脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】ELLEGARDEN / BRING YOUR BOARD!! [2003]


BRING THIS ALBUM!!

BRING YOUR BOARD!! BRING YOUR BOARD!!
Takeshi Hosomi ELLEGARDEN

曲名リスト
1. Surfrider Association
2. No.13
3. ジターバグ
4. A Song For James
5. Wannabies
6. Insane
7. My Friend Is Falling Down
8. Dancing In A Circle
9. Cuomo
10. 金星
11. So Sad

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「やっぱりエルレって良かったよねー」

この言葉をELLEGARDENが活動休止してからこの約10年間、
どれだけ耳にしてきた事か。


エルレは人気絶頂だった2008年に活動を休止した。
本当に人気が最高潮の時期だった。同世代の方は覚えているだろう。
当時は俺も含めて多くの人間が彼らの活動休止にめちょっくだった。

その後エルレのボーカル細美武士the HIATUSにて活動を開始。
多くのエルレファンが注目していたけど、
正直その「エルレじゃない感」に戸惑っている人が多かった。

まぁね、俺はエルレもハイエイタスもアルバム全部買ってるくらいに
好きなんだけど確かにハイエイタスはそんな流行らんだろうと思った。
そりゃ別バンドだしね、ハイエイタスにエルレ期待するのが変な話だ。

あ、だから俺はハイエイタスも結構好きです。
アルバムを重ねる毎にどんどんマニアックになっていって、
エルレファンを徐々に削ぎ落していったあの感じが好きです。
でもエルレガーデンの方がも~っと好きです。


しかし、細美武士が次に立ち上げたバンドMONOEYES
あまり好きになれなかったんよね。
ハイエイタスに比べれば全然エルレ寄りなバンドなんだけど、
じゃあそれならエルレ復活してよーなんて思ってたわけだ。

そしたらマジでキタ。

nlab.itmedia.co.jp


もうビックリよ。だってもう俺はほぼほぼ諦めてたんだもん。
エルレとオアシスは復活がありそうでなさそうなバンドだったもん。
ちなみにエルレ復活の第一報は、エルレ大好きな嫁からのLINEでした。


エルレ復活のニュースは瞬く間に列島を駆け巡り、
「もう10年も経っていたのか」という驚愕と共に
多くのロックファンを呼び覚ましたようだ。

やっぱりみんなエルレを待ってたんだよ。
エルレと言えば2000年代の邦ロックの大事なキーワードですから。
俺らの世代の共通科目。履修してないヤツは留年決定。そんなバンド。


さて、俺のエルレとの出会いはオムニバスCDだった。
俺が高校生だった頃はそれはもうインディーズバンド大人気の時代で
色んなバンドの曲が詰まったオムニバスCDが乱発されていた。

そんな中2枚組の当時の人気バンドの曲がめっちゃ色々入ってた
オムニバスの中にELLEGARDEN『No.13』が収録されていて、
それを聴いて「お、このバンドいいじゃん!」と思ったのだ。



『No.13』めっちゃ良くない?これベストに入ってないんだぜ??

というわけで俺の思い出補正込み込みなわけだが、
この『No.13』は俺にとっても忘れられないエルレの曲なのである。


そして程なくして「CDTV」でエルレの『ジターバグ』が流れた。
これが俺がエルレにハマる決定打となった。



あーやっぱいいわー。良いですわーこれ。

『No.13』とは違って日本語詞。でもそれが高校生の俺に
「あ、この人たち凄い!こんな曲も出来るんだ!」と感動をくれたの。
当時俺の周囲にはこの曲でエルレを知った人が多かったし、
やっぱり『ジターバグ』はエルレを語る上では外せない曲だと思う。


というわけでこりゃもうアルバム買うしかないですよね。
だから過去のアルバムも含めて当時のエルレの作品買い集めました。

そして未だに俺にとってはエルレと言えば、
『No.13』も『ジターバグ』も収録されている
この『BRING YOUR BOARD!!』こそが忘れられない一枚なんです。


1曲目の『Surfrider Association』からとびっきりにステキ。
ロディックパンクの塊のようなこの1曲目は
インディーズロックブームに沸いていた当時の若者のハートを直撃。



そして前述の『No.13』『ジターバグ』とキラーチューンが続き、
以降も一切無駄のないエネルギッシュな曲の連発で
アドレナリンの分泌が止まらない。ベスト級に良くできた一枚だ。

英語詞ばかりなのもあって当時は歌詞カードを必死に眺めてたなぁ。
このアルバムの大半の曲はカラオケで歌える自信がある。

当時は英語詞のバンドが多くて洋楽も人気だったという背景もあり
俺は高校の英語の教科書よりも歌詞カードで頭に入れた英語の方が
多いんじゃないかとすら思っている。

そして10曲目の『金星』は日本語詞のメロディックラード
最後はゆったりとした11曲目の『So Sad』でアルバムは幕を閉じる。
この2曲はベストアルバムに収録された人気曲だ。


このアルバムの魅力がなんなのかと言うと、
俺は「カッコよすぎない事」だと思うんよね。

こんな事言うと全国的に分布してると推測される
”細美さん尊いガールズ”に殴られそうだけどさ、
エルレって全体的によくよく聴いたらそこまでカッコよくはないんよ。
「孤高の存在!」ってイメージではないの。

代りにエルレの曲に感じるのは無邪気さ、純粋さだ。
大人にはなれないチャイルデッシュなロックだから、
いつまでもチャイルデッシュな俺らに刺さるんだよ。


そしてこのアルバムは特にそれが顕著だと思っている。
絵本とか童話とかそういった類のオーラがこのアルバムにはある。
ジャケットもなんか絵本の表紙っぽいじゃん?
今から素敵なお話が始まるよ~みたいな空気醸し出してんじゃん?

カッコよくないわけじゃないけどカッコよすぎない。
カッコつけたいけど不器用で、そしてなんとなく憎めない。
そういったどこか切なさを感じるロックアルバムだったからこそ、
当時高校生だった俺にこの『BRING YOUR BOARD!!』はハマった。


エルレが活動休止してから10年。俺も人の親になったけれど、
でもやっぱりとんがりコーンは指にはめて食べるし、
ベビースターラーメンは必ずこぼすし、まだまだチャイルドである。

だからELLEGARDENが帰ってくるのは本当に嬉しい。
良かった、まだ細美さんも童心を捨てていなかったんだね!
きっとみんな同じ気持ちでしょ。童心に還りたい。そういう事だろ?


ハイスタ以降、色々なインディーズバンドが活躍したわけだけど
エルレ程に成功したバンドもいないんじゃないかな。

当時のこのアルバムもそこまで売れ行きは良くなく、
俺は「なんで売れないんだろ」と思っていた。
しかし次のアルバム『Pepperoni Quattro』で頭角を現し、
そしてご存知『RIOT ON THE GRILL』で一躍大人気バンドとなった。

このアルバムはそんなエルレの快進撃への胎動を感じる、
そして俺の思い出にも深く刻まれた大事な一枚でもある。

ELLEGARDENの復活で久々にエルレを聴き始めた皆さん、
是非ともこのアルバムも忘れずに聴いて下さいな。


余談だけど、俺の携帯の嫁からの着うたはずっと『ジターバグ』です。
未だにガラケーもう8年くらい使ってる??)なもんで。


【採点】
ELLEGARDEN復活記念  50点
・思い出深いアルバム    30点
・新作も出してくれよ     5点
・そういやモンパチも売れたね 1点
86点