脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】hitomi / LOVE2020 [2019]


こんなハズじゃなかった20年。


愛はどこからやってくるのでしょう?

パパやママに聞いても教えてくれない(教えない)!


という事でトゥインクルも教えてくれない場合は
自分の胸に問いかけるしかなかったんですね。


気付けばもう2010年代もあと5ヵ月!
ヤバイね。2010年代、俺何してたっけ。
ふとん圧縮袋とかでギュッとしたら3年くらいの密度かも。ヤバイ。

そんな2020年代を目前としたこの時に、
あの『LOVE2000』でお馴染みのhitomiさんが
『LOVE2020』とかいう現実を叩きつける曲を発表してきました。
くふぅ、きっつぅ。曲に年数入れるのヤメろ。ダメージが辛い。


というわけで久しぶりに聴いたhitomiさんです。
俺が中高生の頃は大人気のアーティストで俺もベスト買ってたなぁ。

出産後は色々あったようで大きな活動もされてなかったようだけど、
つい先日、俺らの世代には懐かしのヒット曲『LOVE2000』の
セルフリメイクとなる『LOVE2020』が公開された。


…え、もしかして『LOVE2000』をご存知ない?
もしかして『マジLOVE2000%』と勘違いされてる?

そう、これも時代なのである。
あれからもう20年も経過しているんだもの…

…と思ったけど、よくよく考えたら今2019年なわけで、
なぜ今このタイミングでLOVE”2020”を出してきた??
来年の方が良かったのでは??来年オリンピックイヤーだし!


そう、原曲となる『LOVE2000』と言えば
2000年のシドニー五輪の女子マラソンで金メダルを獲得した
高橋尚子選手が試合前に聴いていた曲として有名だった。

19年前の2000年6月に発売されロングヒットを記録。
hitomiの代表曲となったパワフルなポップチューンである。



ちなみにこの曲がリリースされた同年、2000年の1月1日には
安室ちゃんも『LOVE 2000』という曲(読み方も曲も違うけど)を
リリースしており、タイトル的にはhitomiの後出し感があった。

しかしこのhitomiの『LOVE 2000』は
野球や陸上などスポーツシーンにおいて今や定番の曲となっており、
その強力なサビのメロディのキャッチーさと
「愛はどこからやってくるのでしょう」のパンチ力は
J-POPのスタンダードと言ってもいいくらいの完成度である。


…しかし言っちゃあなんだけど
ギターリフはモロにディープパープルのスピキンだよねとは思う。



まぁそれはさておき、やっぱりこの曲は
ちゃんと20周年となる来年のオリンピックイヤーに合わせて
リリースした方が良かったのでは?とか思っちゃうんですよねぇ。


そんなフライングゲット気味に2020年を先取りした『LOVE 2020』。
原曲の主要部分はそのままだけど、かなりのアレンジが施されていて
ディープパープル加減もかなり緩和された状態になっている。

またMVはなかなか面白くてhitomiが色んな時代にタイムスリップする
クロノトリガーシステムで、その時代のコスチュームに変装して歌う。

「LOVE 1970」「LOVE 1960」「LOVE1950」と遡ったかと思えば
いきなり「LOVE 9000」とかいうぶっとびーな未来で歌ったり、
その次は「LOVE -10000」と紀元前になったりする。

後は「LOVE 800」の平安時代や「LOVE 1650」の江戸時代といった
時代も登場し、hitomiの七変化を楽しむ事が出来る内容だ。
ガキの使いの七変化とかにも出たらいいんじゃないかな。


そして原曲と大きく変わった部分と言えばやっぱり歌詞でしょう。
あれから約20年経過したわけで歌詞の内容には大幅な変化があった。

悲しいNEWSとどうでもいい話朝からもうそんなのうんざりで
今日はいつもよりも風が気持ちイイからネ楽しさに着替えてネ

 となっていた原曲の部分。

若さを謳歌しようという無邪気さが感じられていた歌詞だが

優等生じゃなくても いいね!が少なくても
自分で生きる強さ見つけたい
世間体気にしてる テレビのコメンテーター
心とのギャップひた隠してる

と2020verではやや達観したような目線に変化している。

これはhitomi自身の心境の変化も勿論あるんだろうけど、
20年経って変わった世の中の空気も吸い込んだ内容に思える。


他にも

こんなハズじゃなかった とんだオトギ話
なぞなぞみたいな 愛す事の意味は
運命だけじゃなくて センチメンタルでもなくて
強く見えないモノかナ

2000verのこの部分は

こんなハズじゃなかった とんだ笑い話
なぞなぞみたいな 愛す事の意味は
いまだにわからなくて でも目の前にあるって
信じたらいつか辿り着けるかナ

 2020verではこう変わっている。

かつて夢見ていたオトギ話は今じゃ笑い話になってて、
でも愛する意味は結局は未だに分かってなくて
いつかは分かる?という疑問だけがずっと横たわっている。

ここは20年経っても変わっていない部分とも言えるのかもしれない。


そして注目はやっぱりラストサビの

愛はどこからやってくるのでしょう 自分の胸に問いかけた
食べてみなくちゃ分からない事 出会いの引力はどれほどか
愛はどこからやってくるのでしょう 自分の胸に問いかけた
ニセモノなんか興味はないワ ホンモノだけ見つけたい
あなたをずっと探してた

愛はどこからやってくるのでしょう 自分の胸に問いかけた
食べてみたらマズかった事でも 私の強さに変わってた
愛はどこからやってくるのでしょう 自分の胸に問いかけた
ニセモノだって愛せたなら ホンモノより輝きだす
ホントの私探してた

 に変化しているトコ。

かつては「ホンモノ」ってヤツを求めるために色々やっていた。
だから「ニセモノ」だったと気づいたら切り捨てていた。
ホンモノである「あなたという存在」をひたすら探していた。

だけど色々やってきた中で「ニセモノ」だと最初は思っていた事でも
気付けば自分の中の見方が変わってホンモノみたいに輝き始めた。
そういう経験の中で「自分という存在」が形成されてきた。

整理するとこんな感じだろうか。
無邪気で無鉄砲で他人に求めてばっかりだった日々が
20年という時を経て自分と向き合うようになったという事なんかな。


俺も20年前はそれはまぁクソみたいなガキだったし、
つーか今でも十分にクソみたいなガキなんだけどさ、
でも当時に比べたら多少は懐の大きさもサイズアップしたとは思うよ。

変わってない部分もあるけど変わらざるを得ない部分もあって
20年って本当に長い歳月だったよなと振り返っているわけです。
そして色んな黒歴史も思い出してああああああとなるわけです。
こんなハズじゃなかったのに…俺の20年間。

だから皆さんもこの曲を聴いて、
単純に「懐かしい~」と思うだけではなく20年前の自分を振り返り
今の自分と向き合ってああああああとなってみてはいかがでしょう。

そうすればきっと強くなれる。そんな気がします。

hitomiさん、有難う。
愛はどこからやってくるのか、
またLOVE 2040辺りで回答をお聞かせ下さいませ。


【採点】
・J-POPの定番曲   40点
・約20年の変化   20点
・hitomiさんの七変化   7点
・教えて…!hitomiさん☆ 1点
68点