脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】SHINE!! キラキラ☆プリキュアアラモード / キラキラ☆プリキュアアラモード [2017]


このプリキュアはヤバイ。


プリキュアって奴はとにかくエグい。

この資本主義社会においてあそこまでのブランド力を武器に
ファミリーの財布の紐を狙ってくるコンテンツも無いだろう。
恐るべき魔法少女たち。金と欲望をレッツ・ラ・まぜまぜ!

そしてさらに恐ろしいのは放送が一年クールである事。
プリキュアが始まると関連商品も買い替えのシーズンだ。
エグい。エグいぜぇプリキュア。可愛い顔してやる事が死神。

そして新しいシーズンが始まると前シーズンの玩具は叩き売り。
放送中は一万円近くで売られていた物が千円以下に暴落。
ああ、人気商売って悲しい。資本主義に翻弄される魔法少女達…。


そんなわけでプリキュアももう早いモノで14作目だ。
もうすっかり少女(あと大きいお友達)の
お馴染みのコンテンツとして認知されているだろう。

俺も日曜日の朝に時間があるときは娘と一緒に
スーパーヒーロータイムプリキュアの流れを堪能しているのだが、
飽きやすい娘の方が大体は先に別の事を始め
結局俺一人でプリキュアを観てる事が多い。

ん?俺が観たいだけだろって?だから何?だとしたら何か問題でも?


しかし今回のプリキュアキラキラ☆プリキュアアラモード
これはなかなかに凄いプリキュアだ。

タイトルからも分かるように題材はお菓子である。
キュアホイップ、キュアカスタード、キュアジェラート
キュアマカロン、キュアショコラ。
コラボしたお菓子が発売されるところまですぐに想像できる。

しかも彼女達は皆自分自身が冠しているスイーツを武器に戦うのだ。
キュアホイップは大量のホイップクリームを敵にぶっかけて撃退する。
なんて平和的なんだ。やられた方も心のどこかでは幸せを感じてそう。

なんてたって変身の締めのセリフが「キュア○○、できあがり!」だ。
「できあがり」とはいいフレーズである。変身したって感じがする。
「召し上がれ」だとちょっと色々アレだし、この言い回しはうまい。


そしてお菓子だけでは終わらない。
なんとそれぞれのキャラが動物もモチーフになっているのだ。

キュアホイップ⇒ウサギ
キュアカスタード⇒リス
キュアジェラート⇒ライオン
キュアマカロン⇒猫
キュアショコラ⇒犬

そう、お菓子+動物という夢のような組み合わせを実現した
コンセプトとしても非常に強力なプリキュアなのだ。
キャラのデザインも皆ちゃんと動物になっててキュートである。


ちなみに今回のマスコットキャラは「ペコリン」。
「お腹ペコペコ」から名付けられたキャラなんだろうけど、
阿笠博士に似てるなーと思った瞬間からもうそれにしか見えなくなった。



そして特筆すべきはなんと言ってもキュアジェラートである。

ロックファンお待ちかね、ロックバンドで活動している女の子なのだ!
変身シーンのギターを高々と鳴らす仕草がカッコいいぞ!

攻撃方法も肉弾戦メインのワイルドなプリキュアだ。
ちなみに一人称が「あたし」な辺りから、
音楽的には椎名林檎に影響を受けていると勝手に想像している。


さて、そんな新鮮な要素を感じさせる今回のプリキュアの主題歌、
SHINE!!キラキラ☆プリキュアアラモード』である。

曲としてはプリキュアの王道っぽい感じだが、
前のプリキュアの曲が少しおどけた印象だったのに対して、
今回は可愛さ&ポップ感が重視されてそうだ。

だが転調が結構あるので子供が歌うにはやや戸惑うのではないかと思われる。
でもサビでしっかり盛り上がるので聴いててワクワクするぞ。

そして個人的に重要だと思ったのは

カラフルにみんな違うけれど、おそろい
”大好き”がいちばんのマストアイテム

のサビ入り前の部分。

今回のプリキュア、中学2年生の3人と高校2年生の2人が混在している。
高校生が初期から2名もいるのは確かプリキュア史上初である。
そして5人それぞれで価値観や性格・趣味趣向がバラバラであるという事。

今までのプリキュアでも多少そういったテーマはあったし、
前作も「個性の違い」を意識させていた作品ではあったわけだけど、
今回は明らかに5人のスタンスの違いが際立っているように感じる。

彼女達は「スイーツが好き」というその一点で繋がっている。
メンバー皆スイーツ以外にもそれぞれの特徴・得意分野があるんだけど、
その互いの違う部分を認め合いながら年齢や性格の壁を超えて集まる。
だから統一感というよりは共闘って感じ。俺にはここが印象的だった。


この感覚、最近観たなぁと思ったらあれだ。アニメ「けものフレンズ」。
みんな違うけど共存している、けものはいてものけものはいない世界。
動物が題材って部分も今回のプリキュアそっくりである。

今になって敢えて「皆それぞれに持ち味がある」という
明確なテーマの作品が生まれている背景には、
それが現代に命題として横たわっているからに他ならないのだろう。

当たり前のような題材かもしれないが、リアルでは難しい考え方でもあり、
実生活では皆が同じような枠組みにいる事の方が良しとされる事が多い。

しかし動物に例えてまでこのメッセージが発信されているのは
やはりこの「それぞれの違いを認めて進む」が大事なテーマであり、
改めて意識させる必要性を世の中が感じているからではないだろうか。


そういった目で今回のプリキュアを観ていると、
子供の情操教育という観点からもこれが素晴らしい作品であると分かる。
凄いじゃないかプリキュアアラモード
娘、ちゃんと観とけ。飽きずにちゃんと観ておくんだ。

しかし娘がプリキュアに本気でハマったら、グッズの出費が大変そう…。
だからある程度の距離感をもってプリキュアに接して欲しいと思っている。
観せなければいいのかもしれんが、結局俺も観たいんだよなぁ…。

もう録画して深夜に一人でプリキュア観賞しようかな。
酒とスイーツを片手に夜な夜なプリキュア観賞。いいねぇ。

ああなんだろう、決してそんな事はないはずなんだけど、
俺って終わってる気がしてきた。


【採点】
・恐るべしプリキュア戦略  30点
・時代が求めているテーマ性 30点
・セシボンって言葉を覚えた  5点
・キラキラルがキルラキルに見える
              -1点
64点

キラキラ☆プリキュアアラモード主題歌シングル「タイトル未定」 キラキラ☆プリキュアアラモード主題歌シングル「タイトル未定」
アニメソング

曲名リスト
1. SHINE!! キラキラ☆プリキュアアラモード
2. レッツ・ラ・クッキン☆ショータイム
3. SHINE!! キラキラ☆プリキュアアラモード (オリジナル・カラオケ)
4. レッツ・ラ・クッキン☆ショータイム (オリジナル・カラオケ)

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