脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

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【Song】secret base ~君がくれたもの~ [2001]


キッズの夏、日本の夏。


俺はね、ホントは名盤とか名曲って軽々しく口にしたくないの。
過去の記事振り替えると多分結構な頻度で言ってると思うけど、
でも自分でもホントは言いたくないんだよ?

ほら、何事も供給過多だと価値が薄れちゃうじゃないですか。
最近はみんなあっさり「神」とかも使っちゃってるでしょ。
マジで神認定ハードル低すぎ。AKBだけでも神が8枠いるし。

だからもう日本中どこも神だらけなわけよ。
いくら日本が八百万まで神様を許容しているとは言え、
さすがにもうそろそろ増設しないと容量ヤバイんじゃないかな。

つまり今後も名盤・名曲の価値を保全していくためには、
上記の言葉はそう容易く使用しちゃいけないと思うんですよね。
世界遺産とかと一緒。増えすぎると有難みが無くなってくる。

それに名盤・名曲が多すぎると後の世代の人とか大変じゃん?
今でさえ追いつけないくらい多くて俺も苦労しっぱなしだってのに。
下手な名盤・名曲の乱発はモンドセレクションを推進してしまうぞ。


ハイ、というわけで今日はこの曲
ZONEの『secret base ~君がくれたもの~』です。


もうコレは完全に名曲ですよね。
ガチで名曲。もう神がかってる神曲激ヤバパネェ


夏休みも終わりに近づく時期になるとこの曲が猛威を振い出す。
台風とか目じゃない。精神的破壊力が桁違い。それがこの曲なの。


名曲って一口に言っても、
マクロなものからミクロなものまで分類されるわけだ。

各個人の人生の様々な一場面に紐づいているパーソナルな名曲、
同じ世代を過ごした人達なら共有できるコンテンポラリーな名曲、
そして世代を超えて親しまれる射程が広いオールラウンドな名曲まで。

そしてこの『secret base』はまさにオールラウンドな名曲の典型だ。
さらに俺にとっては高校時代にリリースされヒットした曲であり、
リアルタイムでその曲の良さを体験した曲でもある。

先日、夕暮れ時に娘を抱っこして近所を散歩していたんだけど、
辺りの夏の景色を見ているとふとこの曲が浮かんできて自然と歌ってた。
すると自分で歌っている癖にすっげー涙が込み上げてきたの。
つーか泣いた。娘抱っこして半泣きになりながらこの曲を歌ってた。
ちょっと離れて見たら変態だったと思う。


そんな驚異的なメンタルクラッシャーであるこの曲、
ヒットしたのはもう15年以上も前なわけなんですけど、
カバーされたりアニメに起用されたり最近もCMで使われたりで
今ではもうJ-POPのスタンダートソングとして広く定着している。

夏の匂い、青春、切なさ、ノスタルジー…
あらゆる要素をギュッと濃縮還元してパッケージしたこの曲は、
夏休みというある意味で人類共通の普遍的なテーマを
見事なまでの完成度で表現し切った素晴らしい一曲なのだ。


「子どもの頃の夏の思い出」というのは、
やはり何かしら特別な意味を持っているんだと思う。
故に創作物の題材としても昔から多く取り上げられてきた。

映画だと『スタンド・バイ・ミー』や『千と千尋の神隠し』とか。
短い夏なんだけどそこに貴重な経験と成長があったという話。
大人には見えにくい、子ども達の視点で展開されるストーリーだ。

ジャンルとしては「ビルディング・ロマンス」って奴の一種かな。
ゲームの『マザー』や『ポケモン』もそんな感じだ。
子どもが何かを通して成長を遂げるというプロセスがそこにある。

大人達が知らない、触れる事が出来ない子どもの世界で
子どもが勝手に経験し勝手に成長していくというワクワクするテーマ。
だからこそ今までも多くのクリエイター達が挑んできたジャンルである。


そこへJ-POPとしてアプローチして大ヒットしたのがこの曲だ。
秘密基地というまさに「子どもの世界の思い出」を綴っている。

ドラマ『キッズ・ウォー3』の主題歌であったこの曲は
その曲の良さが徐々に世間に認知されじわじわとロングヒット、
最終的に70万枚を超える大ヒットとなった。

切ない歌詞と泣きのメロディ。しかしコテコテのバラードではない。
適度なバンドサウンドがあるお陰で長さも感じさせないし、
かつキッズにも親しみやすいという奇跡のバランスが生まれている。

そしてこれをZONEという若いガールズバンドが奏でた事が大きい。
初々しいのだ。何もかもが。この曲の世界を表現するにはうってつけ。

逆に声量もあって明らかに歌が上手い大人が
ゆったりとしたバラード風にこの曲を歌ってはいけない。
子どもの世界を奏でるのはベテランであってはならないのだ。


そしてこの曲が凄いのはその痛烈なまでの共感性である。

秘密基地で出会った友達と夏の終わりに別れる曲なのだが、
別に俺は夏に秘密基地で遊んだ友達が転校するとか
この歌詞にあるようなドラマチックな思い出は一切無い。

自分で振った釣り竿の先端についてたルアーの針が
後頭部にぶっ刺さって病院でなんとか取って貰ったとかいう
クソダサイ思い出くらいしかない。ああああクソダサイ!


でもこの曲は不思議とそんな体験をしたような気分になれるのだ。
自分にはそんな夏の思い出がなくても強い共感を運んでくれる曲。
鮮やかな夏の風景が自然と浮かんで来て童心に還らせてくれる曲。

きっと人間の本能的な部分に刻まれいる夏の映像が、
曲とリンクして何かしらのフラッシュバック作用を
起こしているもののと推察される。とても不思議だ。
そのうちどっかの大学でこのカラクリを解き明かして欲しい。

そんな人間の本質的なところに訴えかける曲だからこそ、
いつの時代になっても多くの人に愛される曲として支持されているのだ。
これこそまさに「時代を超える名曲」ってヤツだろう。
結局ベタな感想になってしまったが、もうこの曲はそう言うしかない。

ZONEは最終的にこの曲の一発屋みたいな感じで解散してしまったが、
今思うとそれもまた夏の一発花火みたいでなんだか感慨深い。
まさに一夏の思い出のような、そんなヒット曲だった。


しかし時の流れって奴は残酷よ。

10年後の八月 また出会えるのを信じて

この曲を聴いていた高校時代から
10年どころかもう15年以上も経ったわけだ。

そして

将来の夢 大きな希望 忘れない

の歌詞の攻撃力が高すぎて辛い。しんどい。胸が痛い。
もうやめて!俺のライフはとっくに0よ!

このサビの部分の歌詞は、正直小学生の感想文みたいな
ありきたりでストレートなフレーズなんだけど、
曲の力で子どもの心へと引き摺り込まれた上で聴かされるから強い。
いや、むしろ子ども目線の歌詞だからこそこれで正解と言える。

だから未だにこのサビで泣いてしまう俺は、
本当に不甲斐ない大人になってしまったんだなと思ってしまうわけよ。
別に小さいころから大きな夢とかあったわけじゃないんだけど、
それでもこの曲にやられるってのは自分が未熟って事なのだろう。

さあ、皆さん、是非とも一緒にこの曲で泣きましょう!
そして俺と共に傷を舐め合いましょう!
つまらない大人になってしまった自分たちを認知しましょう!


子どもの夏の思い出を体験させてくれる名曲。
そして大人になった自分の半生を強制的に振りかえらせて
ガチで泣かせにくる精神衛生上はちょっと良くない名曲。

でもこういった曲があるお陰で俺たちは
「いい意味」で大人になりきれないんだとも言える。
子どもの心になれるってのはポジティブに捉える事も出来るのだ。

何故なら子どもの心を失ってしまうという事は、
成長を止めてしまう事とイコールだと思うから。(ドヤァ

俺たちのビルディング・ロマンスは、まだまだ終わらせちゃいけない!


【採点】
・夏の終わり 30点
・将来の夢  30点
・大きな希望 30点
・ライフ0   0点
90点

E ~Complete A side Singles~ (通常盤) E ~Complete A side Singles~ (通常盤)
町田紀彦 ZONE

曲名リスト
1. GOOD DAYS
2. 大爆発NO.1
3. secret base ~君がくれたもの~
4. 世界のほんの片隅から
5. 夢ノカケラ…
6. 一雫
7. 証
8. 白い花
9. true blue
10. 恋々…
11. H・A・N・A・B・I ~君がいた夏~
12. 僕の手紙
13. 卒業
14. 太陽のKiss
15. glory colors ~風のトビラ~
16. 笑顔日和
17. believe in love (bonus track)

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