脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】BUMP OF CHICKEN / aurora arc [2019]


BUMP BUMP 君じゃないと

aurora arc aurora arc
BUMP OF CHICKEN

曲名リスト
1. aurora arc
2. 月虹
3. Aurora
4. 記念撮影
5. ジャングルジム
6. リボン
7. シリウス
8. アリア
9. 話がしたいよ
10. アンサー
11. 望遠のマーチ
12. Spica
13. 新世界
14. 流れ星の正体

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BUMP OF CHICKENが
インディーズ1stアルバム『FLAME VEIN』をリリースしたのは
もう今から20年も前になる1999年の事だった。

その頃はBUMPの事を知らなかった俺だが、
2年後の『天体観測』に衝撃を受けてインディーズ盤を買い漁り
今でも家のCDラックに収まっている。

ちなみに現在BUMPのインディーズ盤は廃盤になっているので
将来生活が危うくなったら売ろうかとか思っていたが、
メジャーから再発されているので現在もさほど価値はなくちょい残念。


しかしBUMPは俺らの世代にとっては本当に思い出深いバンドなのだ。
高校時代はラジオでバンプの新曲が流れるのをエアチェックしてたなぁ。
エアチェックなんて言葉自体がもう古臭くなってしまったが。

録画したBUMPのロッキンのビデオテープ(これも古っ)を
友達に貸すために高校に持っていってこそこそ渡していたら、
周りからいかがわしい目で観られヤバイビデオ屋さんと思われたのも
今や懐かしくて救いようのない青春の1ページになっている。


そう、気付けば俺とBUMPはもう20年近くもの間柄になるわけだ。

まぁ間柄と言ってもBUMPサイドは俺の事なんか知らんだろうけどさ、
でも俺にとっては青春を共にしたバンドなので、
こうやって令和に時代が変わってもずっと気になるバンドがBUMPだ。

でも周りにはもうBUMPを聴いてないという同世代の人間も多い。
昔BUMP聴いてたみんな、大人になった今は何聴いてんのかな。
King Gnu?ヒゲ男?ずと真夜?ヨルシカ?もう音楽聴いてない?

いいですか、かつてBUMPを聴いていたと言うあなた。
そう、「BUMPはユグドラシル以降は聴いてません」とか言うお前だ。


この『aurora arc』は聴くんだ。久しぶりでいいからBUMPを聴け。
つーかみんな聴け。君にBUMP。全員BUMP。国民総CHICKEN。




聴いた?分かった?分からない?

そうだね、一曲じゃ分からねぇだろう。
じゃあもうアルバム聴くしかないよね。
よし、アルバム聴け。きけふじわらもとおのこえ。


今回のアルバム『aurora arc』、
こいつを一言でいうならば「めっちゃ優等生」である。
そして離れていたであろうかつてのBUMPファンにも
確かに訴えかけるものがある。それくらいの力作だった。


1曲目の『aurora arc』はたまにあるインスト曲。
アルバムのオープニングを飾る曲だけど、
ただ正直これについてはちょっと冗長だなとは思った。

だが2曲目『月虹』(「げっこう」と読むらしい)でガツンと来る。
ちょっとだけイントロが世界に一つだけの花かと思わせるが、
そのままアイリッシュサウンドになだれ込み力強いロックとなる。
これは良い。良いです。こんなBUMPを俺は待っていたのかもしれん。

まぁイントロから2曲目に強力な曲を持ってくるパターンは
アルバムあるあるなので当たり前っちゃ当たり前なんだけど、
3曲目に上に挙げたアルバムタイトル曲と思しき『Aurora』が。
あ、そう来る?ここでそう来ますか。あいたた、やられた。


そして4曲目はちょっと落ち着き『記念撮影』。



最近のBUMPらしさと昔のBUMPらしさが程よく混じった曲やね。
しっかしメロへの歌詞の載せ方、歌い方が切なさを倍加させるぜ。

そしてアコースティックで聴かせる『ジャングルジム』と、
静かに展開しじわじわと湧き上がってくる展開の『リボン』を経て

個人的に今作でもお気に入りの曲『シリウス』!


これなんか俺と同世代のBUMPファンなら間違いなくクるはず。
MVもカッコいいし、久々にBUMPで熱くなる曲が来ました。
歌詞も昔から聴いてる俺ら向けのような内容でオススメ。


そして『アリア』。



これも懐かしい昔っぽい雰囲気がありながら音作りは新しめ。
サビっぽいBメロからのコーラス展開はさすがのBUMP節。


そして『話がしたいよ』。しんみり来る一曲だ。



BUMPのこのタイプの曲は
個人的にはそこまで好んでは聴かないんだけど
アルバムの流れの中で聴く分にはいいなーって感じだ。


…つーか曲がyoutubeにアップされまくりで、
アルバムの2/3くらいがyoutubeで聴けちまうのすげーなって思った。

まぁつまりそれはガチファンからすると
既発曲ばかりって話になるんでしょうけどね…。
基本的にアルバムを軸にして聴く俺としては構わないんだけどさ。


ただ冒頭に述べたように今作は「優等生」アルバムではあるが、
故に「刺激的」なアルバムとは言い難いってのは一理ある。

特に良くある音楽評論なんかでは常に”新しさ”が求められており、
ただの過去の焼き直しでは評価されない傾向にある。
あと時代背景等も重視され、コンテンポラリー性も必要だったりする。

そういう視点に立てば今作は魅力に欠けるアルバムとも言える。
だから俺は敢えて「優等生」と表現を使ってみた。
みんなが安心して期待通りに聴けるBUMPのアルバムという意味だ。
斬新さよりも心地良さ、でもそういう評価があってもいいよね。


さて、引き続き収録曲に参ります。次なる『アンサー』は
MVががっつりアニメ『3月のライオン』で制作されています。



…ちょっ、これめっちゃMVヤバない

曲と映像がマッチしすぎてて映画観てる気分。
BUMPの音楽とアニメがベストマッチフォームの組みあわせだ。
ちなみに漫画しか見てないけど『3月のライオン』はクソ面白いぜ。


『望遠のマーチ』。



BUMPのお家芸うぉうぅうぉうがこれでもかってくらい堪能出来る。

ギターの鳴り方も好きだ。エッジの効き方やうねり方がカッコイイ。
先程の『アンサー』もそうだったけど、
この辺りの曲もかつてのBUMPファンに是非とも聴いて欲しい曲だ。


次の『Spica』は一転して今風のBUMP曲。



俺はあまり好きな曲ではないんだけど、
時折顔を見せるバンドサウンドは憎いね。
あと壮大なスケール感はアルバムタイトルにも沿った形だ。


『新世界』はロッテの70周年記念アニメのテーマ曲。



ベイビーアイラブユーだぜ」というこっぱずかしい歌詞が
何度も入ってくるのが特徴。かなりポップな曲調で、
BUMPの曲の中では珍しく楽し気な気持ちになれる曲だ。


本編ラストは『流れ星の正体』。



この手のBUMP曲がそんなに好きじゃない俺でも、
この『流れ星の正体』は何故かとても響いた。

流れ星の正体を僕らは知っている


サビ終わりのこの言葉があまりに素敵で印象的な曲だ。

そして大サビと言えるラストの展開、
実質的にアルバムのオオトリと言える部分は圧巻だ。

じわじわ浮かび上がってくる音と共に
力強いフジくんの声で響き渡るメッセージ。

太陽が忘れた路地裏に
心を殺した教室の窓に
逃げ込んだ毛布の内側に
全ての力で輝け 流れ星




確かにBUMPはもうかつてのBUMPではなくなってしまった。

昔はもっと俺らの傍にいたバンドのような気がしていたんだ。
俺みたいな大した力もなくくだを巻いているような人間にとって、
BUMP OF CHICKENという邦楽界に現れた流れ星が活躍する様子は
それはもうロック少年たちの心をキラキラ輝かせてくれたんだ。

だが次第にBUMPは大きくなった。
俺らも体と年の数だけは大きくなったが大半はそれだけだった。


BUMPは今やアルバム出せばドームツアー出来るようなバンドだ。
かつてロック界の新星で俺らのヒーローだったBUMPは
もう俺らとは絶対的に遠い違う世界に行ってしまったのだ。

そんな俺らの手元から離れていくような感覚、
確かにBUMPは音楽性が変わったのもあるけれど
かつてBUMPが好きだった人達が聴かなくなってしまった理由には
俺らのBUMP感」がどんどん無くなってしまったのもあるだろう。


けどよくよく考えたらBUMPが歌ってる事は
今も昔も根本は変わっていないんじゃないだろうか。

『流れ星の正体』のラストを聴いてそう思った。

BUMPはいつも「俺らの事」を歌ってくれていたじゃないか。
20年経ったけど、やっぱりBUMPはBUMPでしか無かった。

だから聴くんだ、この『aurora arc』を。
BUMPから離れていた人達、みんなもう一度聴いてみろ。

これはある意味これまでのBUMPの総決算とも言えるアルバムだ。
ぶっちゃけベストとこのアルバム聴けばBUMPのおさらいが出来る。

ここには「俺らのBUMP」がいるぞ。



あ、あと今回のボーナストラック『ぱやぱぱエース』も
めちゃいい曲なんで是非聴いてくれ。


【採点】
・BUMPの思い出と共に 10点
・優等生ラインナップ  10点
・youtubeで聴けまくり 10点
・ぱやぱぱエース収録  50点
80点