脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Fontaines D.C. / Dogrel [2019]


揺り戻せロックンロール!

Dogrel Dogrel
Fontaines D.C.

曲名リスト
1. Big
2. Sha Sha Sha
3. Too Real
4. Television Screen
5. Hurricane Laughter
6. Roy's Tune
7. The Lotts
8. Chequeless Reckless
9. Liberty Belle
10. Boys In The Better Land
11. Dublin City Sky

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抗がん剤治療もあと40日くらいになりました。
しかし最近かなりキツクなってきまして…
体力も大分消耗しててあまり音楽を聴く気になれない今日この頃。

…もしかして…このまま俺はついに脱ロックしてしまうのか…??


俺は今そんな人生の分岐点に立たされているとも言えるわけだが、
現在行っている抗がん剤治療には休薬期間というものが存在する。
基本的に毎日薬を服薬しているわけだが、4週間服薬したら
1週間はお休みというサイクルで治療をしているのだ。

しんどい治療期間の中でもこの1週間は
言わばオアシスのような期間であり、
音楽、特にロックを摂取する絶好の機会でもある。

だから俺はその貴重な休薬期間によって、
なんとか脱ロックを免れている状況にある。
ありがとう休薬期間。あと1か月ちょっと、治療を頑張りたい。


さて、そんなロックな期間に何を聴いていたかと言うとコレだ。
Fontaines D.C.。アイルランドはダブリン出身のロックバンド。
彼らが今年発売したアルバム『Dogrel』は、
今年発表された洋楽作品の中でも特に熱い視線を送られている。



そう、洋楽だ!
みんな洋楽興味ないよね!知ってる
あいみょんとヒゲダンでお腹一杯だもんね!

…知るか!喰え!もっと喰え!ロックをもっと喰えっつってんだよぉ!


…まぁでも俺も昔はもっと洋楽をブログで取り上げてたと思うもん。
でも最近は思い出したかのように書く程度になっちった。
特にロックなんざ今やジジイの音楽になっちったし、
今ならLana Del Reyとか紹介した方がオシャレなんだろうけど…。


でもこのFontaines D.C.は久々にロック魂に火を点けるバンドだったの。
上記の『Big』聴いた?アルバムの一発目からこのインパクトよ。
ギャリギャリと荒々しいバンドサウンドに絡む自由奔放なボーカル。
そしてMVに出てくる謎の少年。誰だコイツ。人気Youtuber?


そして3曲目『Too Real 』はこんな感じ。



待って。MVでやってる事がなんかマジでYoutuberなんですけど。

しかも目にピンポン玉はめる芸とか
4歳のウチの娘ですらそろそろやりそうなレベル。
あと瓶でギター弾くとかホントにYoutuberっぽいんですが。
曲を本気で聴かせる気あんのか彼らは。


しかしそんなMVにもめげずにちゃんと曲を聴くと、
彼らのカッコ良さがお分かり戴けるのではないかと思う。
コレは間違いない。やっときたぞロックバンドの4番バッター。
レビューが遅くなったくらいだ。ごめんね。

ちなみにMVでは分かりにくいけど、彼らは5人編成のバンドだ。
ギターが2人。グイグイくるギター感はこの編成がなせる技か。


さてこのFontaines D.C.、アイルランドのバンドという事だが、
洋楽と言えばどうしても英か米みたいな感覚が強くなってしまうので
アイルランド出身というだけで珍しく思えるかもしれんけど、
良く考えたらU2やMy Bloody Valentineといったバンドを輩出してるし
実はアイルランドって凄い国なんだぜ。ビバアイルランド。

しかし読み方は「フォンテーヌズディーシー」なんかね。
fontaineは直訳すると「噴水」なんだけど、
バンド名の由来としてはイマイチピンと来ないので
GoogleでFontainesを調べてみる。

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Fontaines検索結果


ちょ、てめぇフランスじゃねーか!

ビバアイルランドとか言って損したわ。このおフランス野郎め。
ちなみに『Dogrel』の意味は良く分からんですハイ。


しかしこのFontaines D.C.、今回がデビュー作とは言え
数年前から音源は色々と発表していたようで
アルバムリリース前から海外では既にかなり注目されていたっぽい。

そして実際、今作は海外の音楽メディアからもかなりの好感触で、
おそらく年間ベストランキングでも上位に入ってくる事が予想される。
ロックが下火だった最近の洋楽の中でも、
こいつぁとんでもないバンドが出てきたって感じだ。


この『Hurricane Laughter』とか、めちゃクールやで。



このギターのグルーヴ感!うねりがこんなに気持ちイイなんて!
突き放したようにまくしたてるようなボーカルもクセになる曲だ。


洋楽のロックバンド自体はね、
昨年のベストアルバムとも言える作品を出したThe 1975だったり、
今年はVampire Weekendの新作だったりと別に不作では無いんだけど
こういうガレージロック、ポストパンク的バンドは久しぶりだった。

…いや、正確には去年もIdlesとかいたんだけど、
この路線でここまでハネたバンドは本当に珍しいというべきか。

音楽って時代を追っていくとちょくちょく揺り戻しがあったりして
それが面白かったりするんだけど、彼らFontaines D.C.からは
2000年代に一世を風靡したストロークスやアクモンのような
懐かしきガレージロックンロールの息吹に近いものを感じる。

音楽シーンも飽和してきたなーとか思ってるとこういう風に
息を吹き返すジャンルがあるんだからある意味良く出来てるよね。
最近の邦楽が90年代J-POP感あるのもそんな揺り戻しなのかも。




この『Boys In The Better Land』の爽快感も凄い。
トーキングボーカル、ここに極まれりって感じのカッコ良さだ。
テロップががんがん張り付けられていくスタイルには
またYoutuberかよってツッコミたくなるけど。てかもうYoutuberだな。


ただね、彼らに最もツッコミたいのはですね、
何故に無駄に文字の間にスペースを入れるのかって事なんですよ。

ジャケット見て貰ったら分かると思うけど
彼らね、単語の変な位置にスペース入れるクセがあるんですわ。
それが彼らなりのブランディングでありデザインなんでしょうけど…

これ、CDの背面なんだけど

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CD背面


いやいやデザインとかアートとか言う前に、ただただ読み辛いわ。

今後もこのスタイルで行くのか?そこがちょっと気になるところです。


というわけで今年アツい洋楽の一つ、Fontaines D.C.。
再びロック魂を燃やすにはうってつけのバンドで御座います。
まだまだ脱ロックなんかできませんね。皆でロック沼に浸かってよう。

あと今年はね、大物はリリースが少ない年だなって思ってたけど
(The 1975も今年って言ってたのに結局来年に出すみたいだし…)
新人のデビューアルバムが熱かったりするんだよね。


…そうだね、ロンドンのあのバンドのあのデビュー作とかね…。

洋楽の記事とかきっと誰も読んでないだろうけど、
近いうちに彼らのアルバムについても書きたいなと思います。

…体調が良ければw


【採点】
・2019年要注目バンド 50点
・ビバアイルランド  30点
・YoutuberっぽいMV  5点
・文 字 間 あ け る な -3点
82点