脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

2021年、インテリへの逆襲が始まる。

ロジカルの死、そして表現格差の時代へ。


早いもので今年ももう12月です。ぴえん。

www.sakigake.jp


年の瀬という事で皆さん、今年の締めくくり的なムードに入っていきそうな感じですかね。

ちなみに俺今年は特に締めくくれるほどの何かが特に無かった年だったんですけどね、
まー療養中だったというのはデカいですが…
でもまだあと一か月ある!!あと一か月…何かやってやる…!!
とりあえず積み本が20冊くらいあるのをなんとかする。もういっそメルカリする


さてさて、今年はコロナでみんなの意識も生活もガラリと変わった年だったし
日本の首相が久しぶりの交代、そしてアメリカ大統領選などのトピックもありました。
これから年末に向けてそんな振り返りを色んな方やメディアがされるんでしょうけど、
ちょっと個人的に気になった話があるんで、少しここに書いておきたいと思いまして。


発端はこちらの問題。「ロジハラ」っす。

news.livedoor.com


情報ツウと自宅内でもウワサの俺ですが、
この前初めて知ったんだよねこの「ロジハラ」という言葉。

早い話「なんでも正論を振りかざすっ!えいっ!」のがロジハラだそうで、
んでこれに対して乙武さんは「こんなものがまかり通ったら
すべてに感情が優先される歪んだ社会になってしまう」とコメント。

うん、確かにそうなんだ。俺も理系出身だから好きですよロジハラ
ロジハラちゅきちゅき!ああ今日も誰かに(自宅内で)ロジハラかましたい!!

しかし「ロジカルシンキング大事~!」なんてワード、
おそらくそこら辺に溢れるビジネス本でそれはそれはもう何度何度も触れられまくり、
おさわりし放題の無法地帯みたいなワードのはずで、
ある意味ロジカルに考える事って現代における絶対正義みたいになってるわけですよ。

だから「ロジハラの何が問題なんだ!」というのはヒジョーに良く分かる。
わかりみが深い。それが現代における正義だからだ。
カワイイとイケメンとロジハラは正義。悲しいかなこれが現代。


…しかし「ロジカル=正しくない」未来ってのがこれから先ありえるんじゃないか、
なんだかモヤっとするかもしれんがそんな気がするんだよねって話です。


確かに今はロジカルな事が正しいという認識を皆が共有されているし、
その現代に生きている我々には到底想像できないんだけど
でもその「正しさ」は果たして未来永劫不変なものなんだろうか、とね。

武闘派から頭脳派へと変わった時代。


ちょっと強引であるがロジカル=インテリとして進めたい。

なんでやねん!と思うかもしれんが、理由はあります。
俺がパッと思いつくロジカルな人ってやっぱインテリなんよね。
そして俺がインテリが嫌いだからね、攻撃しやすいの。それだけ。以上。


長い歴史の間、人間という種族は「力があるもの」が優位だった。
単純に言えばパワーだ。攻撃力。攻撃に極振りしたステータスをもつ者が強い社会。

そりゃ哲学者とか一部の特別な例外はあるものの、
基本的に人類の大多数は頭脳よりも武力・戦闘力を持つ者が強者。
サイヤ人的な価値観。武力衝突が当たり前の世の中では戦闘力の差が格差でもあった。

ただ大きな戦争等を経て、近現代では徐々に人間の能力は頭脳へとシフトしてきた。
今の我々はそんな頭脳・インテリこそが持ち上げられる社会に生きている。
これまたスポーツ選手などの例外はあるが概ね「インテリ度」って奴が物差しの社会だ。


そしてこれを正しい事、良い事だと思い込んでしまう事、
実はそれが現代的価値観にどっぷり浸かっているという事の裏返しでもある。

確かに生まれつき病弱だけど頭を使う事なら出来るという人間にとっては、
現代の方が間違いなく生きやすいであろう。
しかし、頭を使う事は苦手だが体が強く運動能力が高い人間
間違いなく昔の方が社会的に認められやすかったハズなのだ。

これはシンプルに生まれる時代が違ったせいで
活躍できる機会に不平等が生まれてしまうという例である。

まーこれは当たり前で分かりやすい話だ。
この大インテリ時代に「○○大学!?おお~すごいね~」なんて持て囃される人間も、
戦国時代の合戦場に放り出されれば戦力外まっしぐら窓際族なのは当然だ。
ああ~世の中のインテリ、みんな戦国時代送りにしてぇ~。


勿論、頭脳で張り合う方が武力で争うより血が流れなくて済むし、
インテリじゃなくても色んな場面で色んな能力の人が活躍できるように
徐々に社会もアップデートされてはきているのでそこは否定しない。
俺はポルポトじゃねーしましてや戦国時代に戻りたいなんて事も全く思っていない。

ただ「世の中で評価される要素は変わりうる」という話だ。
現実、パワー系よりインテリ系が重要視される社会へと移ってきた事実があるわけで、
そしてこれが絶対的に不変で完璧な社会だなんて事もあり得ない。
インテリが地に落ちる時が来るかもしれないのだ。ふははは!みてみた~い!

と思うと「ロジハラ」という言葉が自然になる社会も十分に考えられるよねってわけ。
「ロジカルシンキング」とかマジ非常識だからやめてくんな~い?みたいな。
何が優先されるかなんてその時の人類の物差しでしか測れないのだから。

アメリカ大統領選挙とインテリ


さて、先日の大統領選、無事にインテリ層が支持したバイデン氏が勝ちました。

www.businessinsider.jp


トランプが勝つかも!?と思ってたけどそんな事は無かったなー。
ちなみに僅差でトランプが勝つと賭けてた俺は負けたので、
罰として素直に髪を切りにいきました(※ただの散髪)。

ちなみに別に俺はトランプ支持者ではないし、
アメリカ国民だったら間違いなくバイデン側に投票していた。
ただバイデンよりサンダースの方が良かったかな…と思うの。


しかし前回のアメリカ大統領選挙を思い出してほしい。
あれだけの下馬評を覆してトランプが勝利したあの選挙。
あれはね、俺はアメリア国民のインテリ社会への反発だと思ったんですよね。


インテリというのは素晴らしい事をおっしゃいます。
環境を保護しよう人権を大事にしよう差別をなくそう。
確かにそうでしょう。それが実現すればきっと美しい世界になるでしょう。

ただ当時のアメリカ国民は、その前にまず自分の生活をなんとかしたかった

インテリってね、やっぱりなんだかんだで恵まれた環境にいるんですよ。
だから人類だの世界だの未来の事を考えられるしそんな余裕がある。

「そんな事ない!私も余裕がないんです!」なんて本当ですか??
マジのマジですぐ先の未来でもどうやって暮らそうか困ってる人達はね、
環境だの差別だのなんて考える余裕ないんですよ。分かってんのか??

それでいてインテリのムカつくところはね、
自分の意見こそが高尚だと疑わない事ですよ。傲慢。
話が通じない相手がいたら「相手の理解力が無い」「もっと勉強しなさい」
みたいな事を平気で言い出す。軽めに言ってヤヴァイ。

あとインテリは総じて面白くない。
なんかオタク的な流行りに乗っかろうとしても理解が浅くて滑ってる。
痛々しい。インテリのやる事なんて所詮は想像性も意外性もないワンパターン。


あ、やべwインテリへの悪口が止まらないww
誰か止めてw胸がw胸がw苦しくなるww




まぁつまりね、
結局そんな反インテリ勢の逆襲が前回のアメリカ大統領選挙だったと思うわけで。

で、今度もそんな感じかなと思ったりもしたけど
それよりも反トランプが強すぎてさすがにバイデンが勝ちました。
アメリカは無事インテリ国家に。おめでとう。頑張れアメリカ。

ただメディアがね「隠れトランプ支持者」とか言い出したのには正直驚き。
つーかそういう言い方がもうマジインテリ。
民主主義ですよ!?トランプだって堂々とを支持していいでしょうに。
そういうトランプ支持が恥ずかしい空気にしちゃう辺りがインテリのヤヴァさ。

どうです?インテリの皆さん、自覚ありますか??

力でも頭でもない格差が生まれようとしている


そんなわけで「頭の良さ」「インテリ」「ロジカルシンキング」などなど
いかにも現代的な武器に課金して左脳に極振りした人間ばかりが量産される時代ですが、
そろそろ次の波が来るんじゃないんですかね。反インテリ軍の逆襲が。

世の中で支持される要素としてざっくりと
パワー系⇒インテリ系とメタが回ってきた感じですが…

次は「表現系」。

やっぱりこれなんじゃないでしょうか。感情系とかアート系とかでもいいや。
つまりパワーでも頭脳でもない要素です。


SNSなんかで良くあるでしょう?
普通の会話じゃ全然共感を得ない話なのに
全く同じ内容を漫画にしてアップしてみたらまさかの大反響!!みたいな。

ロジカルに考えるとおかしなことなんですよ。
冷静に漫画の筋書きだけを追ってみたらなんて事ないありきたりな話なのに、
それが漫画という表現手法に置き換わっただけでなんだかとても良く見える


つまりこれはロジカルには説明できない、
いや正確にはロジカルにすると途端につまらなくなってしまうナニカなんです。

これは特に斬新というわけではなく、
音楽なんかはずっと昔からやってきた手法で、
つまりは「すっごい手間をかけた婉曲表現」とも言える。

怒られるかもしれないけど、音楽ってそういうすっごい婉曲表現の賜物なんだよな。

ロジカルで効率的に済ませれば「君が好き」というたった5文字を、
延々とだらだらと1曲5分以上かけて説明するというあまりに回りくどい表現。
それが音楽。でもそれがすっごい魅力的で共感を得るから面白いんだよ。




そう、これから先の時代は、伝えたい事があるならば
ロジカルに正しいことを言っていればいつか誰かに伝わるなんてヌルいもんじゃない。
表現が上手かったものが勝つ。これだ。インテリは死す。アートは生きろ。


こんな話がまかり通るとまた不平等だとかいう声が上がるだろう。

しかしそれはすでにこれまで説明してきた通り。
人類の歴史では「体力があるもの」が優位に立つ時代もあったし
「頭が良いもの」が優位に立つ時代もあった。後者は今も尚続いている。
そしてそれらは本当に平等と言えたのか??

「勉強は努力で補えるから平等!」
なるほど、確かに体つきや容姿、アートの才能などに比較すれば
勉強したものが報われる社会は幾分かマシかもしれない。
しかしどうしても勉強に向かない子どもについてはやはり不遇と言わざるを得ない。

そしてそもそも勉強の意義とは何でしょう。

俺は最近「なんで勉強しなきゃいけないの?」という哲学的な問いについて
「自分なりの表現方法を身に着けるため」だという答えを用意している。
どーだ、かっこいいでしょ!

国語を勉強するのは「文字を使って何かを伝えるようになるため」
数学を勉強するのは「数字やデータを正しく扱えるようになるため」
図工や音楽はもちろん、体育(スポーツ)だって広い意味では
「自分を表現するため」と言えるのではないか。

つまりは勉強する事とは「自分の考えを誰かに伝えるスキルを身につける」事である。

学校で勉強する事は一問一答の正解を覚えて試験で良い点を取る事ではない。
あらゆる教科をゆくゆくは「自分を表現する武器」となるように自分にインストールし
使いこなせるようになっていくことだろう。その延長上に成績があるのだ。

なんだかすっごい真面目な話になった(てか前も同じような事言った??)が、
とにかくこれから到来する表現の時代への対応って必須レベルな気がする。


そしてその表現力がそのまま格差へと繋がっていく…。
…それはディストピア?ユートピア?どっちかな?

表現しないと気づいてもらえないかもしれない時代を生きる。


コロナでみんなが苦しんでいる中、ふと思う事があった。
「これ、声をあげなきゃ気づいてもらえない人が結構いるんだろうな」と。

聞こえは悪いがある意味「アピール合戦」なのである。


「私も苦しい!」「こっちだって苦しい!」「いやいや俺のところが苦しい!」
…しかしそんな月並みな言葉で共感を集めるのは至難の業。

勿論、どうしても状況を伝えることができない人たちだっているだろうし
彼らも救わなきゃいけないし、それは行政がちゃんとしなければいけない事だ。
しかし今回のコロナは前例もない緊急事態。
行政だってパンク状態で残念ながら手の届かない箇所も出てきてしまうだろう。


ところがここで苦しい現状を綴った渾身の一曲をyoutubeに投稿しバズったとしよう。

ロジカル的にはただ「苦しい」という事を歌っただけの音楽かもしれない。
しかし一気に世間の注目度は上がり、共感する人が増え、
中には手を差し伸べてくれる人が出てくるかもしれない。
もし政治家の目に止まったりすれば何か法整備的な動きがあるかもしれない。

「得意な表現方法を持っている」事がつまりは強みとなる。
あるいは自分の状況を誰かそういう表現が得意な人が代弁して表現してくれる、
というルートでもいいかもしれない。いずれにしても声のあげ方がポイントなのだ。


ずるい??理不尽???

そうかもしれん。

でもインテリ共だってそうやってきたじゃないか。
勉強できないヤツに「もっと勉強しろ」だの見下してこなかったか??
表現が出来ないなら「もっと表現しろ」と言われるだけだ。簡単でしょ?
頑張ってアピールすればいい。「助けて下さいぃぃぃぃ」ってな!!


…おっといっけね。口が悪くなってしまった。

とにかくこれはインテリへの表現者からの逆襲なのだ。

これは… 攻撃でもなく 宣戦布告でもなく、お前達への ――――――"逆襲" だ。 

ロジカルじゃない?大いに結構。
ロジカルだから何?ぜんっぜん面白くないんだけど。

正しいかどうかはロジックで決まるんじゃない。
これからは表現が上手かった者が勝者なの。


…そんな時代がもうそこまで来てる!!!





…まぁただ逆に言うとつまらん表現者は滅びるという事かもしれない。


やべぇ。俺、もっと面白くならなきゃ。


何事にも表現が求められる時代。悪い時代じゃないと思うね。
むしろ今までお堅いものだった色んな事が豊かになるんじゃないかな。
もちろん、うまく表現できない人を救うセーフティネットとして
政治と行政が受け皿を今まで通りに敷くことは前提でしょうけど。


来年からはきっともっと表現力が武器になる時代の到来!

そんな事を考えた2020年でした。

しかしまだあと一か月、俺も何かを表現し続けよう。

※ちなみに冒頭の勝間和代のロジカル料理は良いと思います(本買いました)