!
フジロックにも出るらしいやん!オリーブ女子共が狂喜乱舞やん!
でもフジロックにオリーブスタイルで行くなよ。フェス舐めたらアカンよ。


そーいやコーネリアス小山田も新作とかいう話を聞いたけど、
ここに来て90年代サブカルが何故こうもリバイバルしてるのか。
もうこの勢いでフリッパーズ・ギター再結成とかいいんじゃね?
そしたらきっといい歳したおばさんお姉さん方に活力が生まれるよ。


とか言ったけど正直俺はオザケンの事を良くは知らない。
パーフリオザケンコーネリアス世代って今アラフォーのハズだ。
俺はどちらかというと午前二時フミキリに望遠鏡を担いでった世代だ。

でもそれでも俺らの頃も音楽雑誌とかでは小沢健二の名前は良く見たし、
なんだかんだで彼の残した影響は大きいのだろうというのは分かる。
あと先述のリバーズ・エッジしかり、
90年代を描いた漫画でもちょくちょく彼の名前を見た事がある。

だがぶっちゃけ俺そこまでオザケン好きなのかと言われると実は微妙で。
どちらかというとコーネリアス派だ。コーネリアスはCD持ってるし。
あとフリッパーズ・ギターも結構好き。この辺の話題は相手によっては
軽くバトルに発展するので、慈しみ深き俺としては避けたいところだが。

名盤と言われるオザケンの『LIFE』も聴いたけど、
後の世代の俺にとってはなんかそこまでいいかぁ?って感じだったんよね。
まぁ『今夜はブギー・バック』が当時の音楽シーンで
どれだけ新鮮だったのかはなんとなく想像できなくもないけど。


しかし今の星野源の人気とか考えると、
当時はオザケンもそんなポジションだったんだろうなって思ってる。
色んな音楽が群雄割拠していた90年代において、
独自のサブカル路線を貫いていた一派って印象だ。

そうか!オザケンは最近調子乗ってる星野源をしばきに来たのか!
いいねぇ。二人が互いのCDで体を切り裂き合う姿とか観てみたいよ。
それで最後に男の友情とか生まれてコラボ曲でもやっちまいなよ。


そんなわけでシーンに舞い戻ってきたオザケンの新曲である。
CDを借りたわけでもなくYoutubeの動画のみでの視聴だが…
うん、俺の知ってる小沢健二だ。老けてるけど小沢健二だ。
王子様じゃなくてオジサマになってるけど小沢健二だ。

タイトルは『流動体について』。
このセンスからしてもうオザケンっぽいと思った。
彼のアルバムに『球体の奏でる音楽』という作品があるが、
なんかそういう理数系的ワードが好きなのかな。

つーか今回の新曲のジャケット、『球体の奏でる音楽』と似てる。
やはり意識しているんだろうか。
球体の奏でる音楽
球体の奏でる音楽
流動体について
流動体について

そして曲は耳障りが良すぎるくらいの上質なポップソングである。
教育テレビとかで流れてても全然問題ない流麗な曲。
うん、俺の知ってる小沢健二だ。老けてるけど小沢健二だ。
王子様じゃなくてオジサマになってるけど小沢健二だ。

シンプルにいい曲だなーって感想ではある。
休日の午前中とかに聴くとすっげーいい気分になれそうだ。
でもそこまで持ち上げられる程の衝撃でも無いなーって感じでもある。
この辺りの感覚は俺の持っていたオザケンのイメージと特に変わらない。

でもやっぱりオザケン世代にとっては彼の復活だけで
それはもうとんでもないニュースなんだよな。
タイムカプセルを開けたような感覚。だからここまで騒がれるわけで。
その時代を肌で感じていた人にはきっと並々ならぬ感動があるに違いない。


でも繰り返し聴いてみたい曲だとは思ったよ。
だからYoutubeではない正式な音源が欲しい。ちゃんとフルで欲しい。
そう、俺らYoutube世代はすぐコレだ。Youtubeにフルが無いと悲しむ。
すみません、でも俺は文句は言いません。本来それは有り難い事だから。

ただ残念ながら俺の周りにはオザケンのCDを所持してる知り合いがいない。

まぁそもそもオザケンのCDを買う世代でも無いんだけどね。
でも昔から俺の周りには話題のCD持ってる誰かが大体いてくれて、
それを互いに貸し借り合いできるという頼もしい環境にあったんだが、
皆それぞれ結婚とかして倹約とかして最近はそうでもない。CD高いしね。


でもじゃあオザケン世代はこの復活をどう捉えているのか。
気になったという事もあり、先日知り合いのオザケン世代であろう女性に
小沢健二って復活したらしいっすねー。」みたいな話をしてみた。

「そうらしいですねー。でも彼って今また出てきていい人なのかなぁ。」
という彼女の答えに対し「え?どういう事ですか?」と訊く。

「だって当時はみんな王子様王子様って言ってて
 その時の爽やかな姿のままみんなの頭の中に残ってるのに、
 今出てこられたらそのイメージが壊れちゃうんじゃないかなぁ。」

うーむ、なるほど。確かに喜ぶばかりの人でもない気がする。
俺は「あー俺の知ってるオザケンだ」と素直に思えるんだけど、
なかなかに複雑な気持ちなのがオザケン世代の本音なのかもね。


とりあえず俺の周りにオザケンのCDを買った人はいなさそうだ。
俺はシングルは買わない&借りない派なんだが、
オザケンの様子だと新作アルバム待ってたところで出るか分からんし、
大人しくレンタルしに行こうかな。


【採点】
・王子様復活!    30点
・90年代リバイバル  30点
・複雑なオザケン世代 20点
ケータイ大喜利終わるのか…
           -10点
70点

流動体について 流動体について
小沢健二

曲名リスト
1. 流動体について
2. 神秘的
3. 流動体について (instrumental)
4. 神秘的 (instrumental)

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