脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】スピラ・スピカ / ナガレボシトレイン [2022]

カワイイ子にはうたのおねえさんをさせよ。

 

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新型コロナに罹って苦しんでいるときに脳内で流れた曲たち


一緒に戦ってくれた音楽に感謝。


ご無沙汰しておりました。
どーも、月曜日のでぶぶです。
太ってるけど身長も170cm超えているので人権は一応あります。


えータイトル通りなんですが、しばらく前に新型コロナになりました


娘が保育園から貰ってきて、そしてそのまま家族4人全員感染。
ワクチン2回目を打って半年くらい経過してそろそろ効果が切れそうだからと、3回目を予約した矢先にかかりました。/(^o^)\ナンテコッタイ

でももう今の状況は誰が罹ってもおかしくないんでね、誰かのせいにしても始まらないし。ただ、家族の中で俺が一番酷くて数日間高熱で寝込んだんですよ。それは本当に辛かった。

ちなみに子ども2人は陽性なのに全然大した事なく自宅療養期間中もずっと遊んでました。元気なのはとてもよろしい事なんだけどね。ただお父ちゃんの上に乗ってこないでね。


まぁそんなこんなでまる二週間くらい家族全員でずっと自宅で過ごして、支援物資やら近所の人が持ってきてくれたもので食い繋いでうまい事乗り切ったわけです。

で、その間に仕事やら何やら溜まりまくりで予定なんかも全部ずれ込んでちゃんと通常運転に復帰するまでが大変だったんですが、そこもなんとか落ち着いてきて最近やっとふぃーって一息ついて、聴きたかった新作アルバムを色々サーチ中。


しかし自宅療養とは言え本当にキツかった…。初日の夜とか手足が痺れて口の感覚とかもなくなってて「あ、これもしかして後遺症なるかも」と覚悟してたもん。とにかくその時は良くなる想像すら出来なくてただただ必死に呼吸をする他に無かった。もうあんな思いは二度と御免である。

ここ最近はもうウクライナの悲しいニュースとかが流れてきてたけどさ、いやゴメン俺もマジしんどいから俺にもなんか支援をくれと思っていた。
あ?なんか文句あっか?いーだろ別に。俺だって必死に生きてんだよ。ウクライナも俺もみんな頑張ってるんだよ。つーかみんなウクライナの話題で持ち切りすぎなんだよ。シリアとかイエメンとかもしっかり気にしろ。

おっと、下手にこの辺の話をすると面倒になりそうだからやめとこう。ちなみに俺ウクライナに寄付してるからな。だからみんな俺の事ももっと気遣ってくれ。大変だったねと言ってくれ。そして美味しいものをよこせ。めっちゃうまい肉とか食いてぇ。


そんな大変な状況だったわけだが、布団でぐったりする俺の中で何故か流れていた音楽たちがあった。

まともに動けず思考も出来ない状態。でも脳内では音楽が鳴り響いていた。苦しい時にもなんとか気持ちを維持してくれるのはやはり音楽だ。誰しも自分の好きなメロディーが頭の中で鳴りやまないという経験があるだろう。意図しているわけでもない、理由もわからない、でも確実に我々の精神のどこかで音楽の力が作用している。

というわけで今日は俺がコロナで苦しんでいる時に何故か頭の中で流れていた曲たちを紹介する。別にフェイバリットな曲というわけではない。なのに俺の脳内のアルゴリズムは何らかの要素をトリガーとしてこれらの曲を導き出したわけだ。そこが音楽の面白いところである。



①池田智子 × TENDRE / 水星 × 今夜はブギー・バック nice vocal

www.youtube.comこれはまぁ直前に俺がずっと聴いていたってのが大きな要因なんだろうけど。
1990年代サブカルと2010年代サブカルの重要曲ががっちゃんこされたサブカル兵器。今夜はブギーバックのダウナー加減と水星のみずみずしさが良い感じにミックスされてて一粒で二度おいしい。


②サカナクション / ショック!

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これも完全にちょっと前にヘビロテしてた曲だから流れたんだろうな。
なんだ…俺のニューロンってめちゃ単純じゃん…。ただ自分でもコロナになった事がやっぱり「ショック」だったんだろうなって…。ちなみにこの曲が収録されたサカナクションの新作アルバムはまだ聴いてないのでそろそろ聴こう。


③Jeff Buckley / Hallelujah

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30歳の若さで亡くなった、天使の歌声と称されたジェフ・バックリィの代表曲。彼の唯一のアルバム『Grace』に収録されたレナード・コーエンのカバー曲で、そのボーカルには打ち震えるような感動を覚える。この曲に関してはなぜ流れたのか良く分からないんだが、その神々しさが苦しむ俺に安らぎを与えてくれていたのかもしれない。


④Arcade Fire / Wake Up

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俺の葬式で流して欲しいと遺言に書く予定のアルバム『funeral』収録、アーケード・ファイアの人気曲。こちらも厳かで神秘的な響きのある綺麗な曲で、癒しを与えてくれるだろうという意味で俺の脳味噌が選んだのかもしれない。確かアーケード・ファイアは今年久々に新作が出ると聞いているので楽しみだ。


⑤Sade / Smooth Operator

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寡作ながら出せば大ヒットを飛ばすSADE。いつもバンド名なのかプロジェクト名なのか個人名なのか分からなくなって、都度検索してはまた忘れてしまうので申し訳ない。
バンド名だそうです。多分、保健所のオペレーターの人と何度も電話で話しててそれでふとこの曲が過ったんだと思う。保健所の人は本当にお疲れ様です。


⑥My Lucky Day / Sunny day Highway

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これは正直かなりマイナーだと思うだんだけど、最近知って聴いてたんだよね。九州は熊本を拠点とするバンドで、女性ボーカルの透明感のある声とノイジーなのに爽やかなギターがとても印象的なMy Lucky Day。全身を包み込むようなピュア感がたまらん。ちょっと体調に回復の兆しが見えた頃に流れていた気がする。


⑦Vaundy / 裸の勇者

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あーこれはもう俺が今年ハマって聴いていたから完全にそれですわー。Vaundyも前から気になってちょくちょく聴いてたんだけど、この曲は個人的には最高傑作だと思ってる。アニメ『王様ランキング』のOPで、曲の構成・展開・ボーカルの繊細さ・サビの熱さ・あらゆるピースがばっちりハマりまくっている今年イチオシ曲。


⑧The Verve / Bitter Sweet Symphony

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ラストはコレ。90年代の洋楽を通った人がこぞって聴いてたコレですコレ。この曲も回復期に鳴っていたなあ。空気としてはキモチイ朝の陽ざしが差してくるような、なんだか掃除をしたくなるようなそんな音楽だが、「倒れた事はある?」という歌詞のリフレインで「はい!ありまぁす!」と即答したくなってくるのである。



というわけで半端だけど以上8曲、なんの参考にもならないだろうけど俺のコロナ療養中に脳内再生された曲たちでした。マジでなんなんだこのリスト。
まーもしコロナ療養中に何か音楽流したいけど何をチョイスしたら良いか分からないと言う人がいたら参考にしてもいいかもしれませんね。


ちなみにコロナ復活後にはラブライブ!ニジガク2期のランジュちゃんの曲が最強にカッコよくてハマってました。

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日本語・英語・中国語がスタイリッシュにキマったEDM、こんなアプローチがあったなんて脱帽につぐ脱帽ですよ。体調が元気になった方は是非こちらも聴いてみて下さいな。



てな感じでとにかくコロナは大変なので皆さんも気を付けて下さい(と言っても感染するときは感染しますマジで)。特に家族の誰かがなったらもう家庭内感染は不可避です。あと想定以上に周りにも影響が及ぶし生活も制限されるし制度的にも縛りが厳しいのでかなり面倒です。ただ我が家は誰も重症化しなくて本当に良かったと思います。


そしてこれからまた色んな事を楽しんでいきたいと思いますね。
そういや前から欲しかったネックスピーカーも注文したので届くのが楽しみ。

また暫くの間はコロナの抗体も出来ているし、むしろこれから逆に楽しんでやろうくらいの気分でいこう。GWは久々に県外に出かけてやるぜー!


あ、支援物資もお待ちしていますので宜しくお願いします♪
千羽鶴は要らないです。


【Album】マカロニえんぴつ / ハッピーエンドへの期待は [2022]


ハッピーエンドへの期待はへの期待は

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MV史上最大の傑作 <後編>

おもしろフラッシュ倉庫<後編>

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前編からの続きです。

drr.hateblo.jp

 

<これまでのあらすじ>
数々の音楽ランキングネタも色んな方面に掘りつくされ、最早ネタ切れかと思われた音楽関連の話題に「名作ミュージック・ビデオ」とう鉱脈があった事に気付いた俺。しかしMVについては名曲や名盤程に語れる知識も材料も持ち合わせていなかったが故に、強引にまとめようとするも膨大な曲数に膨れ上がってしまった。絞り込めなくなった結果、ついに前後編という暴挙に打って出る。これまでにない物量をまとめる事になり途方にくれる俺。しかしこれまで音楽クラスタからマウントを取られ続ける善良な市民を救うべく数々の音楽企画を送り出してきた俺は、ここで心が折れるわけにはいかない。果たして無事にこの企画を完走させる事は出来るのか!?


前編を観て下さった方有り難う御座います。
俺のセンスでチョイスした有名な洋楽のMVをひたすら楽しんでいくだけのクリスマス暇つぶし特別企画の後編です。
今回は年末実家でゴロゴロして暇であろう皆さんのためにお送りしたいと思います。


……あのー、、まさかとは思いますが、前編の動画を全部クリックして再生した方います??

え??マジで?あれ全部観たの?うそ!?やっば!!マジごめーん!!

クリスマスの夜に2時間以上の貴重な時間を俺のブログなんかに費やして戴いてマジでごめんなさい。後悔してますよね、すみません。でもそれって自己責任なんで。ええ。え?だって暇だったんでしょ?そうですよね?つーかさ、こうやって動画選んで記事にしている俺の方がよっぽど時間かかってるんで。そこんとこ勘違いしないで戴きたいんですよね(逆ギレ)。


しかしミュージック・ビデオもこうやって並べていくと、良くある名曲や名盤ランキングとは違った顔ぶれが多くてこれはこれで面白いと思うんだよね。

だってそもそも音楽は音楽であって映像ではないからね。音楽は音楽以上でも以下でもない。言ってる意味分かる?分からんだろうな。俺も書いてて分からんもん。

えっとつまり、ミュージック・ビデオとしての評価ってやっぱりよくある音楽評論とは違った独自の文化がありそうだなっていうまあ当たり前の話なんだけど。


でも確かMVの始まりも実はビートルズだったりするんですよ。超人気で多忙だったビートルズが手早く音楽を届ける手段として始めたのがミュージック・ビデオだったというのが良く言われるMVの起源である。っぱビートルズすげーンだわ。

ただ、前編の最初で紹介したように、MVにこだわりや意味を付与する事により音楽とはまた別の「MV文化」を広げたという点ではクイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』がおそらく重要な起点だったんだろうと俺は思っている。有識者の意見は知らん。俺は思っている。

そしてMVの歴史という点ではやっぱり80年代のMTVブームはとてもデカくて、前編で観てきたように数々の80年代のMVから面白いモノが沢山でてきて、それが今に繋がっているんだなと思った。あと日本でも80年代に青春を送った人々は洋楽のMVを良く知っているし、当時MVが果たした役割はとても大きかった事が分かる。


そういや昔はMV(ミュージック・ビデオ)ではなくてPV(プロモーション・ビデオ)という言い方が一般的だったんだよね。ビデオってのは音楽をプロモーションするための存在だったからPVと呼ぶのは確かに自然だった。

でもそのビデオが徐々に存在感を強めていって、単なる音楽の販促用の映像以上の効果を持つようになってMVという言い方が一般的になっていったと俺は踏んでいる。有識者の意見は知らん。俺は踏んでいる。


でもそれくらいにMVは時代と共に進化してきたという事だ。

というわけで後編の30曲にいってみよう。

明日はいよいよ大晦日。けどそんなの関係ねぇ。
今年最後は紅白ではなく傑作MVを眺めながら年越しするのもアリだと思いません?

90年代以降、技術的にもどんどん進歩する中で次々と新しいアイディアや切り口が生まれていったMV文化。一体どのような歴史的MVが生まれていったのか。

前半を乗り切ったアナタなら大丈夫。またもや数時間続く事になるけれど、頑張ってクリックして再生し続けよう。

そうすればきっとアナタもMV通の仲間入り!というわけでさあいくぞ!

知っておくと役に立つかもしれない傑作MV60選 1996年~


31. The Smashing Pumpkins / Tonight, Tonight【1996】

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90年代に日本でも人気を博したバンド、スマパンと言えばこのMVをよく覚えているという方も多いのでは。MTVでも大々的にパワープレイされた幻想的でファンタジックなこの作品は数々の賞を受賞。1902年のサイレント映画『月世界旅行』にインスパイアされた世界観と美しいメロディがベストマッチ。収録アルバムもメガヒットを記録した。


32. Spice Girls / Wannabe【1996】

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これは曲自体のエネルギーも相当なものだが、やはりMVの魅力もスルー出来ない。カメラを止めるなばりのワンカットで撮影されたビデオは、寒い夜だったにも関わらず何度もリテイクされて夜通し撮影されたとか。その成果もあってMVは大注目を浴び、彼女たちの名は一躍世界中を席巻。ちなみにブラウンの乳首のせいで一部地域では放送禁止になったとか。


33. Jamiroquai / Virtual Insanity【1996】

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これもあまりにも有名なMV。日本でも人気のジャミロクワイの代表曲だ。トリッキーに動く床とジェイ・ケイ。床ではなく壁が動いているのだというネタばらしも、最早こすられまくっているレベルで有名。ちなみ曲は技術が行き過ぎた世界を皮肉った内容であり、凄い技術を使って撮影されたMVかと思わせておいて単純なカラクリだったというMVはそれを見事に表現している。


34. Missy Elliott / The Rain (Supa Dupa Fly)【1997】

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なんか最近物凄い再評価の波が来ている気がするミッシー・エリオット。彼女の衝撃的デビューシングルがこちらである。魚眼レンズに移りこむ黒いゴミ袋のような奇抜な衣装に身を包んだ彼女のインパクトは一度観たら忘れられない…。黒人女性ラッパーの活躍という点でも非常に大きな意味を持った一曲。


35. Radiohead / Paranoid Android【1997】

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洋楽好きにはお馴染み、レディオヘッドの代表曲の一つ。歴史的な名盤と名高い『OK Computer』の収録曲で全編がアニメーションで構成されている。やや過激な内容で観た事が無い人はギョッとするかもしれないが、人間の狂気を次々と描き出しながら場面転換していくシュールさがアルバムと共に多くの支持を集め、MTVでも大流行した。


36. Lauryn Hill / Doo-Wop (That Thing)【1998】

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こちらも再評価の波が来ているローリン・ヒル。画面を分割し1967年と1998年の2つの時をうまく融合して映しながら、それぞれの時代のカルチャーを詰め込んだMVが非常に話題を呼んだ。あと彼女は街全体がレコード化してぐるぐる回る『Everything Is Everything』のMVも面白いので気になった方は観てみて。


37. Blur / Coffee And TV【1999】

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とってもブラーらしいMVだと思うの。行方不明となった息子を探す家族のために牛乳パックが旅に出ていくというストーリー仕立て。とにかく牛乳パックがかわいいの。軽快な曲のリズムも雰囲気に良く合っていて、オチもとってもブラーらしいと思うの。特に日本人はこのMVが好きって言う人多い印象。


38. The Chemical Brothers / Let Forever Be【1999】

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90年代デジロックシーンで活躍したケミカルブラザーズの中でも特に有名なMV。とにかく映像としてシンプルに面白い。キンクスの『Everybody's a Star (Starmaker)』に触発されたというイメージをベースに、若い女性が悪い夢に悩まされる様子をサイケデリックに演出。多くのメディアで称賛を受けました。


39. Foo Fighters / Learn To Fly【1999】

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フー・ファイターズもいくつか面白いMVがあるんだけど、特に人気が高いのはこれでしょう。飛行機内で起こったトラブルを寸劇にした内容なんだけど、バンドのメンバーが出演していてしかもみんなが複数役を演じている。その力強いオルタナティブロックにコミカルな内容というギャップがクセになる。しれっとグラミーのMV賞を受賞している。


40. D’Angelo / Untitled (How Does It Feel)【2000】

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肉体美。最初から最後まで肉体美。ごちゃごちゃ言わずにディアンジェロのヌードグラビアを拝め、とまあそういうMVです。個人的にはこのMVがなぜこんなに評価が高いのかは良く分からんのだけど、やっぱり女性にはウケが良かった模様。曲の内容もまぁセクシーなヤツだしね。ディアンジェロの魅力を伝えるという意味では成功したMV。


41. Britney Spears / Oops! … I Did It Again【2000】

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ブリちゃんも派手でゴージャスで人気の高いMVがいくつもあるけど、彼女の人気を決定づけた2ndアルバムのリードトラックをピックアップ。火星に降り立った宇宙飛行士がそこで観た真っ赤なボディースーツのブリちゃんに見とれてしまうというお話だ。火星で歌いたいとかいうブリちゃんのわがままアイディアから始まった企画らしい。


42. Fatboy Slim ft. Bootsy Collins / Weapon of Choice【2000】

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またもやスパイク・ジョーンズ監督のMVの紹介です。ホテルのロビーで疲れて眠っていた俳優クリストファー・ウォーケンがいきなり目覚めて縦横無尽にダンスを踊り始め空中浮遊までかました後にまた元の位置に戻って眠りにつくというユニークな内容。ちなみにファットボーイスリムの『Praise You』のMVもスパイク・ジョーンズ監督(しかも本人出演)。


43. Robbie Williams / Rock DJ【2000】

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これもね…観る人を選ぶMVなんだよね。というか過激なので一部で放送禁止とされていたMV。ディスコの中で女性の目を引きたいあまりに服を脱ぎ始めるウィリアムズだけど、それがどんどんエスカレートして皮膚だの筋肉だのも脱ぎ始め最後はホネで踊り出すという4コマ漫画みたいな構成。まぁ所謂「死者と踊る」ってヤツなんですねハイ。


44. Johnny Cash / Hurt【2002】

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これは良いよね!すっごい胸にじーんと来る個人的にもお気に入りのMV。ナイン・インチ・ネイルズのカバー曲なんだけど原曲を超えたカバーとして超有名。老いてしまったキャッシュが自身の過去を(後悔混じりに)振り返りながら歌った姿があまりに切なく、そして彼はこの曲の翌年に亡くなってしまう。まさに彼のエピタフとなった一曲である。


45. Kylie Minogue / Come Into My World【2002】

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この曲も観たら忘れられないそのインパクトで覚えている人も多いハズ。場面がループしていくMVなんだけどループするたびに登場人物がコピー複製されていくという世にも奇妙なMVである。これ、なんとそれぞれ別撮りしたフィルムを重ね合わせて制作されたというから驚き。出現位置とかまで細かに調整してやったんだろうなと思うと気が遠くなる。


46. The White Stripes / Fell in Love With a Girl【2003】

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2000年代ロックシーンの代表格、ホワイトストライプスの一風変わったMV。バンドカラーの赤・白・黒を基調にしたレゴブロックのアニメーションで、観て分かる通り相当数のコマ数を使っていると思われる。当初バンドはレゴと契約できずに自腹で大量のブロックを買ったが、MVが評判になった途端レゴが連絡してきたらしく、ジャック・ホワイトは結局契約を拒否したらしい。


47. Outkast / Hey Ya!【2003】

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こちらも最近再注目されてそうな気がするアウトキャスト。彼らの代表曲の一つであり特に日本ではこの曲が人気だった気がする。アンドレ3000がMV内のバンドメンバー全員に扮してパフォーマンスしているのが特長。ビートルズ風の舞台セットなど、過去のカルチャーへのリスペクトもあって評価が高いMVとなっている。


48. Eric Prydz / Call on Me【2004】

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これはね…正直俺は全然評価してないんだけど有名なMVだからなぁ…。女性ばかりのエアロビクスに唯一参加した男性が女性を凝視するという今の時代なら確実なフェミ凸案件。しかもこれがオーストラリア史上最もダウンロードされたMVだというからさらにフェミ凸。しかもその人気に便乗したエアロビクスのDVDまで出たというから完全にフェミ凸。


49. The Black Eyed Peas / Don't Phunk With My Heart【2005】

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アメリカの大人気ヒップホップグループのヒット曲。ルーレットで決めた先で美女とデート出来るという設定のゲームショウなんだけど、いいタイミングで司会者からの妨害が入り誰もデートを成功できないまま最後は結局…??これも今思うとフェミ凸案件なんだろうなーと思うともう懐かしき時代のMVと言える。


50. Red Hot Chili Peppers / Dani California【2006】

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こいつは最初観た時「こりゃズルいなー」と思ったMV。レッチリ自身が傑作と謳ったアルバム『Stadium Arcadium』のリードトラック。メンバーたちがエルヴィスからニルヴァーナまで、ロックの歴史を彩ってきた数々のレジェンドバンドたちに変装しながら歌い継いでいくというなんかもう禁じ手みたいな豪華なMVで話題となった。


51. Beyoncé / Single Ladies (Put a Ring On It)【2008】

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ビヨンセもMVが良く注目されるアーティストだけど、曲の評価も非常に高く大ヒットしたこの曲がやっぱり重要。白黒で背景も無し、カメラワークもシンプルながら、いやむしろそれ故にビヨンセのずば抜けたパフォーマンスが最大限にまで極まったMV。凝りすぎたMVに対するカウンターでもあり、以降多くの人がこのMVを模倣するブームとなった。


52. OK Go / This Too Shall Pass【2010】

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OKGoもまたあっと驚くようなMVを制作する事で有名だ。というか彼らはもう曲よりMVで有名な気がする。こちらのMVは壮大なスケールのピタゴラスイッチャー。この大がかりなMVを制作する際に資金が足りなくなり、MV内に企業ロゴを入れてCM費として調達したというエピソードも。確かに凄いんだけど音楽がほぼ頭に入ってこない


53. Kanye West / Runaway【2010】

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2010年代の名盤と名高い『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』の軸と言える曲。映像にも強くこだわっていたカニエが短編映画のように力を入れて制作した大作MVであり高い評価を得ている。とてもファンタジックでロマンに溢れるお話なんだけど、ちゃんと観るなら上のMVではなく35分に渡るフルバージョンがあるのでそちらを観て欲しい。


54. PSY / Gangnam Style【2012】

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近年は音楽チャートの中にもYoutubeでの再生回数を加味するものが増えてきたが、そのきっかけは多分この『江南スタイル』だったんじゃないかと思ったりする。本来は韓国のソウルなどのエリート層に抵抗する江南の曲だったが、そのMVの面白さから色んな意味をすっとばして世界的な大ブームになったというyoutubeの事件とも言えるMV。


55. Sia / Chandelier【2014】

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これも当時非常に話題になった。寂しげな部屋の中、圧倒的な存在感を放ちながら踊る一人の少女。その神秘的な姿と時折見せる無邪気な表情は大きな反響を呼んだ。ちなみにアーティストのシーア自身は普段から頑なに素顔を見せないので、この少女マディーが彼女の分身としてMVに抜擢された。以降シーアとは幾度となく共同作業をしている。


56. Maroon 5 / Maps【2014】

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長期にわたる人気で活動を続けているマルーン5のヒット曲。緊迫した場面から始まり場面がどんどん時間を遡る形で描写されていき事の顛末が判明するMVである。これは同じようにストーリーが逆順に展開するフランスの映画『アレックス 』を参考にしているらしい。最終的なラストがバッドエンドなので正直後味は悪いんだけどね…。


57. coldplay / Up&Up【2015】

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これぞアイディア賞といったMVだ。世界的バンドのポジションにいるコールドプレイが描いた幻想的な世界。一つ一つの発想は子どもが思い描くような単純なものなんだけど、その子どもの想像力が持つ純粋性をそのままに見事な解像度で映像化したという点が本当に素晴らしい。こういった気持ちを忘れない大人になりたいなんて思いますね。


58. Marshmello / Alone【2016】

www.youtube.com

マシュマロの被り物で若者を中心に人気の覆面DJ。クラスで馬鹿にされていた主人公、実は隠れた特技の持ち主で、それがある時クラスで話題になり一躍人気者になるという、チー牛陰キャなら誰もが妄想するストーリーを完全再現した事で話題のMVだ。なんと21億回再生という驚異的な再生回数を誇る。妄想こそが創作の基本なのである。


59. Childish Gambino / This is America【2018】

www.youtube.com

ラッパーのチャイルディッシュ・ガンビーノがアメリカが抱えた様々な問題を痛烈に描いた事で話題を呼んだMV。この映像がまさに『This is America』なのである。色んな種類の有名なMVを数多く挙げてきたけど、ストレートなメッセージ性という観点で重要なMVである。ちなみに日本でも『This is Japan』がちょっと流行ったらしいが…あれはまぁうん。


60. The Killers / Land Of The Free【2019】

www.youtube.com

ラストはまたもや社会派MVという事で締めくくりましょう。米国とメキシコの国境を征く人々が映されるMV。キラーズは俺も大好きなバンドだが、元々はこんな政治的な音楽を好むバンドでは無かったはずだ。しかし近年の分断されたアメリカのリアルを目にして歌わずにはいられなかったのだろう。『自由の地』と名付けられたこの曲は人々に勇気を与えている。


おわりに。


くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実はRS誌が選ぶ史上最高のミュージックビデオに触発されたのが始まりでした。
本当はブログのネタなかったのですが…
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
(…このネタ、伝わる人間って今どれくらいいるんだろうか。)


さて、前後編合わせて5時間耐久(※推計)名作MVの旅、本当にお疲れ様でした。
これで正月に会うであろう音楽に詳しい友達のマウントからも護身出来ますね。安心して新しい年を迎えて下さい。

しかしMVのまとめなんてどうなるかと思ったけど、やってみるとなかなか楽しかったね。

良くある名曲や名盤のお堅い評論とは違ってかなりエンタメ色が強いので、むしろ洋楽初心者への入り口としても機能するんじゃないかとかまとめる途中で考えたりもした。

あと映画と違ってMVは尺が短いので、より新しい試みも気軽に出来るという点で実験性に溢れた作品が生まれるのもMVの面白さという事が分かった。


そしてなんとなーくだけど、これからはこれまでの音楽の評論に加えてMVの評論も盛り上がっていくんじゃないかという気がしている。

みんなの動画への依存度が高まっていく中で、MVが持つ意味はもっともっと広がっていく。そしてまた歴史的なMVが生まれ、世界を巻き込んだムーヴメントが起こっていく。


名曲や名盤同様に、名作MVもまた終わりが無いのである!


ってなわけでイイ感じの名言が生まれたところで、今回の企画を締めさせて戴きたいと思います!

最後に前編・後編に渡ってお送りしてきた動画のyoutubeプレイリストを掲載します。

▼プレイリスト▼

観たい聴きたい語りたい有名ミュージック・ビデオ60選 - YouTube



お暇なときに眺めてくださいな。

そういや少し前に音楽にも色んなランキングブームがあったけど、でもまだまだ音楽ネタは尽きませんねー。いつか邦楽のMVとかもやってみたいけど、邦楽はアップされてないMVがまだまだ多いので(特に昔のアーティストの方が)積極的に解禁されていくと嬉しいなぁ。


そして来年は……「名作ジャケットランキング」とか来る??

そんな来年に思いを馳せながら、今年も無事に終わったことに感謝しつつ、私はのんびり紅白を観ながら年を越したいと思います。

ではでは皆さん、良いお年を~。


あと他のまとめもどぞ。

drr.hateblo.jp



本当の本当に終わり


MV史上最大の傑作 <前編>

おもしろフラッシュ倉庫<前編>

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こんばんは。大人なのにプリキュアの映画行く顔のヤツです。

早いもので今年もあっという間に年末。
あ、メリークリスマス!

みなさん今年もいつかのメリークリスマスを楽しんでますか?
プレゼントに椅子を買って電車乗ってますか?
そういやB'zの『FRIENDS III 』が今年出たんですがご存じですか??

サブスクにはまだ来ないんかなぁ。。。


さて、財布は三つ折りマジックテープ顔の皆さんにおかれましてはクリスマスはどうせお暇なんでしょう?暇だからこんなブログ読んでるんでしょ??だからちょっと俺の話に付き合ってよ~

ちなみに俺はネットで娘たちへのクリスマスプレゼントをいくつか注文したんだけど、どこもかしこも最近は物流が大変なようでクリスマスに間に合わなさそうなものが数点発生しそうでハラハラしてます。

もっと早くに注文しとけば良かったんだけどね…。「コロナウィルスでサンタさんも遅れるかもしれないんだって~!」とそれっぽい説明すれば許してくれんかな。


さて、そして今日は私の無駄に長い与太話に日頃から付き合って下さっている皆さんに、私から新たな無駄に長い与太話のプレゼントが御座います。


皆さん、動画好きですよね??

だってみんなにじさんじ観てるでしょ?ホロライブ観てるでしょ?
俺たちにはVtuberがいる!クリスマスだって寂しくない!とか言ってるんでしょ?

今やみんなテレビよりネット動画を観る時代。youtubeにTiktokにNetflix。テレビ業界はこれからきっと厳くなると言われている。というかテレビ番組も後追いでネット配信してるしね。

とにかくみんな暇さえあれば動画を観る。文章読めないヤツも動画なら分かるらしいからな。もう人間がそういう作りのアタマになっていってるのだ。いいか悪いかは別にしても動画こそが現代における最強メディアとも言えるだろう。


そこで今日は、そんな動画好きの皆さんのクリスマスの暇つぶしとして「ミュージック・ビデオの傑作」を勝手に紹介していくという企画で御座います。


というのもですね、今年こんな記事が発表されてそれに触発されたって事なんですけどね。
amass.jp


これまで数々の名盤・名曲ランキング等、我々の大好物のネタを提供して下さってきたローリングストーン誌さんが「さすがにもういよいよネタ切れか?」などと思っていた
矢先に繰り出してきたのが他ならぬこの「ミュージック・ビデオのランキング」だったのである。


まだその手が残っていたかあああーーーー!!

確かに音楽と言えばどうしても曲だったりアルバムだったりと言った視点で語りがちで、MVは音楽の引き立て役に過ぎないという認識が俺らの頭の中のどこかにあったんだと思う。

だがよくよく思い返してみれば有名なMVと言われて思いつくビデオは実は結構あるし、曲を聴いてまずMVが浮かんでくるというパターンもかなり多いように思う。

それくらいに音楽を語る上でMVの話題は決して避けては通れない状況になっている。
それに動画の普及によりyoutubeの動画を観て曲を知ったというケースが相当増えてきているだろう。


というわけで!

まとめる事が大好きでまとめる事に定評がある(※自称)このまとめおじさんが、今回は洋楽の有名なミュージック・ビデオを一気にまとめてみる事にしたぞ!!

上記ローリングストーン誌のランキングを最初読んだときは個人的には同意しかねる部分が結構あってどうやってケチつけてやろうかとニチャニチャしてたんだけど、でも後からよくよく眺めているとラインナップ自体はそこまで悪くないという事に気付いてしまって、今はそっと手のひらを返しつつある状態であります。


俺自身もMVについてそこまで詳しいわけじゃないんだけどね。でも一般的に有名になったものは一通り抑えているつもりなので、今回も強引に俺の独断と偏見に塗れた選抜をさせて戴きました。

するとですね…なんと全部で60曲という過去最大級のラインナップになってしまったのです。。。だから急遽ウルトラセブンの最終話風に前後編にする事になってしまいました。えへへ。MVってやっぱ良いよね。


でも今回紹介するMVを一通り抑えておけば、あのうっざい音楽通のアイツが「この曲のMVがぁ~はぁ~ん」とマウントを取ってきそうなときにも毅然とした対応ができるレベルに到達出来ると思いますので、是非とも皆さんこの機会に履修しておいて下さい。

あとやっぱりMVの名作って名盤や名曲程に語られる機会が殆ど無いので、この動画時代には意外と需要がある内容なんじゃないかなーとか思っています。

ちなみに特に順位はつけずに時代順に並べていく感じです。「MV史上最大~」というタイトルは釣りです。というかウルトラセブンです。何度も言わすな。


そんなわけで、傑作ミュージック・ビデオの旅に出発しましょう!
まずは1996年までの前半の30曲からどぞー。


知っておくと役に立つかもしれない傑作MV60選 ~1996年


1. Queen / Bohemian Rhapsody【1975】

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まずは映画も大ヒットしたクイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』。MVが「MVを楽しむ」という現代的な役割を持ち始めるきっかけとなった一曲。今の人々がMVに対して期待するエンタメ性をいち早く取り入れたという点で画期的なMVであり、数多くのパロディも制作されている。


2. Talking Heads / Once in a Lifetime【1981】

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一気に時代は飛んで80年代、トーキング・ヘッズの代表曲の一つだ。操られているようなデヴィッド・バーンのコミカルな動きが話題を呼び多くの人にマネされたMV。「時間があっという間に過ぎていく」という日々の生活に追われる人間の様子をシニカルに描いており、愉快で楽しいMVに仕上がっている。


3. Michael Jackson / Thriller【1982】

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MV時代の本格的な幕開けになったとも言える80年代の象徴的なMV。もしかしたら世界的にも一番有名なMVってやっぱこの『スリラー』なんじゃなかろうか。MVを短編映画のような”作品”として鑑賞するアイディアを打ち出した記念碑的作品。スリラーのビデオテープがまだ家にあるという方もまだ結構いるんじゃ?ちょっと怖いオチも印象的。


4. Duran Duran / Hungry Like The Wolf【1982】

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冒険映画「インディー・ジョーンズ」みたいな舞台設定とストーリー性でMVに新しい可能性を開いた、イギリスの人気バンドデュラン・デュランの代表作。わざわざスリランカまで行って撮影されたこのMVは大流行し、予算を投入し手の込んだMVを制作するという以降の流れを作った。ただアメリカでの評判は思ったほど良くなかったとも…。


5. The Police / Every Breath You Take【1983】

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曲自体の評価も非常に高い、ポリスの『見つめていたい』。1983年の世界的ヒット曲であると同時にモノクロ調のMVが多くの人を惹きつけ魅了した事でも有名だ。アメリカのジャズセッションを収録した短編映画『ジャミン・ザ・ブルース』から着想を得ており、黎明期だったMTVでヘビーローテーションされていた。


6. Cyndi Lauper / Girls Just Want to Have Fun【1983】

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シンディーローパーの代表曲であり、元気ハツラツゥな女性像を前面に描いて世界的ブームとなったMV。こちらもMTVで火が付きシンディ・ローパーは一躍トップアーティストとなる。MV中の自由奔放で大人に縛られない彼女の姿を見て勇気づけられた女性も沢山いるのでは。ちなみにMVに出演している母親役はシンディのマジの実母。


7. YES / Owner of a Lonely Heart【1983】

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良く分からんけどなんか良いという事で俺の中で評判のデザイナー集団、ヒプノシスのストーム・ソーガソンが手掛けた作品。当時イエスのようなプログレバンドは全体的に勢いが失速していたが、このMVを仕掛けた事によって若い新規ファンを獲得する事に成功する。アーティストの戦略としてもMVがいかに重要かを印象付けた一曲。


8. A-ha / Take on Me【1984】

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こちらも印象的なMVと言えば真っ先に挙げられる程に人気な一曲。アニメショーンを活用した現実世界とアートの世界がリンクするファンタジックなこのMV作品は、世界に衝撃を与え以降のMVの作風にも大きな影響を残した。耳に残るシンセのイントロも80年代の空気を見事に捉えており、これぞまさに時代を象徴する作品。


9. Tom Petty & The Heartbreakers / Don’t Come Around Here No More【1985】

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実験性の高いMVが次々と作られた80年代。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズもその奇抜さで注目を集めていたバンドで、こちらのMVも非常に有名である。「不思議の国のアリス」のお話に登場する「マッドティーパーティー」をモチーフとした世界観で、最終的にペティがアリスを飲み込んでしまうというラストがなかなかにダーク。


10. New Order / The Perfect Kiss【1985】

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正直これはなんでそんなに評価されているのか良く分からんMVなんだけど、やたら有名だったりする。9分を超える長さでバンドがスタジオで演奏している様子をずっと収録しているという内容。シンプルな構成だが、メンバーへのズームアップ等バンドのライブ感と緊張感が伝わってくるという点で評価が高いMVなんだろうな。


11. Dire Straits / Money for Nothing【1985】

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ミュージック・ビデオ至上主義に対してメタ的に異を唱えたとして有名な曲。MV嫌いだったダイアー・ストレイツは、CGアニメを大胆に導入してMTVに魂を売ったバンドを皮肉った内容でこの曲を発表するわけだが、結果的に大好評となりMTV上で話題となってしまうのである。ちなみに上述のa-haの『Take On Me』と同じ監督です。


12. Dead Or Alive / You Spin Me Round (Like a Record)【1985】

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回るMVと言えばやっぱりコレ。ディスコやユーロビートは当時の日本人好みの音楽として親和性が高くてバブルだった日本でも特に人気の高かったMVだ。今改めて見るとそのダサさがなかなかにヤバイが、とにかく回るクセが凄いわけで文字通り何周か回ってアリな気もしてくる。俺は深夜の洋楽番組で初めてこのMVを観た時脳がバグった。


13. Robert Palmer / Addicted To Love【1986】

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今思うとこれも何でここまで名作扱いされているのか良く分からんのだけど、結構な頻度でパロディの標的にされるくらいに有名なMVである。無表情でマネキンのような女性バンドを従えてロバート・パーマーが歌う様子がシュールな作品。ちなみに女性達はエアバンドであり、ある意味ではゴールデンボンバーの先駆け的存在と言えるのかも。


14. Peter Gabriel / Sledgehammer【1986】

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これはもう圧倒的にMVが有名な曲でしょう。曲の話よりまずその革新的なMVが当時どれだけの人を驚かせたのだろうか。クレイアニメやストップモーションなど、Eテレが好んでやりそうな要素を次から次へと展開させ観る者を惹きつけて話さない。数々の映像作品賞を受賞した作品であり、あとMTVで最も再生されたビデオらしい。


15. Run-D.M.C. & Aerosmith / Walk This Way【1986】

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アーティスト同士のコラボで有名なMVと言えばこれは外せない。MVの中では、文字通りロックとラップというジャンルの壁をぶち壊すというセンセーショナルなシーンが描かれており、2組のアーティストの熱量のぶつかり合いも最高潮でとてもエポックメイキングな曲だ。あとエアロスミスは他にも『Cryin'』のMV等も人気が高い。


16. Metallica / ONE【1988】

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映画『ジョニーは戦場へ行った』がテーマとなったメタリカの代表的MV。音楽的にも当時のメタリカとしては斬新性のある曲で、映画のシーンを引用した重くて悲しい内容のMVと共に話題となった。メタリカがMVを作ったのはこの曲が初めてだったんだけど、戦争の虚しさを表現したこの『One』で彼らは初のグラミー賞を受賞する。


17. Chris Isaak / Wicked Game【1989】

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いや、うん、なんかね、とりあえず有名なMVという事で選んでいるんだけどね、つまりはアレです。セクシーなMVです。当時のスーパー人気モデルがヌード姿でクリス・アイザックとビーチで戯れるという内容なんだけど、まぁそれで話題になってヒットして色んな賞まで受賞しているMVなんですよ。勿論曲の評価も良いんだろうけどさ。


18. Janet Jackson / Rhythm Nation【1989】

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人類が滅んでしまった後のようなディストピア感のある廃工場で、黙々と超高難易度のダンスを披露するジャネット一行。そこはつまり『Rhythm Nation』、全てが清らかな”律動の国家”。カッケェェェェ!!このMVはそのダンスのみならず人種を感じさせない白黒のフィルム、中性的なジャネットの衣装なども非常に高く評価されている一曲。


19. Sinéad O'Connor / Nothing Compares 2 U【1990】

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とにかくその顔のアップで有名なMV。ほぼほぼが歌っているオコナーの顔のアップで構成されているMVなんだけど、歌いながら彼女は悲しみだっり怒りだったりの感情を表現しながら最後には涙を流す(しかも泣くつもりは無かったのに涙が出たらしい…)。カバー曲ながらその圧倒的な表現力によって世界的なヒット曲となった。


20. Madonna / Vogue【1990】

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90年代、いやポップミュージック全体の歴史の中でも極めて重要なMVの一つ。ヴォーギングと呼ばれるダンスを取り入れ一躍世に知らしめた楽曲であり、またマドンナ自身の転機にもなった曲。元々MVには定評のあるマドンナだったけど、この『Vogue』はその芸術性と様々なカルチャーへのリスペクトが大いに評価され、数々の賞を受賞した。


21. George Michael / Freedom【1990】

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「もうミュージックビデオには出演しない!」そう言ったジョージ・マイケルの新作MVには、彼は一切登場しない代わりに当時のスーパーモデルの女性達が次々に登場し、夜の口パクヒットスタジオ並みのリップシンクで曲を歌い繋げていく事になった。この奇抜なアイディアのMVは結果的に大変話題となりMV史上に残る作品となった。


22. Nirvana / Smells Like Teen Spirit【1991】

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これはねー、曲単独のパワーも非常に高いと思うんだけどやっぱりMVも有名なんでチョイスさせてもらいました。90年代を象徴する楽曲でロックの歴史においても重要な曲だけど、なんというかこのオルタナ感に溢れるMVも当時かなり斬新だったと思うんですよ。昔の曲ながらYoutubeの再生回数が13億回を突破している今尚支持されるMVだ。


23. Guns N’ Roses / November Rain【1991】

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再生回数で言えばガンズのこの曲も17億回というバケモンなんですよね。1億円を投じて作られたと言う壮大なMVの『November Rain』。前作の『Don't Cry』のMVからの続きで、当時のアクセルの実際の恋人も出演している。二人の結婚式がストーリーなんだけど…結末はまぁ観て下さいな。途中のピアノやギターのシーンも圧巻。


24. Pearl Jam / Jeremy【1992】

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ニルヴァーナを筆頭に90年代を席巻したグランジブームの代表バンドの一角。実際に91年に起きた、同級生の前で自殺した少年ジェレミーの事件を題材にしている曲。その強烈なMVは(ラストで撃ったのがクラスメイトだと誤解された事もあり)大論争を巻き起こし、社会的な影響もあってパールジャムはこの後長らくMVを制作しなくなった。


25. Björk / Big Time Sensuality【1993】

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ビョークも話題性のあるMVを作る事が多くて他にも色々あったんだけど、やはり彼女の印象を決定づけたこの曲で。トラックの荷台の上で踊りながらニューヨークの街を巡るこのMVは、その無邪気な冒険心とスリリングさでたちまち話題となり、曲よりもMV先行でビョークを有名にしていった。ちなみにこれって道交法違反になるんだっけ??


26. Beastie Boys / Sabotage【1994】

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映画監督のスパイク・ジョーンズは数多くのMVを手掛けた事でも有名。紹介しきれなかったビョークの『It's Oh So Quiet』等もそうだけど、このビースティ・ボーイズの『Sabotage』は特に有名だ。架空の警察ドラマシリーズという設定でメンバーがそれぞれドラマのキャラクターに扮しており、この作風は以降のMVに大きな影響を与えた。


27. Soundgarden / Black Hole Sun【1994】

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ヤベーMVと言われて思いつくのはサウンドガーデンのこれ。太陽が全てを飲み込むブラックホールへと変貌していく中で、人間の狂気がちょっと大げさに、そしてコミカルに描かれているMVだ。90年代を代表するバンドとして存在感を示したMVだが、楽曲としてもクリスコーネルの歌と味のあるギターが高い支持を得ている。


28. Weezer / Buddy Holly【1994】

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ハイ早速きましたスパイク・ジョーンズの別MV。ウィーザーのデビューアルバム収録の『Buddy Holly』。今度はドラマ『ハッピーデイズ』がパロディ元で、MVにはドラマからのシーンや実際の出演者もゲスト参加している。MVのストーリーもウィーザーのキャラに似合うちょっと切ない感じで、MTVでも大人気となった作品だ。


29. 2pac feat Dr.Dre / California Love【1995】

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続いてはこちら、映画『マッドマックス・サンダードーム』にインスパイアされたMVで有名な大ヒット曲。音楽的にも以降のヒップホップに影響を与えた曲だが、やはりMVのインパクトも相まって強いイメージが残る楽曲となっている。ちなみに翌年2pacは銃撃され25歳で亡くなった。この頃のヒップホップ界って揉め事が多かったんだよな…。


30. Alanis Morissette / Ironic【1996】

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さて、前編のラストはアラニスの世界的大ヒット曲『Ironic』。1台の車の中に違う服を着た4人のアラニスが乗り込んで歌っているけど、それぞれ車内の別角度から別撮りで撮った映像を組み合わせるというアイディアで構成されている。4人は皆アラニスの別の特徴を現したキャラらしい。以降この手法を色々なアーティストがマネしていく。

後編に続く。

さて、「妹欲しい」とか言うたらアカン顔おじさんのクリスマス企画、楽しんで戴けましたでしょうか。

皆さんのお気に入りのMVはありましたか?それともラインナップにケチつける気ですか?あのなぁ、そうやって何でも否定から入る性格してっからクリスマスに俺なんかと絡む人生歩んでるんだよ?もっと生産的な事しような?な?

こうやって名作MVを振り返ってみると、単純に動画としても面白いものがあって何かのネタの参考にもなりそうだったりするよね。あと前半はかなり昔のMVが多いけど後半は技術もまたさらに上がっているので色々楽しいと思います。後半にどんなMVが来るのか洋楽に詳しい方は予想してみて下さい。


しかし最近はホント物流が滞っているようで洋楽の輸入盤とか購入している方は結構遅れて届く状態なんじゃないかな??ちなみに俺はAmazonのマーケットプレイスから洋楽の輸入盤を結構買ってるんだけど、Amazonのマケプレは元々かなり遅い(下手したら1ヵ月後とかに届いていた)事が多いのであまり驚きはしなかったりするんだけど。

欲しいものがある人は早め早めの購入を心掛けましょう。


というわけで皆さん良いクリスマスを!

そして後半に続く。

 

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