脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Prodigy / The Fat of the Land [1997]


蟹も娘もWowWowWowWow。

The Fat of the Land The Fat of the Land
Prodigy

曲名リスト
1. Smack My Bitch Up
2. Breathe
3. Diesel Power
4. Funky Shit
5. Serial Thrilla
6. Mindfields
7. Narayan
8. Firestarter
9. Climbatize
10. Fuel My Fire

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皆さん、どういうきっかけで
「昔の音楽」を聴きたくなるでしょうか。

基本的に人間ってのは新しいものが好きな生き物だと思う。
だからこそ「新作」ってのは人々をワクワクさせるのだ。
「新しい」という言葉には未来を感じさせる魔力がある。

特にクリエイティヴなお仕事をされている方には
この気持ちよ~く分かって戴けるんじゃないでしょうか?
俺?俺の仕事は最っ高にクリエイティブからかけ離れているよ。
事務作業で半日潰れるなんて事も珍しくないよ。ふへーっ。

まぁそんなわけで音楽についても
人々は「新作」というモノをこぞって聴きたがるものなのだ。
それには新作に未来を感じるからという理由だけでなく、
単純に流行を追いたいという一面もあるからだろうけどね。


でも、日々を過ごしていく中で
ふとしたきっかけで昔の音楽を聴きたくなったりしません?

例えばテレビやラジオ等のメディアで昔の曲が流れてて
「あーこんな曲あったな。久しぶりに聴いてみっか!」的な
懐かしい気持ちに駆られて聴くパターンは多いだろう。

もしくはお店のBGMとか知人の家や車の中とか。
まぁ総じて自分の能動的なチョイス以外の要素で聴かされた事で、
昔の曲を聴きたくなる場合が殆んどじゃないかと思う。


だがこの度、俺は全く新しい形でこの20年も前の音楽を
久しぶりに引っ張り出す事になりました。
それはこのジャケットのせいでございます。

Prodigyの『The Fat of the Land』。
音楽クラスタの間では「蟹のジャケット」として有名な一枚。
「あの蟹のジャケット」と言うだけでもう伝わります。

で、なぜこのアルバムを聴きたくなったのかというと。

この前、娘の写真を撮ろうと思ってタブレットを娘に向けたら
何故か娘が「おおおおおお」などと言いながら俺に突撃してきて
俺もちょっと引きながら思わずシャッターを押したところ、
ものの見事にこのジャケットの蟹のように
娘を中心に集中線が描かれたような写真が撮れまして、
それで「あれ?もしかして俺の娘、蟹じゃね?」となったわけです。

そんな意外なきっかけでこのCDのジャケットを思い出して、
久々に聴きたいと思ったの。いやー何がきっかけになるか分からんね!


というわけでもの凄くどうでもいい前置きになったけど、
やっぱりこのアルバムは懐かしい音楽ではありつつもパワフルだった。
内容がジャケット負けしてない。そりゃ蟹もテンション上がりますわ。

ダンス、ブレイクビーツ、クラブミュージック、
音楽的な括りだとそんな感じかな。今でいうとこのパリピが嗜む音楽。
興奮剤がたんまり使われている、レッツラパーリナイなアルバムだ。

勿論普段はパリピとは水と油、犬と猿、おすぎと北野武みたいな
ポジションにいる俺なんだけど、実はこのアルバムは持ってたりする。
それはこの作品からロック的な面影を感じるという理由もあるんだけど、
そもそもジャケットも含めてこのアルバムが有名すぎるってのが大きい。


この『The Fat of the Land』は全世界で1000万枚以上を売り上げて、
ダンス音楽史上最も売れたアルバムという記録を持っているらしい。
故に普段コレ系統の音楽を聴かない人間でも知ってる人が多い作品だ。

皆もあるでしょ。普段だったら絶対買ってないハズなんだけど、
何故か買ってしまったCDとか棚にあるでしょ。それですよそれ。
俺も何故か買ってしまった女性ソロシンガーのCDアルバムとかあるよ。
誰かは言わないけど。ずっとCD棚の中で違和感を放っているよ。

でもそんな今となっては笑える黒歴史は置いておくとしても、
このアルバムってやっぱすげーなーって改めて思いましたわ。
確かに昔の流行曲というかやや古いってイメージはするんだけどさ、
逆に今これだけの熱量をもった音楽って無いよなーって。


特に彼らの代表曲でもある『Firestarter』はいつ聴いても圧巻だね。

もうセンスを感じずにはいられない。良く作ったと思うよこんな曲。
そういや攻殻機動隊のARISEにファイアスターターって出てきたな。
あれを観てこの曲を思い出した人もいそう。あとSPYAIRの曲とか。

またアルバム全体としても流れるようにスマートに
曲が次々と展開していくので飽きさせない作りとなっている。
全世界を躍らせたアルバム。そりゃ売れるでしょーよ。


加えてやっぱり注目すべきはこのジャケット。
蟹。あの横にしか動けない蟹が今にも縦に動き出しそう。

こちらもセンスを感じずにはいられない。
こんなの一目みて「なんじゃこりゃ!?」と思わせたら勝ちだ。
そして聴けば納得。「ああ、蟹もテンション上がるわ。」みたいな。

ちなみにこのアルバムはその人気もあって、
2012年に15周年記念盤が発売されている。
その時のジャケットがこれ。

調子乗り過ぎ。

いやいやなんで蟹増えてんの。
小学生がやりそうな安易な発想なんですけど。
でもそれをやっちゃうんですかProdigyさん。
いくらなんでも狙い過ぎ。面白かったけどさ。


というわけでそんな伝説的な蟹アルバムを
不意打ち的に久しぶりに聴かされる羽目になったわけですが、
それもこれもこの強烈なジャケットがあったお陰です。
ジャケットを思い出して聴きたくなるケースなんてそうそう無いぜ?

でもこれくらい振り切ったジャケットの方が、
注目されやすいし印象に残るしいいのかもしれない。
スマートにまとまったジャケットもいいけれど、
今回みたいに何かのきっかけで想起しちゃう事もあるからさ。


そういえば最近の若いコって意外に90年代以前の音楽とかにも
興味があって聴いたりするんだってね。

それにはYoutubeが大きく寄与してるんだろうけど、
同時に「昔」の音楽も今のコにとっては「新しい」音楽なんだよね。
過去を遡れば聴いたことも無いような音楽がまだまだ眠っている。

俺だって「へーっ!これが昔の音楽??」って感じの新鮮な気分を
古い曲から感じる事が未だにあったりするんだよね。
だから新作ばかりじゃなく昔の音楽を振り返るのも大事だなって思う。

それと同時にそんな昔の曲に負けないくらいの「新しい」モノを
今のアーティストに目指して欲しいしそう思って応援している。
みんなやっぱり新曲にはワクワクを求めているんだよ。


さて、俺の娘は次はどんなジャケット芸をしてくれるんだろうか。
そんな面白さを俺の娘には勝手に期待しています。
そしてそんな期待をしてしまう俺は親バカっていうかバカ親ですね。


【採点】
・意外なきっかけで聴く 30点
・超有名蟹ジャケット  30点
・超売れたダンスロック 20点
・再発は調子乗り過ぎ  -2点
78点