脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

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【Song】椎名林檎 & トータス松本 / 目抜き通り [2017]


銀座系自作自演屋。


俺のこのブログを常日頃から観察している物好きな方々なら、
多分お気づきの事だとは思いますが。

諸君 私は椎名林檎が好きだ。
諸君 椎名林檎が大好きだ。

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ヘルシングの少佐も好きだ。

こんな俺だから椎名林檎をやや贔屓してしまうので
彼女に関する記事はおそらく多めなんじゃないかと思う。

最近こそプロデュース面での活躍も目立ってきた彼女だが、
やっぱり「椎名林檎が好き」と人に言うと
ちょっと奇異な目で見られる事もありまして。
だって興味が無い人からしたら椎名林檎のイメージって
マジで『本能』あたりで止まっている人もいると思うの。

実際に俺の嫁椎名林檎については
「よく分からん人」という認識だったのだが、
俺が散々椎名林檎の良さを熱弁して色々聴かせていたら
大分興味を持ち始めて今ではむしろ結構好きな部類に入っているみたいだ。

みなさん、継続は力なりですよ。諦めずに訴え続ける事が大事です。
俺の熱意によって、嫁も今ではもう様々なアーティストを聴いております。
次はラブライブの魅力の説得にかかろうかな。これは難航しそうだ。


さて、そんな林檎好きな俺なわけなんだが、
でも別にんだがそんな狂おしい程好きなわけでもない。
ファンクラブとかも入ってないし、
アルバムは買うけどシングルは買った事がない。

だから実は新曲とかもそこまでチェックしていなかったりする。

今回の曲もそうだった。
トータス松本とのデュエット曲『目抜き通り』。
銀座に新しくオープンした商業施設、
GINZA SIXとやらのテーマソングらしい。

田舎者の俺にとってはザギンがどーのこーのとかどーでもいーとゆーか、
むしろそんなオシャレスポットなんか「ケッ」と嫌悪感すら抱くし
シン・ゴジラが現れたのなら真先に向かって行って欲しいと思ってる。

そんなわけで「アンチ都会&シャレオツ」を是としている俺にとって
今回の新曲はそのコンセプトの時点でかなり興を削がれており、
いくら敬愛する林檎嬢の曲だとしても能動的に聴こうとは思わなかった。


だが先々週の金曜日の事だ。俺は娘との食事中にMステを鑑賞していた。
あの時のMステの出演者はかなり豪華だったのだが、
その中に椎名林檎トータス松本がラインナップされていたので
まぁ折角なので新曲を聴いてあげようなどと謎の上から目線で観ていた。

あ、これええですわ。

娘の口へと運ぶための大学芋を小さく刻む作業も中断して
すっかりテレビに見入ってしまっていた。
くそぅ、いいじゃないか。椎名林檎トータス松本もいい仕事してやがる。
あと俺が知らない間に娘は大きめの大学芋も勝手にひょいパクしていた。
なんだ、いけるじゃないか娘よ。もう刻まなくても大丈夫そうだな。


Mステのステージでは冒頭からあの有名なゴーギャンの絵画、
『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』
をバックに、ゴーギャンの言葉からやや暗めにスタートした。


「我々はどこから来たのか」…
かの絵の主題と同様に重苦しい空気で立ち上がったかと思えば…

いきなりゴージャスで華やかな音楽が鳴り響き、
一転して突然ミュージカルのような雰囲気に包まれる。
楽しそうに歌う椎名林檎トータス松本の表情は実に晴れ晴れとしていた。

誰も知らない わたしが何なのか
当てにならない肩書や名字も

 

あのゴーギャンが苦悩した悩みをも「そんなの関係ねぇ」とばかりに
あっさり吹き飛ばしてしまうという恐れ多き所業。
林檎嬢、さすがである。ゴーギャンもきっとあの世で笑ってるぜ。

この『目抜き通り』GINZA SIXのテーマソングといいつつも、
しっかりとした椎名林檎らしさが出ている素晴らしい曲である。

今日までどこをどう歩いて来たか
わかっちゃあいない 誰でもない


一旦銀座の街に出てしまえば、周りの人がどういう人物なのかは関係ない。
学生もニートもバイトも社長も子供や高齢者、外国人だって
みな同じようにGINZA SIXを楽しみたいと思っている人間という事だけ。

そんなシンプルで単純なテーマなんだけど、
これは単純にGINZA SIXだけで終わるスケールの曲ではないのが良い。
その人の過去や肩書なんて関係ない、通用しない世界がある。
そしてそんな世界に飛び出して行こうとというエールでもあるのだ。

それなら上等 出るとこへ出るわ
当てにされたい 閃きもとんちも

 
商業施設向けの曲とは言え、これまでも散々「今を生きる」という
ブレる事のない軸を歌い続けてきた椎名林檎らしい曲と言えるだろう。
世界へのネットの普及・グローバル化の加速によって確実に到来する、
経歴も肩書も関係ない、純粋な人間の魅力のみが溢れる「晴れの舞台」。

そんな舞台へと躍り出る事の「自由」と「楽しさ」を歌っている曲だ。
うーん、素敵。

GINZA SIXに行こう!外の世界は素敵!過去は忘れて楽しもう!
とい歌に乗せて「もっと人生を謳歌しろ!」という
椎名林檎らしいメッセージも見て取れる。
商業施設のテーマソングとこの切り口のリンクはなかなかの妙技だ。


またYoutubeにもプロモーションを兼ねた動画が上がっているが、
これもまた良く出来てる。何度も観てしまう。そして銀座に行きたくなる。
細かい描写までショートフィルムを観ているような作り込みだ。
ちくしょう、アンチ都会アンチおしゃれなのに…
悔しい…でも素敵な動画だ…こればっかりは正直東京が羨ましい。

トータス松本の起用は椎名林檎が呼びかけたからだそうだが、
意外なチョイスに見えて実は結構ハマっているってパターンじゃないかな。
トータス主演の『ギンザの恋』という爆死したドラマがあったが、
トータス松本の表情・声・仕草が銀座の華やかさの演出に貢献しているぞ。

ただ林檎色がちょっと強すぎて、トータス分が少なく感じるところもある。
トータス松本ファンからするとこの部分は不服かもしれないな…。

しかし東京・銀座という街のテーマを歌う二人が
九州、関西出身というところがまた面白い。
それこそ、どこから来たのかも分らない、関係ない、
色んな人が集まる場所を歌うという点でナイスな配役だ。


思えば椎名林檎はデビュー当初から新宿だの歌舞伎町だの丸の内だの
東京の街を歌い続けてきたし、「新宿系」と名乗っていた時期もあった。
すると今の彼女のポジションはきっと「銀座系」なのだろうか。

色々と変化を繰り返しながら決して表現を止める事のない椎名林檎
お次はどこの街を歌うのだろうか。
ここは東京を飛び出して一気に田舎町とかに来ないかな。

もしくは海外行っちゃう?
いや、もう地球を飛び出して「銀河系」とか?

それなんてマク○ス?


【採点】
・GINZA SIXのテーマ   6点
ゴーギャンをも超越  50点
・過去なんて関係ない  30点
・ギンザの恋も関係ない -3点
83点