脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】ACIDMAN / Λ [2017]


ずっときれいになった。

Λ(初回限定盤)(DVD付) Λ(初回限定盤)(DVD付)
ACIDMAN

曲名リスト
1. Φ ~introduction~
2. 白い文明
3. ミレニアム
4. prana
5. 最後の星
6. ユートピア
7. 水の夜に (album version)
8. Λ-CDM (instrumental)
9. 空白の鳥
10. MEMORIES
11. 光に成るまで
12. 愛を両手に

1. 最後の星 (Music Video)
2. 愛を両手に (Music Video)
3. ミレニアム (Music Video)
4. Documentary2015-2017

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ACIDMANを最初に聴いた時の感動は忘れないだろう。

あれは俺が高校生の頃だった。
スペースシャワーTVでパワープッシュされていた
『赤橙』を聴いて「スゲーバンドがいるぞ!」と友達に報告してた。
そしたら既に知ってた友人もいた。なんか負けた気がした。


そんな出会いから早幾年。
ACIDMANももう20周年のアニバーサリーイヤーを超え、
21年目に突入である。俺も今春でもう社会人11年目に突入である。

高校の時にACIDMANの1stアルバムを買って以来、
ずっとアルバムを買い続けて今回の『Λ』でもう11作目です。
そう考えると俺とACIDMANはスゲー長い付き合いなんだよなー。

昔からACIDMAN大木さんってハットが似合うよなーと思ってて、
そして今でもやっぱり大木さんはハットが似合ってて、
もう俺の中では大木さんとリリーフランキーからは
ハットのイメージが拭えないの。突然キャップとか被ったら心配する。

Talking Rock! (トーキングロック) 増刊 ACIDMAN (アシッドマン) 特集 2012年 03月号 [雑誌]

で、彼らの11作目のアルバム『Λ』だ。読み方はラムダだ。
多分中卒には読めないシャレたタイトル。
ちなみに俺は大卒だが読めませんでした。
ラムダの大文字って見た事ないやん…。普通小文字で「λ」やろ…。

ラムダってのはギリシャ神話で11番目という意味だ。
つまりはそのまま11作目ってわけですね。
シャレてるけどシンプルなタイトルであります。

しかしアルバムの最初は「Φ」(意味:21番目)からスタートする。
どないやねん。仮面ライダー555好きか。
とか思ったけど、アレか。21周年て事か。


そう、彼らは21年目にしてまた再スタートをしたんですきっと。

20周年のときにはファン投票によるベストアルバムを発表し、
自分達の活動に一区切りをつけたACIDMAN


ファン投票だとなんとなく初期の曲が多くなりそうと思ってたら、
これが意外にも満遍なく収録されていたので
長く愛されているバンドなんだなと思いました。

けどな!『造花が笑う』が無いのは何事だ!

記念すべきACIDMANのデビュー曲。コレ、ファン人気ないの??


さて、21年目で11作目のスタートとなった今回のアルバム。
昔っからのACIDMANらしい変わらない部分ってのも勿論あるんだけど、
やはり上記のような初期の頃と比べますと変わっている点もあって、
それは「美しくなったなぁ…」って事です。べっぴんさん。
女性に言ったらセクハラ。イケメンなら無罪。

バンドの初期の頃って若さ故のなんとやらもあるんだろうけど、
衝動的で焦燥感を感じる激しい曲が多かったりする事が多い。
ACIDMANも昔はそんな激しい曲が多めだったんだけど、
最近のACIDMANはそれはそれはとてもお美しゅうなられました。

今度のアルバムに至っては本当にただただ超キレー
ガツンと掴みにくるような曲はないんだけど、
不思議と何度もリピートしてしまうアルバムだったんです。
特に『白い文明』~『最後の星』の並びは圧巻だったよ。


あとアルバム全体を通して感じたのはディストピアの先」だった。

ACIDMANの音楽って以前からどことなくディストピア感があったのね。
人類が消え行く終末のような雰囲気。ポストアポカリプスみたいな。
でも今回のアルバムはそのディストピアを超えた、
もう一つ先の世界って感じがした。『ユートピア』って曲あるしね。

でもそれは多分最後の締めの曲『愛を両手に』が大きいんだろう。
この曲はポピュラーソング寄りの曲なので
ACIDMANっぽくはないと言えばそうなんだけど、
この曲が最後にあるお陰で光が差すようなそんな終わり方になっている。


それもそのハズ。だってこの曲、コバタケだもん。

特典のDVD観てて知った。いきなりコバタケ出てきたもん。
ミスチルを離れてバックナンバーに本腰入れたんかと思ってたら、
実はACIDMANにも絡んでいたとは…!

小林武史と言えば大衆向けのヒット曲プロデューサーの印象があって、
ガチロック勢からは結構敬遠される存在だったりする。
俺も嫌いじゃないけど別にすげー好きってわけでもない。

ただ凄腕のJ-POPの職人だとは思っているよ。
彼の曲調が好きか嫌いかは置いておいても、
しっかり仕事をこなすヒット職人なのは揺るがない事実。
きっと下町ボブスレーよりもコバタケの方が職人だ。

確かにACIDMANも本格的にコバタケ傘下に…?という気持ちはある。
だけどそういった意外な一面も見れたリスタートの11作目だったよ。
俺も15年以上ACIDMANを聴いているわけで、
じわじわと変化していく部分をタイムリーに感じているのだ。


あと変化ってのは別にネガティブなもんでもなくて、
昔から聴いてるバンドの変化には楽しいものもあるんだよね。
変化して聴かなくなったバンドもいっぱいあるんだけど、
バンドだけじゃなく自分自身も変わっているわけで、
そこで離れてしまう事ってのも当然あるんだと思う。

でもACIDMANは今後も多分ずっと聴くような気がする。
どこにも保証はないんだけど、でも彼らの変化には興味がある。
高校生から長らく聴いてきたという事もあって、
今後の彼らの向かう先をまだ見ていたいなーって感じかな。

でも大木さんのハットにだけは変わらないで欲しいかな。


【採点】
・21年目の11作目    21点
・磨きがかかった美しさ 50点
ディストピアの先へ   5点
・Λが読めない     -3点
73点