脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】DANCE! おジャ魔女 / MAHO堂 [2002]


ピリカピリララの魔法は解けない。


先日プリキュアアラモードがすげぇって話したんだけど、
でもなぜ俺はそこまで肩入れしているのだろうかと考えた。


そもそもプリキュアアラモードがどういう作品なのかは
俺自身が視聴回数を重ねる毎に徐々に浮かび上がってきたわけで、
まず初見で「よし次も観たい」と興味を抱かなければ視聴回数も増えず、
結果的には頭の整理も出来ていなかったはずなのだ。

つまり第1話が放送されたあの日、
俺がそこに何かを感じ取ったからこそ今なお俺は日曜の朝に
テレビに合わせて「レッツラまぜまぜ!」などと叫んでいるのだ。

きっとそれは言語化するには難しいほどに
複雑な要素が絡んでいるのだろうと思うのだが、
少なくともその要素の一つとして俺が感じていた事がある。

今回のプリキュアプリキュアアラモード
あの俺がかつて好きだったアニメ「おジャ魔女」っぽいという事である。
ネットを観たら他にも「おジャ魔女っぽい」と呟いている人も多く、
ああ、やっぱり皆同じ感想を抱いていたんだなと思った。



おジャ魔女シリーズは1999年~2003年までの4年間、
4期に渡って放送された魔法少女アニメだ。
プリキュアと同じテレ朝の日曜朝の放送枠だったので、
2005年開始のプリキュアシリーズの先輩的ポジションに当たる。
(ちなみに2004年の同枠は明日のナーシャ)

俺が中学~高校の頃に放送されており、
平日は学業に忙しかった俺にとって日曜朝は心のオアシスでもあった。
俺もすっかりピリカピリララの魔法にかけられ、
おジャ魔女の放送時間には体が自然とテレビの前に座るようになっていた。

ここで「おジャ魔女が許されるのは小学生までだよねー
とか思った奴はマジでカエルにしてやりたい。お前に中二病の何が分かる。
あの時期中二だった奴は皆もれなく
おジャ魔女CCさくらの2大魔法少女で育ってるんだぞ。


そんなおジャ魔女どれみだが、この作品は凄い攻めた作品だったと思う。
まず4年間の放送だったわけだがこの間登場人物は皆、年をとっている。
最初のシリーズで小学3年生だった主人公達は最終シリーズでは卒業した。
話もタイムリーな話題が多くとてもリアルタイム性を感じる作品だった。

作品のタッチはギャグタッチが豊富で明るく楽しく観やすいのだが、
とっても人間臭いアニメでも思った。あんまり「魔法」臭がしない。
主人公グループも魔法少女というより一人の人間としての描写が強く、
作品全体が魔法的な非日常感よりも、身近な日常感で覆われている。
この辺りは他の魔法少女とはかなり違う部分なんじゃないかと推察する。


そんな攻めてる魔法少女モノ、
おジャ魔女どれみシリーズは主題歌も実に攻めている曲が多く、
女児向けアニメのOPとしては斬新な曲ばかりだった。

ちなみに1期OPの「おジャ魔女カーニバル!!」については
あの星野源もラジオで紹介したらしいぞ。
そうかそうか、星野源もピリカピリララの魔法にかけられた同志だったか。

で、今回の曲は第4期・最終シリーズのOP『DANCE! おジャ魔女』。
出だしからとってもノリの良いポップチューンである。


だがこの曲、分かる人が聴けば一発で分かるだろう。
そう、サビがピンク・レディーの『モンスター』そのものである。



俺はピンクレディーの方を後から知ったので
『モンスター』の方を「おジャ魔女のパクリやん!」と認識するという
子供に良くある素敵な勘違いを起こしていたのだが、
まぁ冷静に考えれば明らかにおジャ魔女がモンスターを意識している。

だがここで「パクリだ!パクリは許さん!くたばれ!」などと
己の小さな正義感に息巻くネット民のような反応をしてはいけない。
おジャ魔女はこういう事をやってもおかしくないノリの作品なんだ。

暫く前に同じくピンクレディーをネタにした
妖怪ウォッチ』の回が騒がれた事があったけど、
あれも許してやってくれよ。おジャ魔女だってやってたんだし。

てか深夜アニメを掘り下げればヤバイ作品なんざうじゃうじゃ出てくる。
それに日曜朝のアニメでもパロディーが酷すぎてピー音入りまくり
『ハヤテのご○く!』とかいう暴挙もあった。この辺にはどうか寛容に。


でもこれは戦略的には非常に面白いと思う。
ピンクレディー全盛の1980年前後に青春を過ごした世代が親になる頃、
子供向けのテレビ番組でピンクレディーのオマージュが見れる。
それによって親子で会話が出来るというわけだ。
おジャ魔女はそんなアシストまでしてくれたのだよ。

それに実際に聴けば思うほどパクリって印象は無い。
おジャ魔女カラーが全面に出ているので『モンスター』感はあまりなく、
しっかりとおジャ魔女アイデンティティーが貫かれている。

これは見事だよ。
あのサビのメロディがすっかりおジャ魔女テイストに変身している。
鮮やかなる完全犯罪。いやいや、攻めの勝利。
おジャ魔女という作品ならではの所業だ。

そんな攻めてるおジャ魔女シリーズの主題歌。
この曲に興味を持たれたのであれば是非別の曲も聴いて欲しい。
そして一緒にカラオケで歌おう。ピリカピリララで大合唱しよう。
俺らの世代は大体みんなおジャ魔女の曲歌えるから(俺の周り統計)。


しかしピンクレディー世代の子供、
おジャ魔女世代も人の親になったんだなぁと感じるわけよ。
そしてそんな親世代が今度はプリキュアを観て
そこにおジャ魔女を感じて子供と一緒に楽しむ。

良き時代の連鎖では無いか。
そう考えるとおジャ魔女が残した功績も偉大だったと思える。
なんならプリキュアでまた『モンスター』のオマージュしてくれないか。


だが今考えるとおジャ魔女の主人公の
春風どれみ」ってなかなかにキラキラネームだよな。
妹の「春風ぽっぷ」もだし「瀬川おんぷ」もかなりキラってる。

もしかしてキラキラネームを付ける親にはおジャ魔女の影響が…?

いやでも俺はそこまでキラキラネーム自体は否定しないけどね。うん。
まぁ今の親世代が昔かかったピリカピラララの魔法は
現代になってもなかなか解けていないのかもしれませんね。(雑な締め)


【採点】
・攻めの魔法少女  30点
・見事なオマージュ 30点
・カラオケで歌おう  5点
・未だに日曜朝はテレビに向かう
          -3点
62点

DANCE!おジャ魔女 DANCE!おジャ魔女
MAHO堂 中司雅美 MAHO堂 中司雅美

曲名リスト
1. Dance!おジャ魔女(MAHO堂)
2. わたしのつばさ(中司雅美)
3. Dance!おジャ魔女(オリジナル・カラオケ)
4. わたしのつばさ(オリジナル・カラオケ)

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