脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】GLIM SPANKY / LOOKING FOR THE MAGIC [2018]


愚かなおっさんずたち。

重力と呼吸 LOOKING FOR THE MAGIC
GLIM SPANKY

曲名リスト
1. 4 Dimensional Desert
2. Love Is There
3. TV Show
4. ハートが冷める前に
5. The Flowers
6. In the air
7. 愚か者たち
8. Hello Sunshine
9. All Of Us
10. To The Music
11. Looking For The Magic

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若い女性の「私、中身おっさんなんだよね~」的コメント。
アレは条例とかで禁止にならんのか。

一見自虐してるようで、でもその真意は
「ちょっと人と違って面白いアタシを見て」である。
はあ?ガチのおっさん舐めてんの?匂いとか嗅いでみ?


どーも。ガチのおっさんです。
迫りくるクリスマスムードに厳戒態勢です。

さて、おっさんが「俺、心は女の子だから~」などと言うと
秒速で事案認定される世の中だとしたら、
同時に女の子が「私おっさんだわ~」と言う案件も
取り締まって欲しいんです。等しく罰せよ。どっちも許すな。


という具合にね、おっさんと女の子というのは別の生き物でして
もうそれぞれの文化圏でそれぞれが平和に暮らした方が
何も起こらなくていいんじゃないかとか最近思うんですよ。
相手を理解しようとするコストがもう国家予算レベルに高いし無駄。

しかしだ、稀にそのおっさんと女の子の間の隔たりをも超越した
現代社会学ではなかなか説明のしようがない存在が現れたりする。
GLIM SPANKYの松尾レミちゃんとかズバリそんなタイプ。
俺はもうレミちゃんラブです。おっさんずラブ。


このロックデュオ、GLIM SPANKY。
デビュー当時から平成の若者とは思えない程の
往年のロックサウンドに傾倒した音を鳴らし、
数々のおっさんずを虜にしてきたアーティストである。

根底にあるのは60~70年代のギターロック。
また時にはオルタナティブで時にはサイケデリックで、
本当に平成生まれなのかと俺は今でも経歴詐称を疑っている。
ショーンKとかに真相を暴いて貰いたい。

だから彼らのライブはやっぱりおっさんが多いらしい。
きっと若手のライブにしては珍しい臭いが漂ってるんだろうな。
おっさんずを従えて酔わせる松尾レミちゃん。たまらん。


分かったか"自称おっさん"の女子たち。
お前らのビジネスおっさんにはこちらとらもうウンザリなんだ。
本当におっさんを名乗るんだったら
これ読んでビートルズの話題ぐらい仕入れとけ。

drr.hateblo.jp
なんかちょいちょいこの記事にアクセス集まるんだけど、
こんな記事が本当に役に立ってんのかどうかちょっと知りたい。


さて、そんなガチなおっさんが惚れる音を鳴らす平成のアーティスト、
GLIM SPANKYの新作アルバムがリリースされた。
もう4作目かぁ。早いなぁ~。


今作『LOOKING FOR THE MAGIC』だけど、へヴィやね。
へヴィで暗い。重くてダーク。少しびっくりした。


一応、方向性としては前作の『BIZARRE CARNIVAL』のような
サイケデリック路線(ジャケットも似た雰囲気だし)だけど…

爽やかな曲は少なくて目立つのは重厚で尖ったギターリフの曲。
今作のリードトラックの『TV Show』もだし、
シングル曲の『ハートが冷める前に』や『愚か者たち』もそう。

これは多分、結構好みが分かれるアルバムじゃないかと思われる。
若手らしい疾走感を感じる曲が今回は無く、これをどう捉えるか。
おっさんの俺はまぁこれはこれでいいかもって感想だったけど。

しかしGLIM SPANKYも年を重ねているわけで、
デビュー時点で既に年を重ねたおっさんのような音をしてたのなら、
そりゃ今はもっとおっさん化してるのはある意味自然だ。


そして音だけではなく歌詞も脱・若者って感がある。
以前は若者ならではのパンチ力のあるフレーズがメインだったけど、
今作はやや難解で頭をひねらないといけない歌詞が多かった。

というか言葉自体がかなり絞られた表現になってるね。
サビに到達するまでの文字数が全体的に少ないような気がする。
歌詞よりもサウンド重視って作品なのかもしれない。



ただ俺はGLIMの歌詞も結構好きだったので、
フレーズが少なくなっているのはちょいと残念だ。

このリードトラック『TV Show』も
歌詞の内容としてはメディア批判のような曲なんだけど、
やや手法が古いというか今更TVを題材にするのもなぁって思った。
いやでもおっさんは未だにTVを良く観る層だからまぁアリか。

しかしこの曲、その緊張感とメリハリの効いた展開は
めちゃくちゃカッコいいの。縦ノリといった雰囲気ではないが、
拳を突き上げたくなるような力強いノリがある曲だ。


そして『愚か者たち』もちびるくらいカッコいい。



ダークでへヴィなギターリフから切り込んでくるイントロは
カミソリのような殺傷力があり刃を向けられているような感覚になる。

なんてったって『愚か者たち』だぞ。
あの近藤真彦の『愚か者』の複数系だぞ。
おっさんずな俺らはみんな愚か者だって言われてるような気分だ。
たまらん。レミちゃんになら罵られたって俺は構わない。


そんなカッコいいギター曲が目立つ今作。
『All Of Us』のような壮大な曲もあるんだけど、
やっぱり全体的には重くおっさん向けの作風である。

てか今回はかなり洋楽要素が強いな。
ますます若者離れ、おっさんずラブが進みそうな一枚だ。


ただこの雰囲気のアルバムでこのジャケットかぁ~。



LAのサルベーションマウンテンで撮影された開放感を感じるカットだ。
俺はこっちの初回盤のデザインが好きで初回盤買ったけど、
デザインは好きなんだが内容とはややアンマッチな感じが否めない。


ただ特典でついてきた小冊子のレミちゃんの写真やばい!

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たまらん。レミちゃんになら罵られたって俺は構わないぞ。


そしてGLIM SPANKYの別の変化と言えば、
今回は結構シングルを多く出してたって点も気になる。

多くの洋楽アーティストがそうであるように、
GLIMもこれまではアルバムがメインで
シングルはあまり出してこなかったんだけど、
今回は結構細切れに曲をリリースしてきた。

でもそのせいもあって今回のアルバムは
大半が既発曲という事態にもなってしまっている。
これもちょっと勿体ないと思っちゃうね。

途切れないペースで新作を出すのも凄いけど、
でもアルバムはもうちょっとじっくり煮詰めてから
満を持してリリースしても良かったんじゃないか。
ほら、おっさんは待てる人種だからね。大丈夫よ。待ってる。


と言う事で、ダークでカッコよかったけど
もうちょっと待っても良かったアルバムといった感じでした。

しかし彼らは今後もこの路線で進むんだろうなー。
邦楽シーンを賑わしている若手のスタイルからは
どんどんかけ離れていきそうだけど、でもその覚悟なんだろう。


しかし洋楽ではインディーシーンで定期的に
往年のロックリバイバルなバンドが話題になったりするけど
邦楽ではあまり例がないのも事実だ。最近だと台風クラブとか?

だからこういうアーティストって実は貴重だし、
おっさんずを音楽シーンに繋いでおくためにも
頑張って欲しいなんて個人的には思ってるんですよ。


という事でこれからもGLIM SPANKYには
こんなおっさんの気持ちをこの先ずっと汲み取って貰いたい。
そして俺が介護施設に入った後でも色々汲み取って貰いたい。


…こんな事言うからおっさんはどうしようもないんだよな。
やっぱくたばった方がいいかもしんない。おっさんずサラバ。


【採点】
・ダークでへヴィ  50点
・おっさんず好み  20点
・ジャケットも好み  5点
・もう少し待てた  -1点
74点