脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】サザンオールスターズ / 勝手にシンドバッド [1978]


サザン、半端ないって。


邦楽ロックを代表するフェス、ROCK IN JAPANフェスティバル。

行くわけじゃないんだけど、今年の出演アーティストは目玉が少なく
去年に比べるとかなり地味だなーなんて思っていたら、
先日いきなり追加発表でサザンオールスターズの出演が発表された!

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018、ライブアクト出演アーティスト追加発表! (2018/06/17) 邦楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)


まぁ確実にサザンが大トリでしょうねー。
しかしちょっと前に「全出演者発表!」とか言っておきながら、
でっかいサプライズを隠し持ってやがった。

さてはロッキン、分かっていながら敢えて発表遅らせて
みんなの反応を見ながらニヤニヤしてたんだな?質が悪いぜ。
そんな事ばかりやってると俺みたいになるよ。
最近、俺以外の部署のメンバだけのLINEグループがある気がします。


さて、本日6/25はサザンオールスターズがデビューした日だ。
あの『勝手にシンドバッド』の発売日でTAISHITA記念日とも言われる。
勝手にシンドバッド』は1978年の発売なので、
サザンは今日でちょうどデビュー40周年なのである。あめでとう!

そんな記念すべきアニバーサリーイヤーという事で、
サザンも「今年はロックインジャパンにも出演すっか!」とか
思ったんかな。もしくは渋谷陽一が頭下げに行ったんかな。


そして三ツ矢サイダーのCMでは、
サザンの10年毎のアニバーサリーソングが随時オンエア中。
1978年、1988年、1998年、2008年、4つの年に発表された
サザンの楽曲を使って、すがすがしい夏らしいCMが制作されている。

1978年の曲は勿論『勝手にシンドバッド』で、
1988年の曲はは『みんなのうた』。


そして1998年は『LOVE AFFAIR』。これ好きな曲。

そしてCMもこのバージョンが一番好きかなー。
あと東野圭吾の小説『夜明けの街で』はこのサザンの曲が由来。

そして2008年の曲は『I AM YOUR SINGER』。


ちなみにサザンの曲、特に昔の曲はYoutubeに動画が無いので
実はこれらのCM動画はなかなかに貴重な存在だったりする。
40周年という事で昔の曲も解禁してくれたら嬉しいけどなー。


そんな日本の夏ソングとして定番になった『勝手にシンドバッド』。
コミックソングとしてのイメージが強いんで忘れがちなんだけど、
邦楽の歴史上においても極めて重要な曲の一つなんです。

日本語を洋楽ロックっぽくするために無理矢理メロディに嵌めて
巻き舌で発音する事で強引に邦楽ロックに昇華した桑田の歌唱法は、
今ではそうでもないが70年代当時としてはあまりに斬新すぎたわけだ。

だからこの曲がテレビで初めて披露されたとき、
その衝撃のあまり視聴者は全くついていけなかったそうな。
そしてこの『勝手にシンドバッド』が以降の日本の歌番組で
歌詞のテロップが出るきっかけとなったというのは有名な逸話である。


確かに昔ながらの歌謡曲って一音一音にしっかり言葉を乗せて
ちゃんと聞き取れるように丁寧に歌われているんだけど、
この『勝手にシンドバッド』はそんなセオリーをガン無視している。

特にサビ前とかはあまりに早すぎるんで、
現代に生きる俺らが聴いても早いと感じるくらいだから
当時の人間にとっては情報処理が追い付かなかいレベルだったと思う。

だから当時は「なんだこの曲は」という賛否両論が巻き起こったわけ。
でも賛否両論があってこそロック。ビートルズも昔は賛否両論だった。
それが今の世の中ではこうやって当たり前になっているわけだしね。

そういやリアルタイムで『勝手にシンドバッド』を聴いていた俺の親も
「あの曲が出た時のショックは凄かった」みたいな話をしてたなぁ。
それくらいに邦楽の意識をガラリと変えた曲なのは間違いない。


ただコレについては、曲が先にあって後から歌詞をつけるという
「曲先」の手法をとる桑田の作詞作曲のやり方の影響が大きいんだろう。
だからこそ日本語であのノリが生み出せているとも言えるんだけど。

あとこの曲はそのノリとコミカルな部分が良くピックアップされるけど、
人によっては実は歌詞を評価している人も意外に多かったりする。
「今何時?」なんて意外性のあるワードをサビに持ってくる勇気や、
独特の深みがある言い回し、展開が文学的といった点が評価されている。

でもですねぇ、御高説を垂れる評論家の方々には申し訳ないですけど
俺が思うに桑田はそこまで考えてないと思うんですよねぇ。

いやでも桑田佳祐ってかなり作詞能力も高いと思うし好きだよ。
たまにちゃんと本気出してマジでいい歌詞書いてるもん。
でもこの曲に関しては絶対ノリで作ってる。そんな気がするの。


そもそも曲名が『勝手にシンドバッド』である。
「勝手に」という副詞的な接続語を名詞にぶつけた美しくない日本語。
国語のテストだと先生に呼び出される間違え方。

その理由は当時ヒットしていた沢田研二の『勝手にしやがれ』と
ピンクレディーの『渚のシンドバッド』を繋げただけの曲名だからだ。
誰にでもできる簡単なお仕事。クリエイティブ精神が著しく低い曲名。

しかも、この2曲の曲名をくっつけるアイディアも
当時人気だったドリフターズのテレビ番組『8時だョ!全員集合』で
志村けんがやったネタから拝借したらしいから、
いかにテキトーに作った曲だという事かが分かるだろう。



タイトルをこんな風に決めるんだから歌詞だって多分テキトーだ。


しかし経緯はどうあれ
この曲に絶大なインパクトがあったのは間違いないわけで、
結果的に邦楽シーンの一つの転機となった曲と言えるのだ。

ちなみに桑田佳祐いかりや長介に、
本気でドリフターズに勧誘されていたらしい。
桑田がもしドリフターズに加入してお笑い芸人になっていたら、
それはそれで別の新しいお笑いが生まれていた未来になったのかも。


ただ、この曲の印象があまりに強すぎたために
リアルタイムではサザンは一発屋扱いされていたようだ。
その頃の苦悩は後に桑田自身も語っている。

堂々と音楽の世界で活躍するためには
一発屋お笑い芸人」のイメージを払拭しなければならなかった。
そして翌年の『いとしのエリー』で見事にイメージの払拭に成功した。


日本を代表する夏ソングとして定着した『勝手にシンドバッド』。
ジョン・レノンもこの曲を聴いて「Happy」と言ったという話があり、
こんなにもテキトーなのに世界にも響いたとても面白い曲だと思う。

あと発売した当時はオリコン3位が最高位だったんだけど、
デビュー25周年の2003年6月25日にマキシシングルで再発されてて、
その際には見事オリコン1位を獲得した。
なんと25年もの時を経て1位となった珍しい楽曲でもある。


今年でついに40周年を迎えたサザンオールスターズ
俺の人生よりも長く活動していてしかもまだ邦楽の第一線にいる。
サザンマジパネェっす。お笑い芸人にならなくて良かったね!

というわけでそろそろまたベスト出さないかなぁと思う今日この頃。
20周年のベスト『 海のYeah!!』からもう20年経過しましたよー。
いい加減、溜まったアルバム未収録シングルを収録して欲しいです。


【採点】
・祝デビュー40周年   40点
・邦楽史上の重要曲   30点
・昔のMVも解禁して     5点
・そろそろベスト出して  5点
80点

海のYeah!! 海のYeah!!
サザンオールスターズ

曲名リスト
1. 勝手にシンドバッド
2. いとしのエリー
3. C調言葉に御用心
4. 栞のテーマ
5. いなせなロコモーション
6. 夏をあきらめて
7. チャコの海岸物語
8. 匂艶 THE NIGHT CLUB
9. 鎌倉物語
10. BYE BYE MY LOVE (U are the one)
11. ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)
12. 海
13. みんなのうた
14. 希望の轍
15. 忘れられた BIG WAVE

1. 真夏の果実
2. YOU
3. シュラバ★ラ★バンバ
4. 涙のキッス
5. さよならベイビー
6. エロティカ・セブン
7. 素敵なバーディー(NO NO BIRDY)
8. そんなヒロシに騙されて
9. マンピーのG★SPOT
10. あなただけを ~Summer Heartbreak~
11. MOON LIGHT LOVER
12. 太陽は罪な奴
13. 恋のジャック・ナイフ
14. 愛の言霊 ~Spiritual Message~
15. 平和の琉歌

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