脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】CHAI / PUNK [2019]


世界をも揺るがすNEOかわいい。

PUNK PUNK
CHAI

曲名リスト
1. CHOOSE GO!
2. GREAT JOB
3. I'm me
4. Wintime
5. THIS IS CHAI
6. Fashionista
7. FAMILY MEMBER
8. Curly Adventure
9. Feel The BEAT
10. FUTURE

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皆さん覚えてますか。CHAIの事を。

去年のバズリズムで1位に選ばれて、
ネクストブレイク間違い無しとプッシュされていたあのCHAIの事を。



そう、コレですよコレ
いつ観ても新鮮ですね。


本当に彼女達がブレイクしたのかと言われると、
正直まだまだって感じは否めないんだけどさ。
ただ昨年にはMステにも出演して、
タモリさんへのタメ口で世間をざわつかせたという実績はあった。

しかし「コンプレックスはアートなり」といったテーマを掲げる
CHAIのその強烈なヴィジュアルに目が行き過ぎてしまって、
Mステに出演したものの肝心の音楽性の話題については
やや置いてけぼりな感はあった。…そりゃまぁそうだろうなと思う。


しかしCHAIは流行りに迎合しない攻めのポストロックを奏でており、
決してネタでは終わらせられない実力を持ったバンドなのだ。

そんなCHAIの1stアルバム『PINK』なんですけど、
なんとアメリカの音楽メディアPitchforkが企画した
「The Best Rock Albums of 2018」の一枚に選ばれたのだ。



日本の作品が海外メディアで高得点を得るというのは珍しい。
これを機にもっと日本での注目度も高まって欲しいと俺も思ってる。


…というわけで、『PINK』の次なるアルバムが出ました。
今作のタイトルは『PUNK』です。



CHAI、かっこいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
NEOかわいいを通過してもうNEOかっこいいよCHAI。

この『CHOOSE GO!』はアルバムの冒頭を飾るリード曲。
前作同様に流行りに迎合しない音楽性を貫き、
新時代のポップアイコンの可能性すら感じさせる風格がある。
個人的にはサビで入ってくるシンバルのリズムが好き。

また本人達がとっても楽しそうなのが◎。
コンプレックスとかなんとか言いながらも、
自然体で楽しくやってる彼女達の姿を見ると元気が湧いてくるのだ。


しかしこのCHAIはあの保守的で有名な名古屋出身というから驚きだ。
いや保守的だからこそ彼女達のような存在が爆誕したのかもしれない。
皆が日頃から感じている鬱憤を一手に引き受けて成長してきたのか。

そんなCHAIはアメリカでは「パンク」と呼ばれているらしい。

俺は今作の『PUNK』というアルバムタイトルが
またややこしいと思ってて、収録曲のストレートな印象は
一般的にイメージされやすいパンクからかなり遠い位置にある。

だから良く知らない人が「パンクが聴きたい!」って気分で
このアルバムに手を伸ばすと色んな意味で火傷しそうだなとか思うの。


しかしパンクを精神性と捉えるならば、
やはり彼女達の存在はパンクなんだろうなとも考えられるわけで。
マジョリティの感覚に特異なモノをぶつけていく快感こそが
精神性という観点からのパンクの醍醐味である事は間違いない。

TVやCM等で「私ブスだから~」的な発言をしている
綺麗系のタレントとか見てるとなんか腹立ってくるし、
そういうあんたの発言が逆に多くの人を苦しめるんだぞと言いたい。

だからそんな半端な価値観をものともしないCHAIはカッコイイのだ。
ピンクという可愛さの象徴をも堂々と使いこなすその立ち振る舞いも
最高にカッコイイ。そう考えるとまさにCHAIはパンクなんだろう。
いや、これまでのパンクとは違う。コレはNEOパンクなんだろう。




こちらはシングルでもリリースされた『GREAT JOB』。

パナソニックとのコラボ曲で、
”家事シェア”がコンセプトという独特な世界観が特長だ。
『家事がはかどる音楽』として制作されたらしい。

この曲もまたスタイリッシュでカッコイイ。
日本語と英語が良い感じに織り交ざった歌詞がクールだ。
俺もこの曲を聴きながら頑張って家事をシェアしようかな。


メイキングもめっちゃ楽しそう。



CHAIのメンバー達の笑顔がステキでたまらないっすね~。


さて、1st『PINK』と比べると今作はより曲の題材が広がった感じ。

以前は「対女性」的な意識を主に感じていたんだけど、
今作は上記の『GREAT JOB』のように女性も男性も関係なく
さらに広範囲に訴えかけてくる意気込みが垣間見れる。
音楽性も洋楽寄りのディープさに磨きがかかっているぞ。

で、日本のアーティストが海外に打って出るのって
やっぱり「女性」は一つのキーなんだろうなと最近思うのね。

PerfumeにしてもきゃりーぱみゅぱみゅにしてもBABYMETALにしても
海外のアーティストには無いアピールポイントを持っていると
ピックアップされやすいし、そこに一番近いのは日本女性ならではの
「カワイイ」という表現方法なんだろうと考える。

この「カワイイ」というのは単純な見た目という意味ではなく、
声であったりポップス性だったりパフォーマンスだったり
”海外ではなかなか味わえない可愛さ”ってのがポイントという事だ。


今作のアルバムジャケットにしても「カワイイ」ぞ!



このイラストはメンバーのユウキが手掛けたそうだ。
いい感じのポップさとCHAIらしさが滲み出ていると思いません??


ちなみにCHAIは今年7月にシカゴで開催される
Pitchfork Music Festivalに日本人として唯一の出演が決定している。
本人達も「グラミー賞を取ること」を目標に掲げてるし、
本格的に世界で評価される事を狙っているようだ。

今後日本から世界を揺さぶる存在が生まれるとしたら、
きっとCHAIのようなアーティストなんだろう。
そんな予感を感じさせる力作『PUNK』、日本人なら聴いておこう。


しかし『PINK』⇒『PUNK』ときたならば…

次回作は…『FUNK』とか?


【採点】
・海外で人気上昇中 30点
・NEOかっこいい  20点
・笑顔がステキ   20点
・タメ口でもええやん 5点
75点