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脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

脱R論 - 一般人の一般人による一般人のための音楽ブログ。

【Song】UNICORN / 大迷惑 [1989]

アーティスト:ユ 邦楽 1980年代 80~84点 Song


労働者の叫びを聴け!


少し前から小林多喜二の小説『蟹工船』が
ちょっとした再ブームになっているらしいね。
同作はプロレタリア文学の名作として有名だ。教科書にも載ってたよーな。
やっぱり労働問題ってみんなの関心事なのである。

プロレタリアート、つまり労働者達をテーマにした作品は
昔から様々な作家やアーティスト達が取り組んできたジャンルだ。
文芸だけではなく美術や音楽にもプロレタリアートは存在する。

広い意味では労働者階級だったビートルズやオアシスも
プロレタリア音楽と呼べるのかもしれない。
この世はブルジョアに対してプロレタリアが圧倒的に多いので、
プロレタリアートは共感を得やすいジャンルとも言える。


日本でもプロレタリア音楽と呼べそうなものはいくつかある。
ARBRCサクセション怒髪天なんかはプロレタリアロックと言えるかな。
だが日本においてはプロレタリア音楽と呼べる楽曲が
大ブームとなったような事例はあまり見当たらないように思う。

これだけ労働環境が劣悪なのに、コレが流行らないとは。
ある意味おかしいぞ日本。音楽を只のお遊びと思って消費してないか?
もはやアホ過ぎて労働環境の悪さに誰も気づいていないレベルなのか?


しかし、そんな中でも世間的に認知度も高い
プロレタリアソングと呼べるものがあるとしたら、
俺はこの曲ではないかと思う。ユニコーンの『大迷惑』だ!

俺より二回りほど上の世代の方にはお馴染みの曲。
その世代とカラオケに行くとかなりの高確率で歌われる曲だ(俺統計)。
そしてカラオケでは決まってMVが流れる。
機種に寄るかもしれんが、俺の記憶では流れないのを観た事ない。


ユニコーンは言わずもがな、あの奥田民生が在籍していたバンドだ。
いや、復活したので正確に言うと在籍”している”バンドになるのか。
しかし俺が高校の頃は解散した伝説のバンドとして語り継がれており、
俺らの世代への認知度も高かったバンドの一つだったんだ。

この『大迷惑』はそんなユニコーンの代表曲である。
MVのクラシックオーケストラをバックに
若かりし民生がコミカルに動くという楽し気な雰囲気から、
コミックソング的な印象が非常に強いと思われる。

だがこの曲ほどに労働者の悲しい胸の内を語った曲があっただろうか!

夢にまで見たマイホーム 青い空 エプロン姿の おねだりワイフ
日なたぼっこはバルコニー Hey it's a beautiful day

マイホームを買ったと思われるサラリーマンのウキウキ気分が伝わる。

突然 忍び寄る 怪しい係長 悪魔のプレゼント
無理矢理 3年2ヶ月の 過酷な一人旅

ハイ、完全に単身赴任です。強制的に転勤させられました。

この悲しみを どうすりゃいいの 誰が僕を救ってくれるの

そしてキャッチーなサビで大絶叫。

逆らうと 首になる マイホーム ボツになる 帰りたい 帰れない

あああ、なんて悲しいんだ。正に大迷惑な話だよ。


俺も就活していた頃に「勤務地を選ぼうだなんて甘い」みたいな
企業に出くわした事もあった。まぁ俺もそれは割と当たり前に
捉えてたし、今の俺自身も別にどっかに引っ越すのは嫌じゃない。

だがよくよく考えれてみればコレはキツイ。
この『大迷惑』の歌詞のように、簡単に逃げ出せない状況になった社員の
生活を人質に取るような形で転勤を命ずるのは恐ろしい所業である。
仕事によって全てが支配されてしまっている状況が非常にマズいんよね。

家をローンで購入した後に告げられる転勤。
動けない状況を逆手にとられて従うしかない悲しき労働者。
この状況をあえてコミカルに歌い上げているというのは
「もう笑うしかない」という事の裏返しでもあるのだ。


そして何が驚きってこれがもう30年近く前の曲って事よ。
それなのに今聴いてもこの曲の内容が古いものに感じない事よ。
奥田民生はその当時からこの労働者のおかしな実態を表現していた。
つまりあの頃から今の時代まで殆ど何も変わっていないという事だ。


だがこの曲で救われた労働者もいるに違いない。
これを飲み会の二次会のカラオケで上司の前で歌い上げる事で
こんな事されたら「大迷惑」ですよとアピールしていたんじゃないかな。

だからもしかしたら転勤が嫌だと直接言えない社員が
ユニコーンのこの曲に気持ちを代弁してもらったのかもしれない。
有難う、ユニコーン!日本の労働者たちの胸の内を語ってくれて!


バブル時代の日本から歌い継がれるプロレタリアソング。
我々はもっとこの日本のおかしな労働環境を疑うべきである。
これからもプロレタリアソングは終わらない。もっと盛り上げよう。

本当に「この曲古いねー。」と言われる時代が来るまで。


【採点】
・日本のプロレタリアソング 30点
・カラオケで叫べ労働者の声 30点
・この世はまさに大迷惑   20点
・この曲が古くなる日まで…  1点
81点

I LOVE UNICORN~FAN BEST~ I LOVE UNICORN~FAN BEST~
UNICORN

曲名リスト
1. ヒゲとボイン
2. 働く男
3. ロック幸せ
4. 開店休業
5. ペケペケ
6. Maybe Blue
7. PTA~光のネットワーク~
8. 雪が降る町
9. 自転車泥棒
10. 服部
11. おかしな2人
12. 人生は上々だ
13. 大迷惑
14. 車も電話もないけれど
15. すばらしい日々

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