脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】SILENT SIREN / GIRLS POWER [2017]


全力少女。

GIRLS POWER(通常盤) GIRLS POWER(通常盤)
すぅ SILENT SIREN

曲名リスト
1. フジヤマディスコ
2. merry-go-round
3. KNiFE
4. Love Balloon
5. パパヤパヤパ
6. ジャストミート
7. AKANE
8. フユメグ
9. さくら咲く青い春
10. Kaleidoscope
11. ODOREmotion
12. さよなら日比谷

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俺は今までに何回もこのブログで
Silent Siren愛称サイサイの魅力を語ってきた。

そんな甲斐もあってかそれとも時代が前に進んだのか、
多分後者だと思うけどサイサイを只の読者モデルのお遊びバンドだと
馬鹿にする連中は大分減ったんじゃないかと思っている。


それでも未だに「モデルは足にクリームを塗ってるだけの職業」
ハライチ岩井の概念を継承されている方にとっては、
サイサイのようなバンドはさぞかし
「読者モデル風情がバンド舐めてやってる」存在に見えているんだろう。


でもそんな考え方はとても合理的とは言えない。
だって俺みたいな理系上がりのシステムエンジニア風情
こんな音楽ブログやってる時代だぞ。みんな読んでくれて有難う。

だからもし俺の存在を認めるならサイサイも認めて欲しい。
でも逆にサイサイを認めないなら俺も認めないでくれて構わない。
俺は勝手にサイサイと心中する。サイサイと俺は一蓮托生。


さて、サイサイが事務所移籍してベスト盤が出てと
なんだかんだあった2017年の締めくくりに出たアルバムがこちら。
その名も『GIRLS POWER』だ。つまりは女子力。あれ?違います?

俺はサイサイのアルバムは3枚目以降しか聴いてないんだけど、
断言する。今作がこれまでで一番テンションが上がるアルバムだ。
聴いててめっちゃ楽しい。簡単お手軽に幸せ気分になれるよ!

1曲目からかの有名な『フジヤマディスコ』ですよ。
移籍後第一弾シングルであり、かつサイサイの代表曲となった曲だ。

カッコイイとは、こういうことさ。

それまでのサイサイのイメージを更新すると同時に、
代名詞的曲のポジションも獲得したサイサイ史上超重要ナンバーだ。

このアルバムの最初の一発を聴いただけで、
今作がどれだけパワフルな一枚なのかがお分かり戴けると思う。
こいつらは只の読者モデルバンドじゃねぇってこった。
足にクリームを塗り、かつガールズバンドなのだ。


そしてこのアルバムが凄いのは
キュートで元気な勢いがノンストップである点だ。

エッジの利いた前述の『フジヤマディスコ』を皮切りに
6曲目の『ジャストミート』まで落ち着いた曲が一切無い。
恐るべき元気の押し売りである。



7曲目の『AKANE』でバラードが入り、
そして8曲目『フユメグ』でミドルテンポに戻した後で
またラストまで一気に休ませる気がないくらいに加速する。

だからね、俺はね、逆に『AKANE』がここに入っている事が
なんかもうすっげぇ惜しかったの。
ここで「はい休息ー」的な意図があったおかもしれんが、
おじさんは一息入れなくても全然いけたんですよこのアルバム。

まぁ『AKANE』はシングル曲だし好きな人も結構いると思うけど、
でもやっぱりこの位置じゃない。ラストかそのひとつ前が適正だ。
このアルバムは基本的に全速力で駆け抜けるべきだった!
あと『AKANE』のカップリングの『あわあわ』も入れたげてよ!
あれ結構好きなのに!


とまぁそんな不満もあるものの、
ここまでノリノリでキュートでカッコいいが止まらない
加速力抜群のガールズロックアルバムにはなかなか出合えない。

これでもかってくらいにサイサイの魅力が
ギュギュウに詰め込んであって多幸感に溢れている一枚と言える。


そして俺はこの『GIRLS POWER』というタイトルが
あまりにピッタリ過ぎてこれ以上ないアルバム名だと思った。
俺がこのアルバムに名前をつけろと言われても
多分同じようなタイトルつけた気がする。『GIRLS ATACK』とか。

そう、このアルバムってとてつもなく女の子なんだよ。
女の子が頑張っている感じがすっごい伝わってくるの。
男だ女だなんて軽々しく口にするとポリコレ警察が来る昨今だけど、
そうは言っても男にしか出せないor女にしか出せない味は確かにある。

このアルバムの感じは間違いなく男には表現できない。女子専用。
男がプリキュアになれないと一緒。そういうものなの。
あ、キュアゴリラとジュリオはプリキュアにはノーカンです。



そうそう、「ガールズパワー」と言えばもう20年くらい前の話だが
スパイスガールズの大ブレイクを思い浮かべる人もいるだろう。

元気な女の子グループのアイコンとして彼女達は大活躍した。

彼女達がパワフルに踊る姿から多くの人が力強さを感じた。

そう、女の子って芯の部分は俺らが想像するより強いんだよ。
だからもっとその強い部分を表現したいと考えてはいるんだけど、
実際にはなかなかそれを表に出すチャンスって少ないんだと思う。


これまでも俺はサイサイの音楽は好きだったんだけど、
でもどうして「バンドと言う形態を選んだんだろう」とも思っていた。
勿論彼女たちがバンドが好きだったというのは大きいだろうけどさ。

でも可愛い音楽、カッコいい音楽をやるんだったら
アイドルでもダンスグループでもいいわけです。
敢えてそれをバンドでやる意味は何なんだろうという疑問があった。

しかしその答えは今作で分かった。つまり「パワー」なのである。

日本では海外に比べてまだまだバンドの需要が高い国だ。
それは俺は日本ではバンドという形式が
「パワー」を示すフォーマットとして優秀だからだと思っている。

特に日本の女性ってダンスユニットを組んだとしても
「クール」や「かっこいい」感じは出せるけど
体型的なハンデもあってか外国人女性のような
「力強さ」や「パワフル」な感じはなかなか出せない。

そう、きっとサイサイは「パワー」を求めているのだ。
バンドをやる事で「カワイイ」に加えて「パワー」をも手に入れる。
それも男性バンドに負けないくらいに強い意思を持っているのだ。
それは『フジヤマディスコ』からも感じる事が出来るサイサイの想い。


多分今まで”読者モデル発のアイドルバンド”みたいな肩書で
曲も聴いた事が無い人間に色々言われた事もあったんだと思う。
でもその度に彼女達は「いつか見返してやる」という精神を忘れずに
ずっとバンドという形式でここまで活動を続けてきたんだろう。

だからこのアルバムは満を持しての『GIRLS POWER』なんだ。
出し惜しみなく彼女たちが持つ今の全力を存分に発揮した。
そんな彼女たちの気持ちを俺は感じ取ったぞ。

だからこのタイトル以外に何が当てはまろうかってくらいに
これはドンピシャで全てを言い表したタイトルだと思う。
ジャケットも「ガールズパワーってこんな感じ」と納得のデザイン。
初回盤のデザインもいいけど通常盤の方が好きかな。


サイサイの、いや、
今を生きる女の子のハジけんばかりの元気が詰まっている力作である。
聴けば幸せ。いとも簡単に幸福感に包まれる事が出来るぞ。

最近誰かに元気を貰いたいと思っていたそこの貴方。
ここにうってつけのアルバムがあります。
是非一緒にパパヤパヤパしましょう。


【採点】
・過去最高にハッピー 50点
・女子力急上昇    30点
・ライブ行きたい    5点
・曲順が惜しいよ…  -3点
82点