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脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

脱R論 - 一般人の一般人による一般人のための音楽ブログ。

【Song】SMAP / 世界に一つだけの花 [2003]

アーティスト:ス 邦楽 2000年代 75~79点 Song

今こそこの曲の真意を掴め。

 

この曲について書く時が来たか。
別に誰かに書いてとか言われたわけでもないけど、
まあほらタイミング的にね。色々あってまたこの曲が売れ出したらしいし。
だから俺も改めてこの曲のパワーを思い知らされたわけだ。


俺は歴史的に見て音楽が本当の意味で世の中を動かした例は無いと思うが、
この曲については限りなくそれに近い効用があったものと考えている。

「ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別なオンリーワン」

このフレーズが一体どれだけの人を救い、そして絶望させてきたか。


この歌詞については本当に賛否色々巻き起こったのね。

それもこの曲が特大ホームラン級のヒットだったが故に、
方々で大きな論争を巻き起こしたのだ。
今世紀で最も売れたシングルだぞ。
立派なナンバーワンじゃねーかこの野郎。


東大合格を目指す漫画『ドラゴン桜』の有名な台詞に
「オンリーワンはその道のナンバーワンだろうが。」というものがある。
この曲との対比として良く取り上げられていた気がする。

そのセンセーショナルな言い方のせいで、
一瞬「うーん、確かに。」とか思ってしまうが、
このセリフを安易に肯定してしまうのはちょっと違う気がする。

オンリーワンなのは相手がいないだけで
ナンバーワンであると同時にワーストワンだ。
かと言ってこのセリフを頭から否定する事も出来ない。
ここはオンリーワンについての検証が必要だ。


人間は単純化して言うと「あらゆる個性の集合体」である。


ある人物は水泳が全国区レベルで料理の腕もプロ顔負けの凄腕だが
水泳の全国大会でも料理コンテストでも上位入賞まではできないとしよう。
その場合、それぞれの分野ではそれに秀でた人間には勝てないものの、
この人の個性は「水泳も料理もかなり出来る」という事になる。


「水泳も料理もかなり出来る」事は確かに凄いだろう。
その組み合わせに関してはオンリーワンと言える水準かもしれない。

しかしステータスが片方に特化していた方が良かったのではないか?
ポケモン攻撃も特攻も種族値120ポケモンがいたら
絶対に惜しい!と思われる。でもアルセウスは別だ。あいつはチートだ。


つまりだ、「水泳も料理も出来るなんてオンリーワン!」だとしても
まあだから何だという事だ。水泳大会でも料理コンテストでも負けるのだ。
褒め讃えれれるのはそれぞれでナンバーワンになった人間の方なのだ。
どうしてスキルが分散してしまったのか。考え方によってはこれは絶望だ。

ただ単に個性の集合体がオンリーワンだからそれでいいんだというのは、
捉え方によっては非常に残酷な言葉になる可能性すら秘めている。
ステータス一点集中型の方が華やかに見える世界においては悲しい事実だ。



さて、この曲は長らく「みんなそれぞれオンリーワンなんだよ」
というメッセージを投げかけてきたわけだが、
ではその対象はどこだろうか。

勿論、最終的には全人類ひとりひとりなんだろうが
俺はこの歌詞が目指していたのは「社会の寛容さ」であると思っている。

個人の個性がそれぞれで最大限に活かされる世の中にしようよ、
そういう想いがあるのではないだろうか。


もし「料理をしてて発生した待ち時間に25mプールを往復する」
という事が評価される世界があれば前述の彼は一躍トッププレーヤーだ。
ナンバーワンにもなれるだろう。

まぁ残念ながらそんな競技は聞いた事ないので、
今の時点では彼はまずその競技を認知させる事から始めなればならない。
そういう意味ではかなりハンデを背負ったスタートだ。頑張れ。

と、ちょっと冗談っぽく書いたがそれはさておき
複合化できないならそれぞれで活躍できる場を見つけたい。
例えば料理の仕事とスイミングスクールのインストラクターをこなす。
確かにナンバーワンではないが、こちらの方が活躍の幅は広い。

つまりその個性を複合的に最大限に活かす事が大事なのであって、
もっと言えばそういった活躍が出来る世の中が望ましいのだ。
誰だって好きな事柄は一つや二つじゃ収まらないだろう。

例えば「塾の講師」と「プログラミング」がそれぞれ得意だとしたら、
塾の仕事とプログラミングの仕事それぞれで活躍できればいい。
この場合プログラミングの講師をやるのもアリだ。

ただ、問題なのは現代の世の中が
人間は何か一つだけのプロにならなければならないような、
そんな仕組みで出来ている事だ。副業禁止とか良い例だ。
仕事をするという事は基本的に毎日同じ事に従事する事を意味する。

もっと柔軟な働き方を皆が許容して共有できる社会にならないものか。
何か一つに専念しろ、半端に色々やるなとか本当に迷惑な話だよ。
何らかのプロに特化する人がいれば色々な顔で暮らす人がいてもいいのだ。

はっきり言うが、
社会の方向性がそんなんだからこの歌詞への批判が生まれるのだ。
現実世界の受け口が狭いために「現実を見ろ」なんて批判が来る。
社会の方が歩み寄るべき点もある筈なのにその視点が感じられない。


しかし一方で、
残念な事に個々人が違う方向に解釈して堕落した面も否めない。

この『世界に一つだけの花』は
ナンバーワンよりオンリーワン」の歌詞だけが
切り取られていいようにクローズアップされている事が多い。

実際にここが批判の対象となっている大きな部分でもあるのだが、
俺は本当に大事なのはどちらかというとこの歌詞だと思う。

「その花を咲かせることだけに一生懸命になればいい」

この部分の歌詞をきちんと考える事が非常に重要だ。
もともとオンリーワンなんだから何もしなくていいなんて事じゃない。
世界に一つだけの花の種である我々はその個性を育む事が大事なのだ。


そんな負の面もあり俺はこの歌詞にはちょっとだけ苦手な意識もある。
しかしそれはきっと今の世の中がまだ、
この歌詞を受容するような状態になっていない事が大きいのだろう。

個性を本当の意味で大事にする社会、
そして皆それぞれ一人ひとりが自分の個性を認識できる時代、
双方の進歩があればこそ、この歌詞が報われるのだ。


そしてこの曲をSMAPが歌った事に大きな意味があったのも付け加える。

曲を書いたのはASKAキヨハラキルミーベイベーな一族ながらも
仏教に目覚めて無事に復帰したマッキーだが、
名実共に国民的なトップアイドルのSMAPが、
「ナンバーワンにならなくてもいい」と歌った事実が大事だ。

勉強嫌いのニートが言う「勉強なんて無意味だよ」と、
東大生が言う「勉強なんて無意味だよ」では言葉の質が違う。
SMAPの曲だったからこそ、この曲は国民的支持を勝ち得たのだ。

さらにはこのシングルは当時流行っていた
コピーコントロールCD崩壊のきっかけでもあった。
CDがデジタルデータとしてコピー出来るから売れないなどと、
必至に時代の流れに逆らってきた川上り大好きレコード会社各社の眼前で、
通常CDであるこのシングルがバカ売れしていったのだ。痛快である。

色んな意味で日本の中でも重要なポジションにある曲なのだ。


ちなみにこの曲はイントロで左右に音が分かれてからサビに入る
シングルバージョンが有名だが実は最初はアルバム曲だったのだ。

俺も最初はアルバムで聴いていていい曲だと思っていたら、
ドラマの主題歌となりシングル化され一躍有名となったので、
「俺アルバムの時からいい曲だと思ってたかんね!」と言いまわる
”俺コレ売れると思ってたし症候群”を発症して周りに迷惑をかけた。すまん。

この曲が最初に入っていたアルバムは『Drink! Smap!』とうアルバムで、
同時に同名のドリンクが実際に販売されていてそれも結構話題になった。
ちなみに不味かった。もう一杯とはならなかった。


色々な思い出と影響があった今世紀最大のヒット曲。
個人の時代が到来しつつある今だからこそこの曲の真意を見極めて、
皆がオンリーワンで堂々と活躍できる世の中を目指したい。


【採点】
・21世紀最大のヒット曲    30点
・物議を醸した問題作     30点
・真のオンリーワンを目指そう 20点
・ドリンクSMAPは不味かった -3点
77点

世界に一つだけの花 世界に一つだけの花
SMAP

曲名リスト
1. 世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)
2. 僕は君を連れてゆく
3. 世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン) [ミュージック・トラック]
4. 僕は君を連れてゆく [ミュージック・トラック]

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