【Album】スピラ・スピカ / ナガレボシトレイン [2022]
カワイイ子にはうたのおねえさんをさせよ。
人間ってのは不思議なものだ。
生きているとたまに「あ～今のもう一回聴きてぇ～」というヘビロテ音楽にぶち当たる事がある。それも定期的にだ。あの現象はなんなんだろう。
あなたは最近、ヘビロテ音楽に出逢えていますか？？
思い返せば若い頃は、毎週毎週コロコロとヘビロテ音楽が変わっていたでしょう？？
それはあなたが恋多きお年頃だったからです。
なのに最近はそんな曲に出逢えていない…それは時を経てあなたが大人になってしまったからです。色々な事を知り、色んな経験を積み、新たな出逢いのトキメキを失ってしまったからです。
でも大丈夫。大人になってもヘビロテ音楽には必ず巡り合えます。
音楽マッチング裏サイトとしてココを運営してきた私なら、あなたにふさわしい素敵な音楽をご提供してあげられます。
という事で、今年私がヘビロテしまくった曲をご紹介したいと思います。
こちらです。
前クール大人気だったTVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』のOP曲、スピラ・スピカの『燦々デイズ』！なんて多幸感に溢れたエネルギッシュな音楽なんだコイツぁ！！
まずね、『その着せ替え人形は恋をする』通称”着せ恋”なんだけどさ、１話観た感想は「あーまた良くある暗い非モテの男がひょんな事から美少女と知り合いになって不思議な関係を築いていく系の話ねハイハイ」くらいに思ってたんだ。
もう漫画とかでその手の話って珍しくもなんともないしね、干支も三周して年季の入ったオタクの俺からすれば、こんなフィクションに浸ってばっかりいると現実の非情さとのギャップでオタクがみんな精神崩壊を引き起こして、日本男性の幸福度がますます下がっていく一方なんじゃないかと危惧しているくらいなんだよ。
なのに…なのに…ヒロインの喜多川海夢がクソ可愛いせいで2話以降もずっと観てしまって…その上OPの『燦々デイズ』がめちゃめちゃいい仕事してたのもあって結局アニメ全話観たら「あーめっちゃいいアニメやった２期早くしろなんならコミックスも買うわ」という境地に至りました。
この『燦々デイズ』のOP映像もクソ可愛くて、１番のサビで太鼓の達人みたいに色んな姿の海夢ちゃんが流れていく部分とかキュン死する。こんなんヘビロテ必至ですわ。
誰もが曲を秒で消費していくサブスク時代にしっかりと対応した、秒でサビから始まり聴く者をがっちり捕まえる攻めの曲。しかもあのBUMPの『天体観測』のようなじわじわ上がってくるギターの共振音から始まるイントロは、多くの日本人にワクワクを予感させる格好の音楽だ。このOPは間違いなくこのアニメのヒットにも寄与している。
というわけで家族を載せた車の中でも俺はこの『燦々デイズ』をヘビロテしていたんだが、俺の娘（７歳）は何故かその当時大滝詠一の『君は天然色』をめちゃ気に入っててヘビロテを求めてきていたので、車の中では『燦々デイズ』VS『君は天然色』という不思議な争いが行われていた。
ちなみにアニメのEDテーマも可愛い。
アニメソングと言えば結構90年代渋谷系の影響があったりするんだけど、その流れを汲んだタイプのオシャレなED曲である。特にオシャレな曲の場合、アニメの内容的になかなか起用しにくいケースも多いと思われるので、着せ恋みたいなキュート路線のアニメがしっかりとオシャレなアニメソングを流してくれるのは個人的には有難い。
という流れから、聴くしかないじゃないか。
スピラ・スピカのニューアルバム『ナガレボシトレイン』を。
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１曲目から早速の『燦々デイズ』。飛ばしてんなぁ！
公式MVもむちゃくちゃ着せ恋を意識した内容である。というかスピラ・スピカが着せ恋用に書き下ろした曲なので、そりゃそうかって話だが。
明るさマシマシになるサビのホーンセクションを始め、思った以上に色んな楽器が乗っかっている曲。アニメOPサイズでは気付けない楽しさが曲全体に込められているので、やはりフル尺が一番良いな。
この曲を聴いて改めて分かったんだが『燦々』というのはそういえば明るいイメージだったんだよな。太陽が燦々と光輝く様子だったりね。なんだか音楽で『燦々』と言うとさ、美空ひばりだったりカネコアヤノだったりが俺の中に浮かんできて、なんか勝手にしっとりしたイメージがあった。
でもこの曲によって燦々のイメージのバランスが取れた。有難うスピラ・スピカ。
そんな底抜けに明るい空気のまま、若さが弾ける『夏のキセキ』、キラキラが弾ける『君なんか好きにならない』と色々弾け飛んでいる序盤のラインナップ。
ライブなら汗も弾け飛びそう。オタクのニキビも弾け飛びそう。
ちなみにスピラ・スピカというバンド、ちゃんと聴いたのは今回のアルバムが初めてだったんです。
バンド名はうっすらと聞いたことがあったんだけど、これまで俺が張っているアンテナにちゃんと引っかかった事が無くて今の今まで聴いてなかったんですよね。それなりに色々聴いてきた方だとは思ってたんだけど。
でも多分それは俺のアンテナが限りなく陰キャの情報しかキャッチしてなかったせいで、スピラ・スピカのようなハジケリスト達とはなかなか交錯しない人生を歩んできたからなんだと思う。やはり人間というものは、類は友を呼ぶのである。自分の属性に似たような情報しか集まってこないのだ。
序盤の流れからすると「こいつら…ハジケリストか…？」と身構えてしまうところだが、その後は切ないナンバーもしっかり収録されておりこれぞ邦ロックバンドという音楽性を見せる。これは間違いなく21世紀の邦ロックをたらふく頬張ってきたって感じのサウンドだ。
そして何よりボーカルの幹葉さんの表情。
なんだこの屈託のない笑顔は。
明るい曲を歌うときは勿論、切ない曲を歌うときも笑顔を絶やさない。
「どんなときにも必ず希望があるよ！」という女児アニメの主人公みたいな言葉がピッタリの表情だ。なんなんだこれは…。きっと俺みたいな人間には分からない。
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調べてみると彼女は徳島出身らしい。
徳島と言えば…そう、ガールズバンドのお手本的存在チャットモンチーの故郷である。
そんな徳島から出てきた女性ボーカルバンド。どうやら実際に元チャットモンチーの高橋久美子氏と共に作詞した事もあるらしく、なんだか色々気になってきた。
ただそんなキラキラした笑顔のボーカルが故に、俺のような陰キャにはなかなか引っかからない存在だったのかもしれない。互いに交わる事が無かった存在。しかしついに交わってしまったのだ。ハジケリストとチー牛の邂逅。それもこれも着せ恋のおかげである。
そしてもう一点、俺がスピラ・スピカのボーカル幹葉さんに感じたもの。
それはＥテレの歌のお姉さんである。
アルバムの後半に収録されている『ピラミッド大逆転』。
このMVを見て戴ければよーく分かる。明るい表情、楽しそうに踊りながら歌う姿。
そして通りが良くハキハキとしたボーカル。これはもう完全に歌のお姉さんだ。
俺もこれでも二児の父。朝のドタバタする時間帯には『おかあさんといっしょ』にとてもお世話になっている。テレビ画面の向こうから我が家のやんちゃなこどもたちを画面の前に惹きつけてくれる重要な存在だ。
ちなみに今年度に入って、歌のお姉さんが新しい永田茉彩(ながたまや)おねえさんに変わったんだが、このまやおねえさんがまた素晴らしくって。聴く人を明るくしてくれる歌声は勿論、そのキャラクターからもなんというか温かい母性を感じている。子どもだけではなく大人もハマってしまうまやおねえさんから毎朝目が離せないでいる。
そんな歌のお姉さんにハマっている俺には分かる。スピラ・スピカの幹葉さんはEテレもいける。もしまやねえさんに何かあったときはみきはおねえさんに登板してほしい。あと先日卒業した先代のうたのおねえさん、あつこお姉さんはスピッツ好きだったという事を知って個人的に再評価の波が来ている。
みきはおねえさんはハーフパンツに前が開いたふりふりのスカート(名前が分からん)という服装を好んでいるみたいで、動画観てると結構な確率でこの格好で出ている。これもまたとても似合っている。俺はファッションにはちっとも詳しくないんだが、多分いい感じです。何歳になっても頑張ってこのファッションを貫いて欲しい。
アルバムの終盤はやや落ち着いた雰囲気の曲が並び、穏やかな雰囲気で終わる。
ただやっぱりアルバム全体的には華やかでとてもキラキラしている印象が残った。邪気が抜けていく感じだ。日頃から他人を責める事ばっかり考えているようなタイプの人間は、このアルバムで邪気を払って欲しい。
かくいう俺もこんな正統派のJ-POPバンドのアルバムを久しぶりに聴いた気がする。
正直ファンの方には申し訳ないけど、これがシーンを変えるようなポテンシャルを持つアルバムとまでは思わない。それでも楽しい気分になるしEテレ気分になるし、なんでもいいからとにかく和みたいという方は聴いてみてはどうだろう。
あと騙されたと思ってアニメの着せ恋も観て欲しい。意外にハマるぜ。
そんな流行に流されやすい俺は次はまんまと『パリピ孔明』にハマってチキチキバンバンヘビロテしてる。
英子ちゃんカワイイイィィィィィィィ！！！
【採点】
・やはりカワイイは正義 ２０点
・ハジケリストとの邂逅 ２０点
・裏うたのおねえさん ２０点
・次はパリピになるぜ ３点
６３点
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