脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】Summertime Blues / Eddie Cochran [1958]


狭い日本の「サマータイム」ブルース。


なんとサマータイムが本気で検討されているらしい。

最初は「ちょw軽い冗談でしょw」とか思ってたけど、
いやなかなかどうしてこれが本気と書いてマジと読むらしい。
あれ?生産性とか働き方改革とか言ってた気がしたけど気のせい?
さてはこの酷暑で政府も頭がやられたな。あつはなついもんね。


サマータイム
一応システム屋の身としては正直クソメンドクサイ案件なのであります。

「別に難しくないならシステムも対応すりゃいいじゃん」とか
「それでお金貰えるんだからいいだろ」みたいな方もいるみたいですが
俺は単純にそこに皆がリソースを投入する事が勿体ないと思うのね。

だってそんなにメリットないじゃん。そこまでしてやる事なの?
和暦対応すら面倒なんだよなー。そんな暇あったら別の事やりたいもん。
だからこれを「公共事業的な形で仕事が増える!」みたいに
考えちゃう自己中心的なIT屋さんは好きじゃないです。

こんな事の対応のために日本全体でどんだけ金と時間が使われるんだろ。
こういう前時代的な経済の回し方してるから、
日本ってイノベーションが起きにくいんですよ~?


しかしですなぁ、
世の中にはそんなサマータイムがラブなバンドがいたんですよぉ~

なぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃ!?やっちまったなぁ!Shiggy Jr.ぁぁ



そのリア充感漂うポップ力で注目度が上昇中のShiggy Jr.の
デビューシングルのタイトルはなんとサマータイムラブ』

ギギギ…サムネ状態のYoutubeからでも沸き上がってくるこの恐怖。
これはマズい。このままシギーちゃん達に人気が集まっていくと
サマータイムがラブな人間が増えてしまって日本が大変な事になる。
キャッチーだし、いけもこちゃん可愛いし、ここで歯止めをかけねば。


というわけでお送りするのはサマータイムブルース」です。

「ブルース」と言えば古くから黒人・労働者由来の音楽として発展し、
悲哀・嘆き・憂いなどが主に表現されてきたジャンルである。
サマータイムラブに対抗するにはこの曲しかあるまい。


時代はビートルズストーンズよりも昔、
ロックンロールの草創期にあたる1950年代まで遡る。
歌っているのはエディ・コクラン音楽史に名を残す重要人物の一人だ。

1960年代以前のポピュラーミュージックって
あまり話題になりにくいんだけど(それくらい1960年代の壁が厚い)
当然ながら1950年代にも活躍していたミュージシャンは存在する。

エディ・コクランもその一角であり、
1960年代前夜にロックンロールスターとして活躍していた人物だ。
今でも歌い継がれるロカビリーの曲を生み出したロックシンガーである。


だが彼は1960年に21歳の若さで事故死してしまう。
前年の1959年には、同じく当時のロックンロールスターだった
バディ・ホリーリッチー・ヴァレンスも事故死しており、
彼の死は50年代のロックンロール界にピリオドを打った形となった。

しかしそこから1960年代に彼らのロックンロールの意思が引き継がれ、
新しい音楽の芽が続々と生まれる事にはなるんだけれどもね。
まぁこの辺の詳しい話は専門家とかに聞いて。俺は良く知らんので。


そしてそんな彼が遺した有名な曲の一つが
この『Summertime Blues』ってわけだ。

後年のバンドにカバーされまくったロックンロールの定番曲で、
有名なのはビーチボーイズザ・フーのカバー辺りかな。
かくいう俺もザ・フーのカバーの方を先に聴いて知ったなー。



そう、実はこの曲って「ブルース」と言いつつも曲自体は
ゴキゲンなロックンロールであり、一般的なブルース感覚とはちと違う。
コード進行とかの定義に合わせればちゃんとブルースなのかもしれんが、
その辺の詳しい話は専門家とかに聞いて。俺は良く知らんので。


でもロックやジャズだってブルースが源流と言われるので、
この曲をブルースの発展形と考えれば広義のブルースではあるんだろう。

それに「哀愁や嘆きを歌う」事がブルースなのであれば、
この曲の内容は当時の若者の鬱屈さを描いたものでもあるので、
そこはしっかりブルースとも言えるし、それはつまり同時にロックだ。

観てないけど今ヒット中のドラマ義母と娘のブルース
そんな感じでブルースって名乗ってるんじゃない?
いやごめん。観てないけど多分ね。きっと嘆いたりしてるんじゃない?


そんなサマータイムの嘆きをロックンロールにのっけたこの曲は
日本のミュージシャンからもカバーされているんだけども、
有名なのはやっぱりRCサクセションがコンセプトアルバムの
『COVERS』でやった原発ソングとしてのカバーだろう。



「ゴキゲンなスタイルで嘆きを歌う」という手法に基づき
この曲を採用した忌野清志郎の選曲センスには脱帽だ。
福島の原発事故の際にも再注目されたカバー曲である。

でもこの曲ってやたら「原発反対」の声がピックアップされがちで、
しかもそれが曲のパワーも相まって凄い良い音楽に聴こえてしまって
原発スタイルばかりが”音楽の役割”みたいに定着した感があるのは
ちょっと罪な曲だなぁって思うとこでもあるんだよね。
忌野清志郎の本家のスタイルはまたちょっと違う部分にあるとも思うし。


ただ逆に言うとこの『Summertime Blues』はカバー曲としても
強力な力を発揮できる高いポテンシャルを持っているという事でもある。
偉大なロックンロールナンバーでありつつ、
嘆きを歌うには絶好の素材でもある曲なのだ。

だからこそ今一度、忌野清志郎が歌った内容を見つめ直して欲しい。

さっぱりわかんねぇ 何のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

ほら、「サマータイム」ラブな方もだんだん怪しくなってきたでしょう?


さて、そんなサマータイムの嘆きのブルースを勝手に妄想してみたけど
肝心の「サマータイム」議論がどういう方向に向かうのか心配なところ。

これって会社とかの組織単位でも良くある話ですよね。
上の人間の「お!面白そうじゃん?」みたいな思いつきで
他の人間が振り回されるという悲しき構図。あるある!

で、思い付きだけで結局は考えさせたり調べさせたりを下の人間に任せ
そして最終的に下から「これだけの時間と労力が必要です」と言われて
「はぁ?もっと簡単に出来ないの?」と文句を言い出す始末。あるある!


チャレンジ精神は大事だけど、でもこの手の話って前提として
その方向性をちゃんと皆が共有・理解していないと成り立たないわけ。
じゃなければ他人を巻き込まないでくれ。こちとらそんなに暇じゃない。

そんなわけで悲しき「サマータイム」のブルースを
また誰かが良い感じに替えで歌カバーしてくれないか期待しております。
もしShiggy Jr.がやってくれたら…お!面白そうじゃん?


【採点】
・偉大なロックンロール 30点
・ゴキゲンなブルース  30点
・疑問なサマータイム   5点
・実は気になるShiggy Jr. 3点
68点

エディ・コクラン・ベスト エディ・コクラン・ベスト
エディ・コクラン

曲名リスト
1. サマータイム・ブルース (MONO)
2. スリー・ステップス・トゥ・ヘヴン (MONO)
3. サムシン・エルス (MONO)
4. カット・アクロス・ショーティー (MONO)
5. トゥエンティ・フライト・ロック (MONO)
6. バルコニーに座って (MONO)
7. ドライヴ・イン・ショー (MONO)
8. スキニー・ジム (MONO)
9. スウィーティ・パイ (MONO)
10. コンプリートリー・スウィート (MONO)
11. ブルー・スウェード・シューズ (MONO)
12. ウィークエンド
13. カモン・エヴリバディ (MONO)
14. ティーンエイジ・ヘヴン (MONO)
15. ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソー
16. のっぽのサリー (MONO)
17. ジニー・ジニー・ジニー (MONO)
18. ロンリー (MONO)
19. エディズ・ブルース (MONO)
20. マイ・ウェイ (MONO)

Amazonで詳しく見る by G-Tools