脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

必見!ビートルズ好きおじさんを返り討ちにするマニュアル


ビートルズ対策にビートルズを。

当たり前だが音楽の楽しみ方なんて多種多様だ。
流行りの音楽だけ追っかけて聴いていてもなんの問題もない。

だが世間にはコレくらい知ってて当然という不可視のラインが存在する。
アニメ好きを公言しておきながらガンダムもエヴァも観たこと無ければ、
自称アニメ通の方々から異教徒のような扱いをされ迫害されるのだ。
「赤色は3倍」「逃げちゃダメだ」くらいは一応使いこなしておこう。

そして音楽界において知ってて当然とされるのがこのビートルズだ。
むしろ音楽好きどころか一般ピーポーまで常識レベルになっている。
教科書にまで取り上げられるくらいだからね。

社会問題化するビートルズ好きおじさん達

しかし実際にビートルズの功績はデカい。とんでもなくデカい。
現在のポピュラーミュージックの全てはビートルズの延長線上に
あると言ってもよいくらいだ。彼らが様々な手法を世に広めたお陰で、
その後の音楽界の発展があったのは揺るぎない事実である。

ただデカくなりすぎた彼らの威厳は社会問題へと発展した。
世に蔓延るビートルズ好きおじさん達の武器となったのだ。
今この瞬間も「え?wビートルズも知らないの?w」と、
どこかの誰かがおっさんから迫害を受けているに違いない。

おじさん達は音楽界で絶対的存在となったビートルズの傘の下、
気持ち良くBUMPやRADWIMPSを聴いている若者に向かって
「でもビートルズも聴かないで音楽聴いてるだなんてねぇ~」などと
たまたまビートルズと同時代にいただけなのに偉そうに喋ってくる。

これこそが由々しき社会問題、通称「ビーハラ」(※1)である。
ビートルズ知ってて当然という態度でマウントポジションを取ってくる。
似たような問題に「ジョンハラ」(※2)と「ポーハラ」(※3)もある。
※1…ビートルズ・ハラスメント
※2…ジョン・レノン・ハラスメント
※3…ポール・マッカートニー・ハラスメント

セクハラ、パワハラ、マタハラ等は大分認識が広がったものの、
ビーハラの社会問題はまだまだ国会で議論すらされる気配がなく、
(おそらく有力議員の殆どがビートルズ世代だからであろう)
現在これらの圧力には自己防衛するしか方法が無いのが現状である。

みんな待ってた!ビートルズ好きおじさん対策

そこでだ。この現状を重く受け止めた俺が、
今日は素晴らしいマニュアルを準備したぞ!
題して「ビートルズ好きおじさん返り討ちマニュアル」である。

「え?ビートルズも聴かないの?」などと言われた場合、何が有効か。
「古い音楽より新しい音楽の方がいいでしょ」なんて反論は無謀だ。
それではただの世代の違いに終わるし相手を負かした事にならない。
相手も「ふん、これだから若者は、」と逆に雄弁になるかもしれない。

そんな面倒な事態を避けるにはどうすればいいか。簡単だ。
真っ向から「ビートルズの話題」で相手に勝ちに行き、
逆にマウントポジションをとってしまうのだ!つまり返り討ちである。
「こいつ、新しい音楽だけじゃなくビートルズにも詳しいだとっ!」
と思わせれば相手は絶句する。下手すりゃ泡吹いて失禁する。

というわけで「ビートルズの話」になったときに
どんな対応をすればいいのかビートルズファン歴15年の俺が解説しよう。

ビートルズの初期・中期・後期を把握しよう

「ビートルズ知ってる?」と言われた場合、
まずは「勿論知ってますよー」と答えるのは前提として、
次に「私はやっぱり初期が好きですねー。」と好きな時期を言おう。

ここで相手は「むむっ」となるハズだ。
時期を言えるという事はある程度聴いているという事の証左である。
自分の好きなビートルズの時期を決めておこう。


大雑把にビートルズは初期・中期・後期に分けられる。

初期はアイドルチックなコンサート向けの曲がメインで、
軽快なロックンロールサウンドが特徴。1962~1965年辺りだ。
初期で有名な曲は『I Want To Hold Your Hand(抱きしめたい)』
『Help!』『Yesterday』等々だ。



中期はコンサート活動から離れ、スタジオミュージシャンとして
色々な試みを始めて芸術性が高まる1965~1967年頃だ。
中期で有名な曲は『Paperback Writer』や
『All You Need Is Love(愛こそはすべて)』『Hello, Goodbye』辺りだ。



後期はメンバー個々がそれぞれの個性が強くなってきたが故に、
解散に向かう1968~1970年頃。バンドは崩壊しかけていたが良曲も多い。
後期で有名な曲は『Ob-La-Di,Ob-La-Da』『Hey Jude』『Let It Be』等。



どの時期も面白いのがビートルズの特徴である。
自分の好きな時期をある程度話したら、次は相手に
「おじさんはどの時期のビートルズが好きですかぁ?」と聞いてみよう。

これはその人のキャラクターを推し測る事も出来るので便利だ。
イメージとしては初期好きはパリピで中期好きはメンドクサイ奴で、
後期好きは影キャラだ。ちなみに俺は後期好きだ。

実はビートルズにそこまで詳しくないおじさんの場合、
時期の話を持ち出した時点で逃げ出す。そしたらあなたの勝ちだ。
しかし、ちゃんと好きなビートルズの時期の話をしてくる奴か、
「全部好き!」とかいう恋愛中の女子高生みたいな奴ならば試合続行だ。

ビートルズ好きおじさんに対応する曲を知ろう

ここでさらにビートルズで好きな曲について踏み込んでみよう。
ビートルズは有名な曲が多すぎるので選ぶのは難しいが、
今回はウザいビートルズおじさん対策に有効な曲をいくつか紹介しよう。

・Twist and Shout

ノリノリで有名なこの曲だが、実はコレ、カバー曲である。
初期のビートルズのアルバムは結構カバー曲が多いのだが、
ビートルズの印象が強すぎてビートルズカバーの方が有名な曲もある。

「Twist and Shoutって曲好きですかぁ?」と聞いて
「あの曲いいよねー。ビートルズっぽいよねー。」と返ってきたら、
「カバー曲ですけど、やっぱり原曲よりビートルズの方が好きですか?」
と薄ら笑みを浮かべながら返り討ちにしよう。

・Within You Without You


ビートルズの曲の大半はジョンかポールが作っているが、
実はジョージ・ハリスンだって負けてはいない。
前述の2人が凄すぎて霞んでいるがジョージのポテンシャルは高いぞ。
彼作の曲も『Taxman』『Something』等良い曲は多い。

特にジョージはインド音楽に傾倒しており、
このインド楽器を多用したジョージ作の『Within You Without You』は、
ビートルズを良く知らない人からすればビートルズとは思えないだろう。

だから「実は私、ジョージの曲が結構ツボなんですよー」と言えば、
なかなかの通っぷりをアピールできるというわけだ。
ジョンとポールしか知らないオジサンはここで逃げ出すぞ。

ちなみにビートルズの曲の作者の割合は、おおよそだが
ジョンが40%、ポールが40%、ジョージが18%、リンゴが2%だ。
だから果汁2%のリンゴジュースを見ると俺はビートルズを思い出す。

ここでリンゴ・スター好きとまでいくと逆に狙いすぎな感が否めないが、
その場合は『Octopus's Garden』を挙げておくと良いと思う。

・Revolution 9


ジョン・レノン作でビートルズ屈指の奇妙な曲として有名。
ひたすら「ナンバーナイン…」と繰り返されるセリフが超怖い。
他にも喋り声やノイズ等が散りばめられており最早曲とすら言えない。

サブカル、インテリが好みそうな曲であり
数あるビートルズの曲の中で敢えてこの曲を好きと言えば
「うわぁ…」となって周りの人達との間に壁を作ってしまいかねない。

だから色んな曲の話をした上で
「でもRevolution9みたいな曲もあるのがビートルズの面白さですよね。」
と大人の切り出し方をするのが正しい使い方かもしれない。
そしてビートルズのサイケデリックさを知らないおじさんは脱落する。

ビートルズの人気アルバムを抑えよう

またビートルズは曲だけではなくアルバムの話をするのも大事だ。
そして半端なビートルズ好きおじさんにはコレがかなり有効だと思う。

ビートルズの人気が絶大であったため、これはビジネスとばかりに
世の中にはビートルズの人気曲を寄せ集めたベスト的なCDが量産された。

ベストとして有名なのは赤盤、青盤、ビートルズ1だが、
それ以外にも独自の編集盤を挙げればキリが無いくらいに存在する。
もうオリジナルのアルバムが何だったのか分からないくらいにだ。

そしてビートルズおじさん達はその編集盤を聴いてる場合が多い。
手軽にビートルズの人気曲がおさらいできるからである。

だからこそアルバムの出番だ!アルバムの話題に持ち込めば、
意外とあっさりビートルズおじさんを返り討ちに出来るぞ。


ビートルズは活動期間の割にはアルバムが多いのも凄いところだ。
そこでここは「ビートルズのアルバムで好きなものは?」という質問で
おおよそ良く名前が挙がる5つのアルバムを発表された順に紹介しよう。


1965年の『ラバー・ソウル』だ。
Loverじゃないからね。Rubberだからね。ゴム魂だからね。
『Norwegian Wood(ノルウェーの森)』や『In My Life』を収録。
ちょうどビートルズが色々な楽器に手を出し始めていた頃の作品で、
彼らの音楽的な試行錯誤も垣間見える面白いアルバムだ。
ライブバンドからレコーディングバンドへの過渡期の作品と言える。


1966年の『リボルバー』。
実にサイケデリックな作品。ビートルズの芸術性が開花している。
『Eleanor Rigby』や『Tomorrow Never Knows』が有名な収録曲だ。
ジャケットも有名であり、良くパロディの標的にもされる。
俺は近くのリサイクルショップでこのレコード盤を見つけ、
500円で購入して家に飾っている。羨ましいだろ。


1967年の『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハー(ry
タイトル長い。なかなか覚えられない。特に後半。
表題曲の『Sgt. Pepper's (以下略)』や『A Day in the Life』を収録。
世界初のコンセプトアルバムと言われ音楽史の金字塔的アルバムだ。
色んな人物を登場させたジャケットも有名でそれも含めて評価が高い。
4人のコスチュームも良くコスプレの対象にされており、
ポールの来日コンサートの時に俺もこのコスプレの人を見かけた。


 自らのバンド名を冠した1968年の『ザ・ビートルズ』、通称「白盤」。
オリジナルの2枚組で30曲という超ボリュームなアルバムだ。
『While My Guitar Gently Weeps』『Helter Skelter』辺りが有名。
この頃からメンバーの仲が悪くなり始め、故に収録曲もソロ色が強く
バラバラな曲の集合体的なイメージもあるアルバムだが、
曲自体は個性的な良曲も多くて人気が高いアルバムの一つとなった。


最後はこれだ。1969年の『アビー・ロード』。実質ラストアルバム。
おそらくビートルズのアルバムの中でも最も有名じゃなかろうか。
『Come Together』『Here Comes the Sun』が有名だ。
また『Golden Slumbers』からラストまで続くメドレーが圧巻である。
こちらのジャケットも有名で、現地は世界一有名な横断歩道となり、
横断歩道の癖に観光地となったせいで事故が絶えないという問題がある。
またポールが目を瞑って裸足だった事からポール死亡説も浮上した。


以上、ビートルズの人気アルバム5作品だ。
実際どれも聴き応え十分である。ちなみに俺は『Abbey Road』推しだ。
気になったアルバムを聴いておじさん共の駆逐に使おう。

またビートルズのアルバム(特に中期・後期)はジャケットも有名なので、
ジャケットの話になればアルバムを聴いていないおじさん共は
間違いなくついていけなくなり、返り討ち成功の確率は上がる。
好きなアルバムジャケットも一つ決めておくと良いだろう。

ビートルズ好きおじさんに負けるな!

さて、いかがだっただろうか。
この辺りを対策しておけばビートルズ好きおじさんも舌を巻くはずだ。
厄介なビートルズ好きおじさん達の対策が見えてきたのではないか。

ビートルズは本当に凄いバンドだ。それだけは間違いない。
だからこれを機に若い人たちもビートルズを聴いて、
そしてビーハラおやじに負けないようになってくれれば本望である。

さぁ、このマニュアルを熟読して、そしてビートルズを聴いて、
現代社会でデカい顔をする面倒臭いビートルズ好きおじさんに切り込み、
彼らに恥をかかせ、口を黙らせ、泡を吹かせ、失禁させよう。

失禁の後片付けも面倒臭いが、
ビートルズ好きの面倒臭さに比べればまだマシだと思って戴きたい。

そして「まいった!君がそんなにビートルズに詳しかったとは!」
と言わせれば見事マウンティング成功である。おめでとう!
後はしゃぶしゃぶでも奢って貰え。

それでは皆様の健闘を祈ります。
この世から悲しきビーハラが無くなる日を願って…



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