脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】TWICE / TT [2017]


違和感すら味方に。


あれ?皆さん「TWICE」をご存知ない?
あの今話題沸騰の韓国のガールズアイドル、トゥワイスをご存じない?

俺はてっきりKARA並みに浸透してるもんかと思ってたけど、
周りの人間に確認してみたらこれが殆ど知られてないんですよ。
おいおいマジかあのTTポーズを皆知らんのか。

この前集合写真を撮る時にマネしてみたんだけど完全にスベってた。
ちくしょう。今度LINEのプロフィール画像TTポーズにしてやる。


というわけで俺のスベリを返上するためにも
是非とも頑張って欲しいのがこのK-POPアイドルTWICEなのである。
何が「2回」なのか良く分からないが。ちなみに9人組。ラブライブ形式。

今度日本限定のシングルも発売されるそうです。



さて、俺はブログのカテゴリで便宜上「邦楽」「洋楽」を分けているが
彼女達については邦楽に入れるべきか洋楽に入れるべきか迷った。
結構ちゃんと迷った。ほら、日韓事情は色々と面倒じゃん?

洋楽に入れようかと思ったけど折角日本語で歌ってくれてる事だし、
悩んだ挙句邦楽に入れる事にした。彼女達は母国語でも歌ってるけど。


しかし韓国の人気グループを知らないという人がいるのは分かるが
K-POPという単語だけで拒否反応を示す人がいるのは真に悲しい。
俺の周りにもそんな奴がいるんですけど正直勿体ないと思う。
何でも楽しめるミーハーこそが最強だ。一緒にTTポーズしようぜ。

つーか韓国のクールコリアを執拗に馬鹿にしたがる輩はなんだんだ。
時系列的にはクールジャパンの方が後だし。
まぁそれを言えばクールブリタニアが先なんだけど。

あとクールコリアは国家戦略として
着実にこちらの市場を意識しているのが本格的なのである。
それもコンテンツ同士がスクラムを組んで売り込んでくる。
クールジャパンが参考に出来る点もかなりあると思われる。

このTWICEも例に漏れずYouTube等での人気が爆発的だ。
最初っから外国の市場を意識しているのが見て取れる。
彼女たちが日本語で歌っているのも立派な戦略なのだ。


しかしこの韓流アイドルが日本語で歌っているという事実、
経済的・商業的な視点から見れば
勿論日本を射程にいれているという意味になるんだけれども、
普通に曲として聴いてもなかなかに面白いと思うわけですよ。

TWICEの日本デビューアルバムには
通常バージョンの曲と日本語バージョンの曲がそれぞれ5曲ずつ
計10曲収録されている。

リミックスを曲数にカウントして10曲にボリュームアップし
さらに「ベストアルバム」名義で出す事で儲けを狙ってきている。
さすがクールコリア。抜かりがない。見事オリコン2位を獲得した。

シングル文化でベストに食いつきやすい日本人の性質も
しっかりリサーチ済みというわけだ。売上もこの時代に30万枚を突破。
これはかなり戦略的だと言える。狡猾?違うね、努力だよ。

おっと、話がまた逸れた。
つまりはだな、この日本語バージョンってのがいいんだって話だよ。
韓国語バージョンより俺は断然日本語バージョンだ。特にこの『TT』だ。


曲自体はK-POPらしい音楽で特に驚くようなものでも無いんだけど、
彼女たちの日本語ボーカルがとにかく可愛い。くぁわぃぃ。
「頑張って日本語で歌います!」感が滲み出てるの。くぁわぃぃ。

まずこの歌詞、何も単純に日本語訳にしましたってわけじゃない。
しっかり「J-POP」風に料理してあるのがポイントである。
韓国語も悪くはないが良くも悪くも普通の洋楽感が強い。



翻訳家が英語をいい感じの日本語に訳するのは常套な手段ではあるが、
とりわけ音楽に関してはメロディやリズムが絡んでくるわけで、
一筋縄にはいかない。でもこの曲の日本語詞は実に良く考えられている。

とは言ってもどうしてもやや強引で違和感がある部分も否めない。
しかしこの曲にはそれを補う強力な要素が存在する。
それこそが「ちょっと拙い日本語ボーカル」なのだ。

特にサビの「やめてやめて」の部分は絶妙だ。
日本語なんだけど、彼女たちの少したどたどしいボーカルのお陰で
どことなく洋楽っぽい発音になっている。ここは面白い。

これは逆にネイティブな日本語を扱う人間にはなかなか出せない味である。
そうだな、岡崎体育くらいだろう。



あと「Ba Ba Ba Baby」や決めフレーズの「I'm like TT」の部分が
ちゃんと英語なのは当然の措置だ。日本語と英語の混ぜパターン。
緩急のついた日本語の載せ方も聴いてて楽しい曲だ。

外国人がこの日本語詞をこのレベルで歌うのは結構大変だろう。
この『TT』は結構いい具合だけど他のアルバム曲はもう少し違和感強め。
だがその日本語のちょっとした違和感が楽しめるのもまた強力。

むしろこの「楽しめる少しの違和感」すらも計算された感がある。
こりゃ確実にJ-POPに詳しいブレーンがいるな。
日本語という相手の土俵に入りつつ、
その上で生粋の日本人にはなかなか出せない味を出す。
自分達のハンデを逆に利用するという見事な売り出し方である。


日本の音楽市場を研究し分析した上での計画的な進出。
だからこそ韓流は強いんだと思う。

相手に迎合せずに堂々とコンテンツを輸出するのもいいが、
オリジナルとは違った新たな価値を生み出すというのも効果的だ。
ビジネス的な観点で見ればK-POPは大いに参考になると思い知らされる。

俺は常々日本人のアーティストが日本語を捨てて
英語で海外進出を狙う姿には疑問を呈してきたクチなんだけど、
こういった完全に相手の傾向を分析した上で出陣する例を見ると、
英語で歌うバンドも戦略としてはアリなのかもなと思えてくる。

しかしやはり相手の土俵で勝負するには
並々ならぬ勉強とリサーチ力が必要なのは事実だろう。
どんな形であれ、日本からもまた世界的な人気を誇る
アーティストが生まれて欲しいものですね。


【採点】
・爆速的人気グループ 30点
・計画的&戦略的   20点
・違和感すらも魅力的 20点
・日本人メンバーもいるよ 3点
73点

#TWICE(通常盤) #TWICE(通常盤)
TWICE

曲名リスト
1. Like OOH-AHH -Japanese ver.-
2. CHEER UP -Japanese ver.-
3. TT -Japanese ver.-
4. KNOCK KNOCK -Japanese ver.-
5. SIGNAL -Japanese ver.-
6. Like OOH-AHH
7. CHEER UP
8. TT
9. KNOCK KNOCK
10. SIGNAL

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