脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】sumika / Chime [2019]


休み明けのファンファーレ。

Chime Chime
sumika
1. 10時の方角
2. ファンファーレ
3. フィクション
4. Monday
5. ホワイトマーチ
6. Strawberry Fields
7. 秘密
8. 春夏秋冬
9. Hummingbird's Port [Instrumental]
10. Flower
11. ペルソナ・プロムナード
12. あの手、この手
13. ゴーストライター
14. Familia

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長い連休が終わりこの腐敗した世界に再び堕とされた皆様、
無事にいつも通りの日々に戻りましたでしょうか。
俺は常に五月病みたいな状態なのである意味いつもと変わりません。

そんな鬱屈な気分のあなたはもうコレを聴くしかないですね。



ぎゃあっ!眩しいっ!

Youtubeのサムネイルの時点でもう眩しい!
まだ眠いのにカーテン開けないで!
アンデッド族にポーション投げないで!


人気上昇中のバンド、sumikaのメジャー1stアルバム『Chime』。
4月から新生活を迎える層をバッチリターゲットに据えたタイミング、
今年の3月に発売され多くの日本国民の背中を押したアルバムである。

もうね、一曲目のこの『10時の方角』のイントロ聴いたその瞬間から
秒速で眩しいの。sumikaヤベー。えげつないくらいの爽やかさ。
そして「はじまりはじまり~♪」なんて底抜けに明るいサビ。
これは五月病が一発で治るか逆に悪化するかの二つに一つである。


ご存知の通り、闇属性の俺はこの手のバンドがそんなに得意ではない。
バンドは好きだしJ-POPも好きなんだけど、
ポップポップしたバンドにはなんだか苦手意識があるのだ。

まずsumikaのイケメンギタボである片岡健太きゅん、
めざましテレビの3月のマンスリーエンタメプレゼンターなる
眩しすぎるポジションもこなしており、
その時点で完全に俺とパラレルワールドの住人なのである。

つーかめざましテレビというワードがもう無理。
俺も大学生の頃は陽キャ目指して頑張ってめざましテレビ観てたけど
激マブすぎて過呼吸になったのでおはスタに鞍替えした経緯がある。

そういや最近のおはガールのGirls²が人気らしくて気になる。



そんな相容れない関係のバンド、sumikaのメジャー1stALなんだが
やはり最近話題になっている以上は避けて通れないアルバムなので、
闇属性がおそるおそる光属性に手を伸ばす覚悟で聴いてみるのである。

ああ 夜を超えて 闇を抜けて 迎えにゆこう




そ う い う と こ !

闇から抜け出させようとしてくるそういうとこ!
これが眩しすぎるんです。ああ、心が洗われる…


しかしなんなんだこのアルバムは。
冒頭から眩しすぎ飛ばし過ぎ爽やかすぎな曲の連発である。



アルバムのリードトラック『10時の方角』、
シングル曲『ファンファーレ』に続いて
またもやシングル曲『フィクション』と一気に攻めてくる。

ただ『ファンファーレ』と『フィクション』の
文字面が似てるが故にこの2曲がちょっとごっちゃになりがち。


しかしながらこれらの曲を聴いていると
「なんだかんだ言いつつも頑張らなきゃな」的な気持ちに
強引にでも向けられてゆく。これがポップスの力なんだよね。

言葉だけじゃなく音楽と共に注入される事で説得力が上がる仕組み。
だからsumikaのようなポップロックはいつの時代にも需要があるし
さらにボーカルがイケメンとくればもう勝ち確定。俺の負けなのである。


しかしこういう快活な健康優良曲ばかりをやっていると
「人生楽しんでいる奴がバンドなんかやってんじゃねぇよ」と
昔ながらのロッカー野郎から嫌われそうな感じもする。
15年くらい前の俺とかね。俺も「最近のロックは~」とか言ってたな。

だが。
アーティストの本質ってのはやっぱりアルバムで現れやすい。
これは俺の経験則だが、特にバンドはアルバムで聴くべし。


冒頭3曲の後は『Monday』。
ちょっと女性的でエロティックな匂いがしてくる、
月曜の朝を歌った曲。じわじわと本性を出してきたな片岡健太ぁ!

次は九州人の俺には馴染みは無いが、
「JR SKISKI」のテーマ曲となった『ホワイトマーチ』。



これもまぁ王道ソングってところでsumikaの持ち味なんだろうけど
次の曲は『Strawberry Fields』。昔ながらのロッカー野郎は
ついついビートルズの『Strawberry Fields Forever』を想起しちゃうぞ。

この曲がなんつーか曲も歌詞も他と違う雰囲気で面白いんですわ。
アルバム冒頭のあの突き抜けた爽やかさからはちょっと予想出来ない
アダルトでトリッキーで毒っ気がある曲。

一見なんの悩みも無さそうな人間が時折こぼしてくる
普段とは違う一面を見るの、みんな好きでしょ?俺は大好き
こんな曲があるのもまたアルバムの楽しみ方の一つであると思うし、
sumikaもこれがファンをゾクゾクさせると分かっててやってそうだ。


ゲーム音楽っぽいインスト曲『Hummingbird's Port』を挟んだ後に続く
『Flower』や『ペルソナ・プロムナード』は
ダンサブルなノリを重視した曲。ライブ映えしそうだなー。



この辺りでもまた違った顔を見せてくるわけだ。
ちくしょう。イケメンは何をやっても映えるからイケメンなんだな。


あと個人的に気になった曲は『あの手、この手』。
途中で一旦曲が終わったかと思ったら、
いきなり女性ボーカルに切り替わってまた始まったのだ。

誰が歌ってるんだろうと調べたら、
最近名前を見かけるようになった吉澤嘉代子さんだった。
最後まで曲を止めるな。この音楽は二度始まる。


前半と後半で男女のすれ違いを描いた曲で
スーパーカーの『Lucky』みたいな構成だなと思ったが、
この『あの手、この手』からは昼ドラのような生々しさを感じる。
いや昼ドラの事良く知らんけど、とりあえず手厳しいイメージ。

決して重なる事の無い男女二人のボーカルに、
その間にある音が途切れた空白の時間。
救いようのない断絶感が際立った大人の失恋ソング。
ビターだ。ビターすぎるよ片岡さん。あまーい小沢さんと中和してよ。


といった感じで思いのほかバラエティに富んだアルバムである。
じゃあ統一感があるのかというとそこはまぁトレードオフなんだが。
ただsumikaの事を良く知らなかった俺は結構楽しめたかな。

アルバムラストの曲は『Familia』。
インディーズ時代のアルバム『Familia』のタイトルと同じ名前だ。

前のアルバムのタイトル曲が何故か次のアルバムに入ってる。
この流れ、確かレッドツェッペリンにもあったな。
こうやって前のアルバムも聴くように誘導されるんですね分かります。



最後は朗らかで楽しいパーティチューンだ。
色々あったけどやっぱりsumikaってこんなバンドだよねという締め。
前のアルバムは聴いてないんだけど、
この曲で前作から続くアルバムのオチをつけた形なのかな?


新年度になり新しい元号に変わり、新たな気持ちで毎日を楽しみたい!

…と思ってはいても、なかなかうまくいかない事もありますね。
俺なんかもううまくいかない事ばっかりっすよ。
正直GWもっと休みたかったよ。全然時間足りねーっすよ。

でもそんな人に寄り添ってくれるようなsumikaのこの『Chime』は、
本当にナイスなタイミングでリリースされたアルバムでしょう。

眩しいけれどそれくらいでちょうどいい。
新しい気持ちと共に聴いて欲しい一枚。
いざ行けよ。心向く方に。


【採点】
・新生活にピッタリ 40点
・眩しい程に爽やか 20点
・でも時々ビター  10点
・イケメン修正   -3点
67点


コメント追記

id:kantanstresskaisyouさん
なるほど、前作はまだそんなに眩しくなかったんですね…。
つまり光堕ちされたという事か。