脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

金足農業って「ロックだな」って思いませんか。


持たざる者たちへ愛を込めて。


俺みたいにいい感じに性格が仕上がってる人間は、
とにかく何かにつけて「ロックだね」なんて口走ってしまうもので。
よく考えると別にそれほどじゃない事柄に関してもロックとか言いがち。

まぁそれは俺らの口癖みたいなもんでして治らないんですよね。
萌黄えもちゃんがえもいえもい言うのと一緒。
そのくせにクソザコメンタルだったりね。つまりえもちゃんと一緒。



でもそんなえもちゃんが好き。


しかし、冷静になって考えて欲しい。

みなさん最近「ロックだね」って思った事ありますか?
ロッキンジャパンにアイドルが押し寄せてきた今の状況を見て
「こんなのロックじゃねぇよ」とか思ったりしてませんか?

そう、みんなロックな出来事に飢えていたりするんじゃあないかと
そんな事を思っていた今年の夏、ロックだなぁと思った事がありました。


今年100回目を迎えた全国高校野球選手権大会、通称甲子園。
そんな記念すべき大会で大活躍をみせた秋田代表の金足農業高校
彼らってめっちゃロックだったしめっちゃエモかったと思いません?

…まさかクソザコサブカルブログでスポーツの話をやるのかって?

いやいや、言っとくけど俺意外と甲子園好きだからね。
お盆に親戚のおっさん達と甲子園の話出来るくらいには知ってる。
ただのクソザコサブカルデブ野郎と思うなよ。

それにスポーツだってロックと同じで、
人間を駆り立てる熱いものを感じる事が出来るんだ。
たまにはスポーツの話題でボルテージを上げてみようぜ。
ハートビー…ハートビー…倍野菜…


というわけで今日は俺が金足農業のどこにロックを感じたのかという
なかなかに無理があるし限りなくどうでもいい話をしてみたいと思う。
あとサチモスの『VOLT-AGE』良い曲だろ。みんな馬鹿にすんな。

金足農業にロックを感じろ。


さて、結構前から言われている事なんだけど
甲子園で強いのはやっぱり私立高校なのである。

全国から選手を集めて地元の選手が全然いない私立のチームとか、
良く「お前ら何県代表なんだよ」とか批判されたりする事もあるけど
個人的には仕方がないというか自然だよなーとか考えているところで。

スポーツに限らずの話ではあるけれど、
同じ意思がある人間同士が集まって何かを成し遂げようとするには
地域に拘らずに広く人間を集めた方が実現可能性は高いわけで、
むしろそこをストップしちゃうと全体が停滞しちゃう可能性もある。

だから昔と比べて人の往来が活発になった事もあり、
強豪の私立高校がどんどん人材を集めるようになっている昨今。
そんな今の時代において「さすがにもう負けるだろう」
と毎回思われながらもバッタバッタと並み居る敵をなぎ倒し
決勝まで勝ち進んだ公立高校。それが今年の金足農業だった。

Twitterでは「平成最後の百姓一揆」とか言われたり、
あまりに予想外に勝ち進んでいくので現地での滞在費が枯渇して
「金が無いのに金足農業」なんて大喜利みたいに盛り上がっていた。

東北に初めて優勝旗が渡るのかとか、
公立高校でしかも農業高校が私立を抑えて優勝するかとか、
(ちなみに農業高校は施設費などの関係で公立高校ばっかりらしい)
メンバー全員が秋田県出身の金足農業の活躍に皆が注目していたのだ。


そしてロックという音楽文化にはルサンチマン精神だとか、
諺で言うところの「窮鼠猫を噛む」みたいな
”弱者が抗うための音楽”といった成分が多く含有されている。
最近はヒップホップの方が弱者の音楽ってイメージが強いけど…。

でもロックは往々にして「持たざる者」がのし上がっていく事に
強いカタルシスを覚えるジャンルであったわけだ。
だから我々はしばしばそういう現象を見かけた時に
「ロックだねぇ」と思っちゃったりするのである。

そんな意味で金足農業が勝ち上がっていく姿はとてもロックだった。
最終的に決勝で大阪桐蔭(さすがに強かった)に負けちゃったけど、
あの「何かやってくれそうな雰囲気」に期待をせずにはいられなかった。

www.huffingtonpost.jp

2007年の佐賀北高校を思い出した。


ちなみに今年、甲子園も100回記念という事もあって
AKB総選挙に倣ってか投票企画が行われた。
過去の甲子園の「名試合」に投票する企画だ。

vk.sportsbull.jp


俺も投票に参加したんだけど、
俺が推したのは11年前、2007年の決勝戦「佐賀北×広陵」の試合だ。
最終投票結果でも5位につけた伝説的な決勝戦だ。
(そしてやっぱり1位の試合は横浜×PLなのね…)

実は俺の地元が佐賀っていう事もあるんで贔屓しちゃったんだけど、
それを差し引いてもあれほどに劇的な試合はそうそう生まれないと思う。
そして何より無名の公立高校の快進撃という点で
今回の金足農業に2007年の佐賀北高校を重ねた人は多かったはずだ。


忘れもしない2007年の夏の甲子園、
強豪を次々と打ち負かし決勝まで勝ち上がった佐賀北に対するは
これまた強豪で当時の優勝候補だった広島の広陵高校。
つーかこの年の広陵はその後プロ入りした選手も多くてホント強かった。

8回まで佐賀北は広陵に4-0に抑えられてしまい、
がばい旋風も流石にここまでか…誰もが思っていた8回裏。



甲子園の魔物って誰が召喚しているんだろう…。

ちなみに甲子園の決勝戦で満塁ホームランを放ったのは、
この時の佐賀北とあと1994年に優勝した佐賀商業の2校だけだったハズ。
なんと、どちらも佐賀県代表なんですよね。面白い。


しかしこの時のホームラン前の審判のフォアボール判定については
「ストライクをボールだと判定した誤審だ」とも良く言われている。
確か広陵の監督も後であの疑惑の判定について抗議していた。

俺は野球には詳しくないんだけど
でも確かに今見てもちょっと微妙なラインっぽいかも…
しかし試合中は審判が全てだからなぁ~。広陵の選手には悪いけどさ。

でもあそこでちゃんと抗議した監督はやるなぁと思う。
抗議の声が以降の試合に活きていけばより良くなっていくだろうし、
そう考えるとあの時の広陵の監督もロックだったのかもしれない。
ただこの前の柔道の韓国の座り込みは…あれはルールの勘違い…?


ちなみに2007年の決勝戦当日、俺は大学院の入学試験日だった。
甲子園のプレイボールと同時に俺の試合もプレイボールだったなぁ。
でもあまりに試合が気になったので試験を早めに終わらせて
途中退席して2ちゃんの実況観てた。懐かしいぜ。

あと、ちょうど2007年に野球漫画が原作のアニメ
『おおきく振りかぶって』が流行ってて、
その作中の百枝監督が通称「モモカン」って言われてたんだけど
佐賀北の監督の苗字がまた百崎って言うもんだから
ネットでは良くモモカンモモカンって呼ばれてたのを覚えている。

「持たざる者」公立高校を誰もが応援


しかし思えば佐賀北が優勝した2007年のスポーツ界は、
不祥事などが目立って雰囲気があまり良くなかった。
だから佐賀北のような公立高校が活躍した事で
少しクリーンなイメージに復帰できて皆が喜んでいた気がする。

そして今年も不祥事だらけのスポーツ界。
そんな中で佐賀北の再来と言わんばかりに活躍した公立の星、金足農業。
最終的にラスボス感溢れる大阪桐蔭に割と派手に負けちゃったけど、
でもその最後に負けた事すらもなんかロックっぽくて好きだった。


だがこれでまだ夏の甲子園で公立が優勝したのは
11年前の2007年の佐賀北以降一校もいない事になった。
春のセンバツも2009年の長崎の清峰高校以降いない。

つまりここ10年くらい私立高校しか優勝していないわけだ。
でも冒頭にも書いたけどそれはもう必然でもあるしどうしようもない。
ただ、だからこそ公立が勝ち上がっていく様を誰もが観たいんだと思う。


だからさ、やっぱり日本人ってロックが好きなんじゃないだろうか。

佐賀北の試合を今振り返って観ても、
何よりも球場全体が明らかに異様だ。みんなが佐賀北を応援している。
あの空気の中で戦う広陵の選手はとてもやりにくかったに違いない。

広陵の選手も言っていたけど、あの場では完全に広陵がアウェーだった。
公立が正義のヒーローで私立が悪のヒール役みたいになってしまった。
本当はそんな事ないのに、でも心のどこかで誰もがそう思っている。
そして生まれるあの雰囲気こそが、甲子園の魔物の正体なのかもしれん。

「判官贔屓」という言葉があるように日本人は弱者に味方しがちだ。

きっと日本人は心の奥底に誰もが燃やしたいロック魂を持っていて、
それが何かのきっかけで着火すると熱狂しやすいんだろう。
ロックバンドが邦楽市場で依然として人気な理由も分かる気がする。
そんな事をふと思った夏の甲子園だった。

だからさー、本当はみんなロックが聴きたいんだろう?
恥ずかしがらずに言いなよ。こっちへおいで。まずはあいみょん聴きな。



熱いロックな夏をありがとう。


というわけで久しぶりの公立高校優勝の夢は叶わなかったけど、
それでもそんな夢を見せてくれた金足農業高校は、
今年一番のロックスターだったんではないでしょうか。

そしてそんな空気の中でもしっかりと勝った王者、大阪桐蔭。
記念すべき100回大会での優勝を飾ると同時に、
春夏連覇を2回達成するという史上初の大快挙を成し遂げました。

いやー、こうやって考えてみると
今年の甲子園はとても歴史に残る大会だったんじゃないかなー。
日本人のロック魂をくすぐる熱い夏を有難う御座いました!


そして実は我が娘がお世話になっている保育園、
実は今年優勝した大阪桐蔭のエース、柿木投手がいた保育園なんですよ。
で、先日なんと保育園に柿木投手が来て園児と触れ合ってくれたそうな。

俺の娘も柿木投手と一緒に写真に映ってた。
本人は今は何がなんだか分からんやろうけど、
大きくなって事実を知ったら驚くんやろうなぁ~。

柿木投手、優勝おめでとう御座います&有難う御座います!
そしてきっと俺の娘もいつか何かで全国制覇してくれるはず。
そんな親バカな期待を寄せた最近の出来事。


あ、大学院は無事受かりました。
でも結局俺は大学院行かなかったんだけどねw


…ロックだろ?


熱闘甲子園のうた~夏の高校野球応援ソング 熱闘甲子園のうた~夏の高校野球応援ソング
オムニバス

曲名リスト
1. Halation
2. 夏はこれからだ!
3. やさしさにかわるまで…
4. スフィアの羽根
5. 奇跡
6. 夏陰 ~なつかげ~
7. glory colors ~風のトビラ~
8. 誓い
9. SUMMER BOY
10. 夏の終わり
11. 終わらない夏
12. 太陽は僕らを照らしてた

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