脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

20年前、音楽が貴重だった時代を思い返す。


時には昔の話を。


いやー、早いもので今年も残すところあと350日くらいとなりました。

笑点の歌丸師匠のお馴染みのセリフを今年もお借りして始めさせていただきます。
そういや三平さんって笑点卒業したのね。なんか色々あったんだろうね。色々とね。


さて、昨年のベスト音楽とか今年来るアーティストとかの企画も色々終わって、界隈の皆さんにおかれましてはちょっと落ち着いてきた頃なんでしょうか。

は?
お前らそんなんでいいんか?ボヤボヤしている暇なんかないぞ。また新しい年が始まったんだぞ。血眼になって新しい音楽を探せ。もうゲームは始まってるんだ。良いモノを探してみんな(と俺)に広めろ。それが人類のQOLを増加させることに繋がる。そういう研究結果がアメリカのスタンフォード大学あたりで出るんじゃないかと思う。


俺はというとですね、昨年から本格的に個人事業でやっておりまして嫁と二人で自宅の4畳半の一室で狭々とWebとかプログラムとかイラストとか動画とかやっております。4畳半フォークならぬ4畳半デザイナーですわ。これぞ令和Style。

で、基本自宅から出る事がないので結構な時間音楽を流しているんですよね。ええ、がっつり音楽聴きながら仕事してますとも。すみません取引先の皆さん。でもぼくはまじめにやっています。知ってます?音楽聴きながら仕事すると結構効果があるって研究結果がどっかの大学で出てるんですよ。これはガチだから。これはマジだから。


これまでは結構車の中で音楽を聴く事が多くて、通勤時間片道でちょうどアルバム1枚分くらいだったし運転しながら音楽聴くの好きだから個人的にはそれはそれで悪くない時間だったんだけど、環境が変わってしまって基本音楽は家の中で聴くようになった。

ただ仕事中に嫁と同じ部屋で音楽をかけていると曲によっては「その曲はちょっとやめて」とのクレームが入る事があるので気軽に音楽を流せない時があるのは困る。なんでぇー、アイナ・ジ・エンドいいじゃーん。なんでダメなんだよぉー。

というわけで最近はずっとヘッドホンを装着しっぱなしでほぼデスク前から動かない状態で日中を過ごしているんだけど、もうこれがこれが肩は凝るわヘッドホンで耳は痛くなるわであんまり良くない状態なんですよね。今年はこの辺を改善したいところ。

だから今欲しいのはネックスピーカー。

誰か買ってくれないかしら。



しかし月日の流れは早いものでもう2022年です。
ヤバくね。だって10年前が2012年だぜ。嘘過ぎるでしょ。

2012年の曲ってなんだっけと思いついたのがこれだぜ。

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10年早すぎるだろ。そういや仮谷せいらちゃん去年結婚したんだよね。おめでとう。


しかし俺の高校時代がもう20年前と考えると、俺はもう本当に遠いところまで来てしまったんだとセンチな気分になっちゃう。今でも俺が本当に二児の父でいいのかと思う事があるよ。すまんな娘たちよ。実は君たちが寝た後にこっそりアイスとか食ってるんだ俺。すまんな。


そこで、個人的にも最近環境が変わったのもあって、ふと昔を懐古する事があったので、今日はちょっと20年前くらいの昔話に花を咲かせてみようかと思う。大した内容でもないんだが、現代との時代のギャップを考えてみるにはいい話かもしれない。

いつもに増して取り留めもない話だが、そんな時代もあったねと話せる日という事で、時には昔の話をしてみましょうかね。ちょっと俺の黒歴史にも触れる事になるかもしれんが構わん。今日はそんな気分なんだ。

MDマジ全盛期。


昨年末、こんなニュースがあった。

www.nippon.com


なんと、ついに辞書からコギャル着メロMDも消えるそうだ!!

おいおい、つい数年前hideが『子 ギャル』をリリースしたばかりじゃないか!

…って調べたけどあれもう2014年なのか…。

www.youtube.com

時の流れ早すぎぃ…。


MD」。ミニディスク。

早い話がカセットテープがデジタル化してディスクになったようなもんで、カセットテープのように録音できるけどトラックが区切られるので頭出しが出来るというのが特長だ。カセットテープも知らないと言うZ世代はググれ。え?「ググれ」も分からない?あーもうめんどくせぇな。ひろゆきにでもスパチャして質問しとけ。

2000年代初頭ってのはMDを持っている人間こそがナウいヤング(※当時も死語)であり人権を獲得していた時代だった。今思うと信じられないかもしれないが、自由に音楽を録音してオリジナルの選曲が出来るMDというアイテムは俺らにとって神アイテムだったのだ。

中学生の時、MDコンポを買って貰ったときはそれはもう嬉しくてたまらなかった。当時は今と違ってクラスのみんなが音楽に興味を持っていた時代だったし、MDがあればそこに好きな音楽をいっぱい詰め込めるというワクワク感があったんだ。

俺が最初にMDに録音したのは多分スピッツモーツァルトだったと思う。今思うとなんの意味もないけど持ってたCDをそのままMDに録音して部屋で聴いていた。でもそれが当時はとても楽しかった。俺も友達が遊びに来た時はウッキウキでコンポから音楽をかけていた。

その思い出のMDコンポは結局大学の間もずっと使ってて、10年間くらい経って働き始めた後に壊れたかな。まさに俺の青春時代を共に駆け抜けたMDコンポ。壊れてから割とあっさり処分しちゃったけど。ごめんよ。今思うとすげー会いたくなってきたよ…。みんな、思い出の品は簡単に捨てたりするなよ。。。

 

 

着メロで自己表現。


そして「着メロ」。これもMDと同じく2000年代初頭の若者の必須アイテムだったケータイ電話の機能である。ケータイの着信音を好きな音楽のメロディに設定できるという当時の俺らにとっては夢のような機能だったのだ。単純に好きな曲にするもよし、流行の曲にして流行に敏感な自分を演出するもよし、マイナーバンドの曲にして自分のセンスに自己陶酔するもよし、だ。ちなみに俺は言わずもがな自己陶酔タイプだった。

着メロを設定する方法はシンプルに好きな着メロを買ってダウンロードする方法の他に、自分でメロディをポチポチ入力して作成する事が出来るケータイの機種もあった。あれってよく考えたらちょっとしたDTMの先駆けみたいな機能だったな。

そして当時は着メロの雑誌もあって人気曲のメロディが色々載っていたわけだ。それを参考に自分でポチポチとケータイに入力して着信音を設定していた。あと俺は図書館から楽譜とか借りてきてそれを頑張って入力してたりしてたなぁ。ただ着メロも音がどんどん複雑化して綺麗になっていく中で、自分で入力するタイプの着メロはクオリティが相対的に下がっていき次第に無くなっていった。


ケータイ用のWebサイトも当時は沢山あって、着メロのダウンロードサイトも戦国時代。定額でダウンロードし放題みたいな今でいうサブスクみたいなサービスをやっていたところもあった。俺は一時期とある着メロサイトのレビュー機能にハマってて、自分のおススメの着メロのレビュー(大体マイナーバンドのヤツ)を書いてはその着メロのランキングが上昇するとニヤニヤするという気持ち悪い趣味を持っていた。

こんな風にMDしかり着メロしかり、音楽をファッションのように身に着けるのが当たり前だったね。着メロはそれはもう短い周期でコロコロ変更しては、誰かからの着信やメールが来るのを楽しみにしていた。でも俺はあまり友達がいなかったからメルマガとか登録してた(音楽ランキングとかリリース情報のメルマガを登録してた)。

そんな思い出の言葉たちもいよいよ辞書から消える時が来た。しかしMDが消えるとはね…。多分レコードやカセットテープはまだ辞書に載ってそうだから、MD時代の俺らは時の狭間に吸い込まれていない事にされてしまった世代という事になるな…。

本当に苦労して曲を聴いていた


こうやって20年くらい前を振り返ってみると、特に「公式音源への憧れ」というものがみんな強かった事も特徴として挙げられる。今でも俺と同世代にはそういう感覚の人が多いんじゃないかな。つまりはちゃんとパッケージして発売された綺麗な音源を所持していたいという欲求である。

今では公式がYoutubeで曲をフル尺でアップしてたりSpotifyのようなサービスでまるっとアルバムも聴けちゃったりするので、ここに慣れている人には感覚が全く伝わらないと思うが、当時はちゃんとしたフル音源を聴くためには基本的にCDを入手するしか方法がなかったのである。

これはもう今考えると信じられない話で、聴きたい曲があったらあっさり聴けちゃう今の環境が神過ぎるのだと思っている。当時はそんなサービスなんて無かったわけでさぁ、俺がどれだけ苦労して音楽を聴いていたのか分かるのかって話ですよ。


20年前の俺はなぁ、ラジオをMDに録音して編集で聴きたい音楽の部分だけ切り出すなんて事も結構やっていたんだぞ。ラジオ番組表を見て聴きたい放送の予約録音設定までして録音できていたらせっせと切り出し作業をして…大変な作業だぜ?アホだよなぁ~まぁそれが楽しかったりもしたんだけどね。

しかしやっぱりラジオの音はラジオでしかない。例え一曲まるまるラジオで流れて録音できていたとしても、ちゃんとCDから録音した音じゃないと満足できない。いいと思った曲はとにかくCDを入手して公式な音源をMDに収める。それが俺の音楽ライフだった。


そして学生時代は金が無かった。だからレンタルを駆使していたのだ。今はもう次々と廃業に追い込まれているレンタル業だが、20年前の俺にとってはワンダーランドだった。特に新譜はレンタル解禁が発売日から遅れる事も多いので、聴きたい曲のレンタル解禁日は学校が終わるとすぐにレンタルショップに直行していた。

だが新譜は人気で先に借りられている事も多く、解禁日の夕方に行ったのにもう全部借りられているという事もあった。しかし平日の昼間に誰が借りているというのか。当時の俺が出した答えはおそらく主婦だ。俺は主婦を憎んだ。俺は音楽ライフを阻む存在として主婦を憎んでいた。

なかなか巡り合えなかった洋楽


とにかくCDからしか純粋な音源を入手できなかった時代、俺にとって最も難関だったのが洋楽である。今はレンタルでも多少緩和されてきたっぽい?けど、当時は洋楽のレンタル解禁は発売から一年後なんて事が当たり前だった。当時はそれが不満でしょうがなかった(後からどこかでレンタルの形態が日本独特の契約方法で成り立っているため洋楽はなかなか解禁されないという話を聞いてほえーと思った)

当時の俺はラジオの他にもスペースシャワーTVとかViewsic(後のM-ON)などの有線音楽番組も結構観ていて、そこで洋楽に触れる事が多かった。洋楽の情報は地上波ではなかなか仕入れる事が出来なかったのでそういった音楽専門チャンネルが俺の洋楽への入り口になっていたわけだ。

んで、音源が欲しいと思っても新譜の場合はレンタルに期待できなかったので購入するしか無かった。そしてMDに録音したら割と売っていた。許してくれ。別のCDを買うためには仕方ないのである。ちなみに社会人になって買い戻した洋楽のCDが結構ある。無駄な行為かもしれないが、俺の中では思い出を買い戻しているわけなので問題ない。

そして特にお世話になったのがブックオフ図書館である。

前述の通り洋楽を聴きたいと思う若者にとって当時の日本はかなり絶望的な状況であり、しかもそれは新譜に限らなかった。例えば音楽雑誌を読んで聴きたいと思った過去の洋楽の名盤があっても、意外とレンタルショップに置いてなかったりしたのだ。都会のレンタルショップだと違ったかもしれないが、俺が住んでいた田舎においては洋楽の需要はそこまで高くなかったようだ。

だから俺はブックオフのような中古CDショップを自転車で巡りまくっていた。雑誌で読んで聴きたいと思ったCD、学校が終わってから家にも帰らず3時間くらい市内のブックオフを駆けまわっていた事が何度もあった。そりゃCDショップに取り寄せ依頼すればいいかもしれんが、俺は金が無かったのだ。ブックオフで見つければうまくいけば300円くらいで名盤が手に入るのだ。そのためにはいかなる労力も惜しまなかった。

そして意外な穴場だったのが図書館だ。地元の図書館には昔の洋楽のCDが結構置いてあったのだ。勿論新譜は全く置いてないのだが、昔の洋楽がしかも無料で入手できるとあって俺は図書館にもかなりの頻度で通い詰めていた。

そして目当てのものを見つけたときのあの感動。何せ雑誌でしか読んだことが無い、どんな曲かも分からない音楽なわけよ。今みたいに気になったらすぐ検索して聴けちゃう時代じゃないんだよ。本に書いてある情報を元に脳内で想像だけが膨らんでいるわけ。その実物をやっと入手できて、いざCDをプレイヤーにセットして聴き始めたときの感動ったら!

あの気分はもう今の時代では味わえないだろうなー。
不便な時代だったからこそ味わえた感覚。思い出補正だって?別に思い出補正でもいい。これはいつまでも俺にとっての忘れられない経験なのだから。

そして闇落ちへ…


そんな汗臭い思い出と共にあるかつての俺の音楽ライフ。
しかし汗臭さ以外にもくっさい思い出がある事も触れておこう。

音楽にハマったヤツあるある。
それはメジャーな音楽への反抗
音楽のダークサイドに堕ちる、つまり闇落ちである。

アナキン・スカイウォーカーが暗黒面に取り込まれたように、20年前の俺もまたその道に落ち始めていた。(多分大学時代が一番落ちていた気がするので20年前はまだマシだったかな?)

巷で流行っている音楽、特に自分達で曲を作っていないアーティストの曲を「大したことない音楽」と思うようになり、俺は一時期自分の独自のランキングを勝手に作って友人数名に定期的にメール送信するという暗黒なメルマガをやったりしていた。

他にも音楽雑誌を無理やり友達に貸したりするのは序の口として、おススメの曲を集めた自作のオリジナルMDを作成し自分で曲の解説(つまりライナーノーツ)を書いて友達に渡したりと、まぁ振り返るととんでもなく恥ずかしい行為を当時はやっていたなと思う。

だが結局はいい歳した大人になった今でもこうやって恥ずかしいブログ書いたりプレイリスト作って公開している辺り、やっぱり人間の根本的部分は何も変わってないなとも思うよね(苦笑)。むしろ当時やっていた数々の奇行が今こうやって活かされている(のか?)とも言えるんだろうけど。

ただ当時と違って変わったのは流行りのメジャーな音楽も結構聴くようになった事かな。

闇落ちしていた昔は本当にメジャー嫌いが半端ない時期もあって、聴く前から「これは俺が嫌いな音楽だ」なんて思う事もあったしね。そう考えると俺も大分丸くなったと思います。

変わっていく音楽環境


そんなわけでちょっとだけ昔を懐かしみながら俺の黒歴史も含めて話してみた。
だが俺の黒歴史はこんなもんじゃないからな。これはまだほんの一部に過ぎない。
本当にヤバい歴史はお酒が入らないと暴露しないし、しかも俺は全然お酒飲まなくなったので、ディアナ様に暴かれない限りその歴史は封印されたままだ。よしなに。

そういえば黒歴史って俺の敬愛するターンAガンダムの用語なんだぜ。
語感からして意味が分かりやすいのですっかり浸透してるけど。
ターンAガンダムめっちゃいいからみんな観てね。音楽が菅野よう子だぞ。


今の時代は本当に便利になった。そのことは明らかだ。
聴きたいと思った音楽は大体すぐ聴けちゃう。
20年前の俺みたいに汗臭さを代償に音楽を求めなくて良くなったのだ。

そして実は俺もめっきりCDを買う機会が減ってしまった。

家族経営を始めて自由に使えるお金を減らしているのもあるけど、確実にCDの需要自体が無くなってきている。ネットがあれば自由に音楽を聴けるし、CDも結局はPCに取り込んで転送するだけ。そしてそれを聴く媒体もPCかiPod。一応CD&MDが再生できるコンポ(2代目)はあるけど、殆ど稼働していない。

そしてこれまでみたいに車で聴かなくなり、何かの作業と並行して聴く事が増えたのでじっくり一人で耳を傾けて音楽を聴く機会も減ってきた。時代・環境が変わると音楽の聴き方も否が応でも変化していくという事。それを強く感じている。


CD棚を眺めながら当時の事を思い出す。

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俺のCD棚


娘たちがたまに勝手に取り出してぐちゃぐちゃにしたりしている。おそらく娘達にはもうCDという存在自体が謎のものになっていくんだろう。昔は友人たちにこのCD棚で自分のセンスの良さを見せつけてやろうなんて思っていたんだけどね…。

しかしこうやって見るとやっぱりバンド系に偏りがあるなー。でも好きなジャンルなんて偏ってなんぼだ。恥ずかしがらずに自分の好きな音楽を誇ろう。たださすがに場所取りすぎなんで、子どもも大きくなるし今後はどうしようかマジで考えないといけない時期に来ています。ちなみにこれと同じくらい漫画棚もあるので…うーん。


とりあえずはなんだかんだで事業もそこそこ順調でそれなりに忙しい。
充実しているし楽しい日々を過ごせている。

今年も色んな事があるだろう。
そして色んな事が過去になっていくんだろう。

そしてまたいつか昔の話をしたくなったときに、笑いながら話せるといいですね。

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