脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

勝手にCDショップ大賞1999~2008


※個人の感想です。

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※すみません。CDショップ大賞さんのPOP素材を勝手に改変しました。


全国津々浦々のCDファンの皆様ごきげんよう。今日もCDしてますか?
お気に入りのCDを額につけてお医者さんごっこしてますか?
CDを雑に扱うんじゃねぇちゃんとジャケットに収めてスリーブもしとけ。


さて、レコード大賞の権威が失墜し
誰にも興味を持たれなくなってもうどれくらい経ったでしょう。
皆さん去年のレコ大覚えてますか?

乃木坂の『インフルエンサー』ですよ。

うん、俺まぁまぁコレ好きなんだ。

ただ、若いコの間じゃ有名な曲かもしれないけど
世間の殆どの人はこの曲がレコード大賞と言われても
「ふーん」みたいな反応で多分ヘルシェイク矢野の事考えている。

ちなみにオリコンランキングも参考にならないと散々言われてたので
最近ようやく集計方法を変えるみたいな方針転換を行うらしいけど、
果たしてオリコン復権にどれくらい繋がるのか気になるところ。


そんなわけであらゆるものの権威が薄れていく現代では、
世の中の「良いと言われている音楽」を知る術がなかなか見当たらない。
逆に知るのも難しいくらいの時代に突入したんじゃないかとすら思う。

そんな音楽を知る術でお悩みの方は、
是非このブログをお気に入りに登録して定期的に覗いてみよう。
心の貧困層がどんな音楽を聴いているのかが手に取るように分かるよ。
共感して下さった方は一緒に底辺からの脱出を目指しましょう。
インテリと富裕層の方は俺を見ておおいに笑って下さい。はは。


というわけで最近徐々に注目度を集めているのがこちら、
CDショップ大賞だ。音楽ファンには最早説明不要だろう。

www.cdshop-kumiai.jp


全国のCDショップ店員がその一年に聴いたCDアルバムの中で
“本当にお客様にお勧めしたい”作品を大賞として選出する企画だ。
本屋大賞とかマンガ大賞に雰囲気は近いと思う。
もう既に過去10回開催されており、TVでも取り上げられた事もあるので
じわじわとその発信力を高めている賞でもある。


では過去の大賞受賞作品を見てみよう。
ちなみに発売年の次の年が受賞年となっているので、
例えば2009年の受賞作品は2008年に発売されたCD作品となっている。

第1回(2009)『シフォン主義』相対性理論
第2回(2010)『THIS IS MY STORYTHE BAWDIES
第3回(2011)『ファンファーレと熱狂』andymori
第4回(2012)『バトル・アンド・ロマンス』ももいろクローバーZ
第5回(2013)MASH UP THE WORLD』MAN WITH A MISSION
第6回(2014)予襲復讐マキシマム ザ ホルモン
第7回(2015)『BABYMETAL』BABYMETAL
第8回(2016)『YELLOW DANCER』星野 源
第9回(2017)『Fantôme』宇多田ヒカル
第10回(2018)BOOTLEG』米津玄師


なかなかに面白いでしょ?

勿論知っている人からすれば有名なアーティストばかりだけど、
良い感じにメジャーどころとそうじゃないところが混じっている。


何よりこの賞はブレイクする前のアーティストを取り上げる傾向があった。
初期の頃は2009年の相対性理論、2010年のTHE BAWDIES
本格的に人気が出る前の作品をこの賞で取り上げていたし、
2015年のBABYMETAL、2016年の星野源に至っては
まさにその後に日本中に知れ渡るくらいの活躍をした。

ただ最近は宇多田とか米津玄師とか、
もう別に敢えて受賞させなくても良くね?レベルの
メジャーアーティストが受賞しているのはちょっと気になるところ。

米津なんか還暦超えた俺の嫁のお母さんも知ってたし、
BOOTLEG』より『YANKEE』の方がCDショップ大賞っぽいと思う。
少なくともそのアーティストを誰もが知るようになった後での受賞は
CDショップ大賞らしくはないよなぁと個人的には感じているわけです。


さて、2009年から始まり10回目を迎えたCDショップ大賞ですが
もしそれ以前にもCDショップ大賞が開催されていたら
一体どんな作品が受賞していたんだろう?

今回はそんな発想が貧困層のやべぇ妄想企画です。


視点はシンプル、音楽好きなCDショップ店員になった気分で
”メジャーになる前夜的CDアルバムを紹介する”事である。
だからコメントも当時のリアルタイム感を出す形にしてみた。
音楽業界で働いた事が無い俺は1回こういう事やってみたかったんよねー。


というわけで、CDショップ大賞10回記念!
さらに過去10年分を遡って勝手にCDショップ大賞作品を決めちゃうぞ☆
すみませんCDショップ大賞に許可は貰ってませんゴメンなさい許して
企画をここに開催します。

さぁ2000年代の生き字引(※自称)が選んだ10枚。
異論は大いに認めます。タイムスリップした気分で楽しんでみて下さい。


勝手にCDショップ大賞1999~2008


CDショップ大賞1999

『スリーアウトチェンジ』スーパーカー(1998/4/1)


ついに日本にもこんなバンドが現れた。
思わず身を委ねたくなるノイジーなギターが溜まらない。
そのスタイルは和製レディオヘッドかはたまたマイブラか。
普段洋楽ばかり聴いている人にも自信を持ってオススメできる一枚。
これでまだ10代と言うのだから恐ろしい…。



CDショップ大賞2000

『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』ナンバーガール(1999/7/23)


衝撃だった。そしてこんなに熱い音楽が聴ける事が嬉しかった。
これまで聴いてきた邦楽ロックの概念をぶち壊すかのような濃厚さ。
そして青春の葛藤をぶつけた衝動的な音と不思議な余韻を感じる歌詞。
誰も真似できない間違いなく唯一無二の傑作が生まれたのだ。
収録曲の「透明少女」を聴けばきっとその理由が分かるはずだ。


CDショップ大賞2001

THE LIVING DEADBUMP OF CHICKEN(2000/3/25)


今後の日本の音楽はこうなる。ロックバンドは変わっていく。
そんな予感を感じさせるインディーズにして高い完成度を誇る名盤。
ボーカル藤原基央が描いているストーリー性が高い世界は、
現実とは遠いところにあるようでいて聴く者の心にぐぐっと迫る。
強烈な”弱者からの一撃が味わえる必聴の一枚。


CDショップ大賞2002

さくらの唄GOING STEADY(2001/7/6)


これを待ってた。ストレートに響く超ド直球青春ど真ん中のロック。
お洒落だとか綺麗に纏まっているだとか音楽的にどうこうとか、
そういった評価軸とは全く違う次元で彼らは存在している。
着飾らない、泥臭い音楽だからこそ共有できる感覚。
自分の気持ちをただただ叫ぶロックと言う音楽が再び産声を上げた。


CDショップ大賞2003

崩壊アンプリファーASIAN KUNG-FU GENERATION(2002/11/25)


ずっしりとした音なのにメロディックで耳に残る音。
かすれるように叫ぶボーカル後藤の魂が鳴り響く。
エモーショナルにダイナミックに、全身で音を奏でるバンドだ。
それでいて歌詞はどこか文学的で他のアーティストに無い魅力がある。
独創的なジャケットも彼らが只者でない事を物語っている。



CDショップ大賞2004

朝顔レミオロメン(2003/11/19)


「雨上がり」を最初に聴いたとき、これだ!と思った。
色々な音楽が溢れている今だからこそこういうバンドが必要だった。
日本の様々な日常風景が持っているドラマを鮮やかに映し出す。
往年のフォーク音楽をも思わせるその切り口と表現力は実に見事。
ワクワクする。彼らはこれからどんな音楽を聴かせてくれるんだろう。


CDショップ大賞2005

『Pepperoni Quattro』ELLEGARDEN(2004/5/26)


カッコイイ!最近の若者は元気が無いだなんてそんな事はない!
やっぱりロックバンドはこうでなくちゃ。そんな気持ちにさせてくれる。
米国帰りのボーカル細美武士は日本語も英語も縦横無尽に使いこなし、
繰り出すロックはカッコよくてそして時には泣けたりもする。
音楽って本当にいいものなんだと再認識できる力強い一枚。



CDショップ大賞2006

サンボマスターは君に語りかける』サンボマスター(2005/3/24)


音楽とは対話だ。日本語ロックの持つ可能性を最大限に活用し、
そしてタイトル通りリスナーにサンボマスターは語りかけてくる。
皆が何かに疲れている、癒しを求めている現代社会で、
ここまで身体に沁みるロックを奏でてくれるバンドは彼ら以外にいない。
サンボマスターのこのアルバムは優しくそして祈りのように響き渡る。



CDショップ大賞2007

『耳鳴り』チャットモンチー(2006/7/5)


もう音楽はあらゆる事をやりつくしたのか。そんな事は無かった。
ガールズバンドが、いやガールズバンドだからこそ切り開いた音楽だ。
女性のミニマルな世界を胸を締め付けるような言葉と音で紡ぎだす。
だがその抜群のメロディーセンスと類稀なる強かなバンドサウンドは
女性だとかは最早関係ない。次世代のロックの担い手になる3人組だ。



CDショップ大賞2008

『空洞です』ゆらゆら帝国(2007/10/10)


音楽をとことん突き詰めていけばこうなるのかもしれない。
これまでオルタナティブに豪胆に音楽を鳴らしていたゆらゆら帝国
辿りついたのは空洞。どうしようもない虚無感。なのに圧倒的にロック。
この明るくも暗くもないただ放り投げられただけのような音楽が
とてつもなくクールで斬新に感じられるのは何故だろうか。


総括(らしきもの)


はい、という事でタイムリープ企画いかがだったでしょうか。
俺は楽しかったです。SE辞めてCDショップ店員に転職しようかな。
あとバンドばっかりになっちった。ほら俺そういうところあるからさ。

こうやって並べると人気が出る直前の作品と言う意味では
ゆらゆら帝国とかは違う気もしたけど、基本的には評価が高くて
かつ後のブレイクのきっかけとなる作品を中心に選んだつもりだ。
でもそれならエルレは『RIOT ON THE GRILL』かもねー。そだねー


ただ冒頭にも書いたけど、
最近のCDショップ大賞は売れた後感のあるアーティストが多くて
映画祭の賞レースみたいな功労者への賞って側面も見えてきている。

だからもっと強気に売れる前の奴推してもいいんじゃないかと思う反面、
でも俺が今回紹介したCDは後の時代から遡っているわけで
結局はそれ以降の人気を知っているが故に書けるんだよなとも思った。
つまり本当に先回りして紹介するのは実はとても難しい事なんだよね。


それにCDショップ大賞の大きなポイントの一つに
”アルバムを紹介している”事があると思っている。

俺は今までもこのサイトで散々「アルバムを聴こう」と書いてきた。
特に日本では楽曲単位で注目される機会は多いんだが、
アルバムとして注目される事は非常に少ない。
さらにYoutube音楽配信、フェスの需要が今後も増加するとなると
なかなかアルバムを評価するという文化は広がりにくくなる。

そういった意味でCDショップ大賞のような
アルバムに贈られる賞というのはとても貴重な存在だと考えられるのだ。
だからもっとCDショップ大賞知名度もアップして欲しいと思う。


というわけで好き勝手に色々書きましたが、
俺はCDショップ店員さんを応援しています。
実はもうほぼオンラインショップ利用者で実店舗には行かない俺だけど、
今後も頑張って欲しいと思っています。

そしてインフルエンサーとして良い音楽を皆に発信していきましょう。
今後も全国のCDショップ店員さんの力で、
より多くの人が素敵な音楽を知る機会が増えていけばいいなと思います。

あと俺がリストラされた時は雇ってくださいPOPとか書きますんでマジで。

drr.hateblo.jp