脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】Poppin'Party × SILENT SIREN / NO GIRL NO CRY [2019]


英語の構文をおさらいしなきゃ。


ここ最近はどんな場面でもジェンダーの話の取り扱いには
十分に注意をしないといけない空気なのが本当に面倒臭くて…。
プライベートの会話でもちょっと気を遣うじゃないですかマジで。

俺はあまり神経尖らせまくるのも精神衛生上良くないと思うので、
もっと気軽な気持ちで男の子や女の子の話題を口にしたいんですよ。
男子全体、女子全体ではなく個人の属性として性別の話をするわけで。


そんな中、こんなに堂々と「ガールズ」バンドの話が出来るのは
やっぱり有難いよね。ガールズバンド、好きでしょみんな?

アニメ『BanG Dream!』から飛び出したガールズバンドであり、
声優ユニットとしてリアルでも活躍中の「Poppin'Party」と
読モから飛び出したまさに「ガールズ!」って感じの
ガールズバンド「SILENT SIREN」の対バンシングル曲。

その名も『NO GIRL NO CRY』である。


いやぁ実は私、
SILENT SIREN通称サイサイは結構前から聴いてるんですけど、
Poppin'Party通称ポピパは履修してなかったんですよ恥ずかしながら。

この曲を知る前にちゃんと抑えておくべきでしたわ。
彼女たち、なんと今年の5月にメットライフドーム
対バンライブしてたんやね。ドームってマジか。知らんかったわ…



その2組の対バンライブのテーマソングだったのがこの
『NO GIRL NO CRY』だったというわけである。


そんな両バンドにとって記念となった曲『NO GIRL NO CRY』。
ポピパverとサイサイverの2パターンが先行で配信され、
その後対バンverとしてコラボシングルが発表されたようだ。



あーこの手の曲ツボですわ。

ベース&ドラムの入りとイントロのギターのメロディの時点で
完全に2000年代っ子の俺を直撃。疾走感やサビ前のタメもイイ感じ。

そしてサビの「NO GIRL NO CRY!」のフレーズがバッチリ。
キラキラしたガールズロックの王道中の王道ソングである。
俺は体調が悪いのを忘れてしまい、これを聴きながら体揺らしてたら
その後体調崩した。おいおいどうしてくれる。自己責任か。


この「NO GIRL NO CRY」という言い回し、曲調は違えど
やっぱりレゲエの神様であるボブ・マーリー御大の代表曲
No Woman, No Cry』を意識しているのは間違いないだろう。



「WOMAN」ではなく「GIRLS」になっている点が最大のポイント。
女性じゃないんだ、彼女たちは女の子なんダヨ!ここ大事!
ちなみに男の子は『Boys Don't Cry』と昔から決まってます。辛たん。


さて、この曲は最初から対バンを意識して作られたという意味では
実は結構珍しい背景を持つ曲なんじゃないかと思います。

バンド側も「自分達の曲なんだけど他のバンドの曲でもある」という
凄いヘンテコな気分で演奏しないといけないので、
モチベーションをどう持って行ったのかが気になるところである。

歌詞の中には

わたしたちのカンケイは
ライバル(Hi!)なのかな?(Yes!)
でも負けないよ いざ Versus! 

と対抗意識バリバリの内容があるんだけど、
でもサビの山を越えた後で

カンケイセイの名前は
バチバチのOver Friends!

と歌っているところから最終的にポピパとサイサイは
友達以上のナニカという結論になったようです。


しかし個人的に気になるのは歌詞にも出てくる
泣かない女子はいない
というところである。

これはタイトルである「NO GIRL NO CRY」の訳と思われるが、
果たしてそれで良いのかという勝手なツッコミを入れたくなったのだ。


確かにタワレコのキャッチコピーである
「NO MUSIC, NO LIFE」は”音楽が無い人生は無い”の意だし、
「NO~ NO~」構文の対訳としては英文法的には正しい気はする。

しかしこれが前述のボブマーリーの『NO WOMAN NO CRY』と
同じ使い方だとするとそのまま訳すのはちょっと違う気がするのね。

ボブマーリーの曲は「泣かない女性はいない」ではなく
どちらかというと「女性よ、泣かないで」的な意味だったと思う。
文法そのままではない解釈になるというかそういう語法。

そりゃまぁ『NO GIRL NO CRY』については
歌の中で「泣かない女の子はいない」って言ってるんだから
そう捉えるべきなんだろうけど、なんとなーく俺としては
女子たちよ、泣かないで!」みたいな解釈の方が好きだったなぁ。


…と、ちょっと真面目な英文法の話。
「TOO~,TOO~」構文とかもそうだけど、二重否定系の文章って
単純な直訳じゃない方が真意だったりするので難しいよね。


さて、そんな気になるところもあるこの曲、
ポピパVerとサイサイVerもそれぞれあるわけなんですが…



…このポピパVer、ほぼほぼコラボVerと一緒じゃん…。
いや正確にはポピパVerの方がコラボ時に採用されたって事か。

対してサイサイVer。



リズムを刻む時の荒々しさや音の持っていき方がサイサイだ。
あと衣装も読モのサイサイの方がガールズ感が盛り盛りである。

しかし立場的にポピパサイドからではなくサイサイサイドから聴いた
俺としてはやっぱサイサイバージョンに馴染みがあるなぁ…。

でもコラボVerでは完全にポピパVerがベースの音になっており、
もっとサイサイ要素も加えて欲しかったなというのが本音である。


ただこの2組のバンド、ポピパとサイサイは
それぞれ声優出身のバンドと読モ出身のバンドという事で、
互いに片手間の遊びバンドと見られがちだったという点では
むしろ戦友といったカンケイが正しい見方なのかもしれない。

そんな彼女達が『NO GIRL NO CRY』といったテーマを掲げて
共闘していると考えれば非常にアツイものがある。
曲もどちらのイメージにも合った雰囲気の曲で、
それぞれのファン同士の接点が生まれやすい組み合わせと言える。

男性らしさとか女性らしさとかがとやかく言われる時代だが、
「ガールズ」としてのポジションを自覚しつつ活動する彼女達の姿は、
やはり男女関係なしに応援したくなるものである。


そういや最近はおもちゃもジェンダーレス化が進んでいるようで、
バンダイのおもちゃもライダーは男の子向け、プリキュアは女の子向け
みたいなカテゴリーをなくしていくみたいなニュースがあった。

ガールズバンドだって、楽しむのに性別の差は無い!
ガールズとついてようが、ボーイズとついてようが、
誰だって楽しんでいいってのも音楽の魅力である。

よし、次は男も誰か2組で「NO BOY NO CRY」やってくれ。
マイヘアとオーラルとか。ラッドとバクナンとか。

男だって、泣かない男はいないんだぜ。


【採点】
・ガールズバンド対決 30点
・ドームライブしてた 30点
・英語の難しい構文  20点
・サイサイ要素をもうちょっと…
           -3点
77点