脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】Battles / Atlas [2007]

カッコイイはつくれる。

 

やっぱり音楽のジャンル分けってもう難しい時代なんじゃないか。

そもそも音楽のジャンルって人に説明するときの便宜的なものであって、
そのジャンル自体がマイナーな場合は普通の人にはまず通じないし。
俺の嫁には最初プログレって言っても通じなかったし。


そんなわけで今年のフジロックに出演が決定したBattlesだ。
昨年新譜出してたらしいが知らんかった…。
だが俺の中ではやはり1stの『Mirrored』が強烈な印象のバンドだ。

その『Mirrored』からシングルカットされた代表曲『Atlas』である。
当時大絶賛されたこの曲、ジャンルとしては「マスロック」である。
おいおいまた新しいジャンル出来たんかよと思った。

「マスロック」すなわち数学的ロックだ。
ググると色々な定義が出てくるが単純に説明すると「複雑なロック」だ。
ちなみに「エクスペリメンタルロック」とかも言われている。もう沢山だ。

最初マスロックと聞いて”Mass Rock”すなわち大衆ロックとか思ってた。
そしたら全然違ったというかむしろ真逆だった。やられた。


しかしこの曲は確かに強烈だった。

計算された歪な音楽といったところである。
下手したら不快な音で終わりそうな音楽なのに、
ギリギリのところで惹きつけて離さないのだ。
曲の続きが気になって仕方ない。

どんな不思議な展開が待っているのだろうかと、
ドキドキしながら聴いてしまうのだ。
こんな俺の気持ちまで計算されていたとしたらなんてスゴイ曲なんだ。
計算されたカッコ良さである。人類の叡智すら感じるぜ。

ガラス張りの四角い部屋に閉じ込められたプロモやジャケットも、
幾何学的で数学チックで計算された感じがしないだろうか。
インテリチックな感じがするのは個人的に鼻につくところだが。
数学者とか好きなのかなマスロック。誰かアンケートして欲しい。


まぁ俺もなんだかんだ言いながら結局このアルバムは買った。
そしてこの後、実際にマスロックはそれなりに流行った。

だからいい。マスロックまではなんとか分かったんだ。
でももうあんまり難しいジャンルは覚えたくない!
まだまだディープなジャンルがあるのも知ってるけど知りたくない!

こっちの頭が追い付かないんだ、新しい事に疲れちゃうんだよ。
そりゃ日々新しい表現は生まれているから仕方ないんだろうけどさ、
もうホント難しいジャンル分けやめてくれ!
AKB系のメンバですら最近諦め気味なんだ。


しかしこうやって新しい物を避けるようになるから、
どんどん最近の事についていけなくなるんだろう。
そして自分が青春時代に聴いていたものばかりが美化されるのだ。

いや、むしろ新しい物を避けたいがために青春時代の音楽ばかりを崇めて、
「最近の若い奴らは分からん」とか理由をつけたがるのかもしれない。
やっぱりまだまだ俺も気持ちは若いつもりでいたいね。


しかし音楽のジャンルがどんどん増えているのだとしたら、
これからの若者は覚える事が多くて大変だな。頑張れ。
俺の娘はまだ一歳だが、知っているジャンルについてはちゃんと教えたい。

なんなら最初にしっかりと喋る言葉は
「ママ!」でも「パパ!」でもなく「ますろっく!」でもいいな。
もしくは「ぷろぐれ!」とか。なんかアニメのタイトルみたいだ。

 
【採点】
・数学的ロック    30点
・計算された歪さ   30点
・数学者御用達?   20点
・大衆ロックと思った -2点
78点

Mirrored Mirrored
Battles

曲名リスト
1. Race : In
2. Atlas
3. Ddiamondd
4. Tonto
5. Leyendecker
6. Rainbow
7. Bad Trails
8. Prismism
9. Snare Hangar
10. Tij
11. Race : Out

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