脱R論

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【Album】ゲスの極み乙女。 / 達磨林檎 [2017]


ゲスを極めたその先に。

達磨林檎 達磨林檎
ゲスの極み乙女。

曲名リスト
1. シアワセ林檎
2. 影ソング
3. DARUMASAN
4. 某東京
5. id2
6. 心地艶やかに
7. 午後のハイファイ
8. いけないダンスダンスダンス
9. 勝手な青春劇
10. 小説家みたいなあなたになりたい
11. id3
12. Dancer in the Dancer
13. ゲストーリー

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ゲスの極み乙女。の活動再開&アルバム発売のニュースは
列島を駆け巡ったもののなんかそこまで話題にはならなかった感がある。

昨年あれだけ色々と騒動をおこしたゲス乙女というか川谷えのぴょん。
すっかりゲスな日本国民のおもちゃにされたけど、ここまで時間が経つと
当時はあれだけゲスな正義感を振りかざしていた皆さんも
さすがにオモチャ遊びに飽きたのだろう。

何故か上から目線で「まぁそろそろ活動再開してもよくってよ」と
許しを戴ける頃合いになったんじゃないでしょうかね。
その間にもう大分熟しちゃいましたよ『達磨林檎』。


実際このアルバムは半年くらい前に発売予定だったわけだが、
ゲスな皆さんの飽くなき遊び心もあって発売延期となった1枚だ。
ゲスじゃない清らかな心を持った僕はずっと待っていました。

昨年の一連の騒動でゲス乙女を知らなかった層までその存在を知られ、
かつバンド名のインパクトも強かった事もあって
むしろゲス乙女は良くも悪くも存在感を増したように思えた。
その直後に発売されたアルバム『両成敗』はチャート1位を記録した。

今や音楽の話題なんて、
積極的に音楽番組を観る人間以外には馴染みが無い時代。
あのスキャンダルによってゲス乙女の魅力を知って聴き始めた人も
かなりの数がいたに違いないと思う。


そんなみんなの話題をかっさらったゲスの復活最新作なわけだから、
正直俺はこのアルバムにはババーンと売れてほしかった。
そして完全復活してその存在感を示して欲しかった。

でもそこまで売れなかったんだよなぁ…
オリコンは3位。売上も伸びず前前作の『魅力がいっぱい』より低い。
実際俺の周りの人間も「え?ゲスって復活してたの?
てかガリガリ君のレアチーズ味ってうまくね?」くらいの認知度だった。

みんなスキャンダルには群がるのにそんなゲスの新作には興味はないのね。
オモチャにしてポイするなんて、結局みんな同じゲスなのね…。
日本三大清流に勝るとも劣らない心の僕にとっては悲しい話だよ。


でもまぁそこまで売れなかった理由もなんとなく分かる。

今までのゲスのアルバムに比べて内容がなんか鬱っぽいなのである。
そしておとなしい。跳ねるような楽器隊の活躍がやや薄い。
ゲスのダイナミックさが好きだった人には物足りない作品だと言える。

やはりスキャンダラスな事をしでかした人間は
反省してまるくなるもんなのかねぇ。頭まるめるアイドルもいるしねぇ。
結婚宣言したアイドルは何をしてくれるのかねぇ(ゲス顔)。


だが転んでも只では起きないのがロックバンドだ!
なんのかんの言ってもやっぱりゲスだなぁと思える内容で安心感もある。
ゲスじゃないえのぴょんなんてパウダーが無いハッピーターンと同じだ。

まず一発目から軽快な『シアワセ林檎』。
あんな事しでかしておいて幸せそうな曲から始めるという神経。
さすがえのぴょん、そこにシビれる!あこがれるゥ!

あとシアワセといいつつも少しダークさが見える歌詞もまたいい。

どうでもいいことが幸せに感じる

とかえのぴょんが言うと反省しているのか達観しているのか
良く分からないけど、ロード第何章かの歌詞みたいで切ないよね。

そして2曲目の『影ソング』。これはもう、えのぴょんですよ。

本当に品がないな君たちは

お前が言うなとは思うけど、耳障りな世間の声を皮肉るような歌詞。
昔からこの手の歌詞には定評があるえのぴょんだが、
昨年のあの一連の騒動を経て、よりダークサイドが増しているぞ。

そういった意味では『某東京』なんてかなりいい感じ。
ゲスらしいまくしたてるラップ調が活きている曲だが、
えのぴょんの「某、東京ー!」という絶叫が聴けるのが個人的にツボ。

あとおっさんとかをディスりながらも結局はそのおっさん共と
同じような価値基準に組み込まれていく事の儚さがなんとも味がある。
いいぞいいぞ川谷。もっとダークサイドに落ちろ。


と、割と前半部分はね、俺も結構好きだったんだよ。
だけど後半部分が結構退屈。前作の『id1』と繋がるであろう
『id2』『id3』とか8分を超える長尺の『いけないダンスダンス』とか
実験的なところもあるんだけど冗長的だなぁと思ってしまう。
特に急転直下型のゲス乙女の音楽が好きな人は特にそう感じると思う。

ただ3曲目の『DARUMASAN』、これが特に良かった。
出だしから僅か30秒を待たずにサビに突入という、
忙しい現代人向けのスピ-ド感。全体でも1分40秒という驚きの短さ。
メリハリの効いた展開と飽きさせない構成でアルバムの核となる曲だ。

とまぁ、おとなしめながらもゲスらしさを失わずに
むしろダークさも感じられるなかなかに面白い作品になっている。
ちなみにシングル曲は一切なしのアルバム一発勝負だ。
日本のメジャーシーンではなかなか見られないこの試みもナイスだぜ。


けどそこまで売れなかったなぁ…。
俺はね、アーティストのああいう大騒動があった後の次の作品とかって
結構興味があるのよ。どんな事歌ってるんだろうって。
反省してるのか逆ギレしてんのか悟ってんのかって。
ああ、やっぱ俺もゲスだなぁ。


タイミングも遅かったのかもしれない。
スキャンダルの熱が冷めない中で平然とこのダークな一枚を出してたら、
もっと話題になってただろうし注目も浴びたんだろうな。

世間ってのは思った以上に熱しやすく冷めやすい。
やはりここはえのぴょんには今後ももっと尖った表現を期待したい。
あの淡々とした声で刺々しい歌を届ける。それでこそゲスの極みだから。


【採点】
・ゲスなバンド  20点
・ゲスな活動再開 20点
・ゲスな国民   20点
・ゲスな俺    10点
70点

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