脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

超便利バンド!スピッツ勉強会


スピッツを会得して新生活に備えよ。


春。これから新生活に向けて準備している方も多いだろう。
春。別れがあれば新しい出会いもある季節だ。
春。街にドキドキワクワク匂いが溢れている季節だ。
春。暖かくなってきて新しい時の訪れを感じる事が出来る季節だ。


気をつけろ。あんまりホワホワしているとすぐ五月病になるぞ。
もっと慎重に行け。大した出会いなんて無い。別になんにも変らない。
夢を見るな。現実を見ろ。ここはディストピア。俺らは迷える堕天使。


さて、そんな新しい季節、春だ。
きっと皆さん、自己紹介やらなんやらをする機会も増えるだろう。

そして「どんな音楽が好きなの?」なんて質問を受ける事があるはず。

音楽が不動のトップカルチャーだった90年代は過ぎたとはいえ、
やはりこの質問はまだ良く耳にする。だがこれには質問する側される側、
双方に気を付けなければならない危険が潜んでいる。

この質問の何が恐ろしいってまずみんなが音楽を聴いてる前提な事、
そして好きな音楽によって性格までも推し量られている気がする事だ。

音楽あんまり聴かない若い子は意外に多いので、
そんな子がこんな質問されたら答えに窮するに決まっている。
そして好きな音楽があったとしても、
それがアニソン、ゲーム音楽、ボカロとかだと何だか答えにくいし、
答えられたとしても質問した側が困る。最近の若い子には気をつけろ。


スピッツ、超便利。


そんなわけでこの「どんな音楽が好きなの?」に対する正しい返答は
長らく議論・研究・実験が繰り返されてきた。
人格まで探られそうになるならば当然対策もしておくに越した事は無い。

残念ながら「正解」についてはまだ誰も辿り着けていないが、
「近似解」については有識者の間ではおおよそ最適な答えが出ている。

スピッツである。

幅広い世代への浸透度とメジャー過ぎない安定した人気、
かつ男女どちらにも支持が厚く、嫌われる事が少ない稀有な存在。
さらに音楽にそこまで興味が無い層にも知名度がありつつも、
音楽好きからの評価も十分に高いというまさに万能選手なのだ。

まさに「どんな音楽が好きなの?」に対するうってつけの回答!
便利!超便利!その場の空気を乱すことなく人間性も否定されない。
こんなに使えるバンドはそうそういない。良かった、スピッツがいて。


だがスピッツを好きと回答するには、当然ながらハリボテの知識じゃ駄目。
ちゃんとスピッツを好きになっておかないとすぐメッキが剝がれてしまう。
もしその場にガチのスピッツ好きがいたりしたら、
生半可なスピッツ好きだとその薄さを看破されて結局空気が悪くなる。

というわけで今日はそんな皆様の桜色の新生活を応援するべく、
スピッツの魅力をしっかり理解するための勉強会を開催したいと思う。
これで対策しておけば、好きな音楽の質問が来たとしても
堂々と「はい、スピッツが好きです!」と答えられるだろう。


内容は、スピッツのアルバムを全て聴いてきた俺が厳選した
シングル曲ではないスピッツの10曲である。


最近、スピッツのシングル『春の歌』を藤原さくらがカバーした曲が
映画『3月のライオン』の主題歌に起用されているが、
この曲、実は当初はシングルではなくアルバム曲だったのだ。
2005年のアルバム『スーベニア』の一曲目だった。

スーベニア
スーベニア

そう、スピッツファンには言うまでも無いが
スピッツのアルバム曲には非常に魅力的なモノが多い。
むしろアルバム曲こそにスピッツの真髄があると言っても過言ではない。

だからシングルを集めたベスト盤でスピッツを分かった気になるのは
はっきり言って甘い!
あまい!!
あまーーーーい!!!



そんなわけで
今回はスピッツのベスト盤には入っていない曲で10曲選んでいる。
正直20曲でも全然いけるんだけど、なんとか10曲に絞って
記事を含めて1時間くらいで勉強できる内容にした。

ベスト盤でスピッツに満足していたそこの貴方、満足するには早すぎる!
まだまだスピッツの世界は広いぞ。是非真のスピッツの姿を知ってくれ。

スピッツを勉強するための10曲。


①8823

8823と書いてハヤブサと読む。超好き!めっさ好き!
どれくらい好きかって俺の車のナンバーを8823にしてしまうくらい好き!
スピッツのライブ会場近辺には良くこのナンバーの車がいるのでニヤリ。
スピッツ=バラードシングルというイメージでいる人は、
大体この曲でそのイメージを覆される。むっさカッコイイ。
そしてライブの定番曲でもある。この曲が収録されたアルバム『隼』は
スピッツのアルバムの中でもゴツゴツしたオルタナロック感が濃い異色作。

ハヤブサ
ハヤブサ


②夜を駆ける

スピッツファンの間でも人気が高いアルバム『三日月ロック』の1発目。
静かなイントロからじわじわと夜が深まっていくような雰囲気がたまらん。
夜の運転中や電車での移動中等に聴くと抜群にハマる。
そのまま深淵の世界へ身をまかせたくなるような緊張感と浮遊感。
ちなみに『三日月ロック』はガチで名盤。個人的にはスピッツの最高傑作。

三日月ロック
三日月ロック


③俺のすべて

これもライブの定番曲。カップリング曲ながら非常に人気が高い。
切ないサビに対してふいに切り替わる陽気なAメロがスピッツらしい。

俺の前世は たぶんサギ師かまじない師

のマサムネ節は必聴。実はロビンソンとシングルA面を争った曲でもある。
カップリング等を集めたスペシャルアルバム『花鳥風月』に収録。


④スピカ

これもスペシャルアルバム『花鳥風月』に収録されたナンバー。
実はコレ、スピッツの中でも有名なバラード『楓』との両A面シングル。
だから一応扱いとしてはシングル曲でいいハズなのに、
楓の知名度もあってB面曲みたいな影の薄さとなってしまった曲である。
しかしスピッツらしいバンドサウンドが堪能できる良曲であり、
ですます口調の歌詞も面白い。あと椎名林檎もカバーしててそれも好き。


花鳥風月
花鳥風月
ちなみにこのアルバム『花鳥風月』には、
かのスピッツの名曲『おっぱい』も収録されている。


⑤恋する凡人

タイトルがもうマサムネ。このセンスこそがマサムネ。
ノリの良い軽快なAメロ・Bメロからメロディックなサビへと向かう展開は
さすがの一言。スピッツはこういう「おっ」と思っちゃう曲の構成を
ワザとらしくなくスムーズにやってのけちゃうのが本当にお上手。
サビの

走るんだどしゃ降りの中を ロックンロールの微熱の中を

は名フレーズやと思う。

とげまる
とげまる


⑥愛のことば

上記とは打って変わってとても凡庸なタイトルの曲。
しかし歌の世界観は物悲しげでとても味わい深い一曲だ。
大ヒットアルバム『ハチミツ』収録のアルバム曲なのだが、
美しいメロディと泣きのサビが非常に印象的で、
当初はシングルで発売する候補でもあったらしい。
PVが作られたり後年ドラマの主題歌になったりもして認知度は割と高い。

ハチミツ
ハチミツ


⑦バニーガール

スピッツの大ヒットシングルの『チェリー』のカップリング曲であり、
チェリーの売上160万枚のうち60万枚はこの曲のお陰と思っている(主観)。
バニーガールというちょっとエロティックな題材をベースに
どこか寂しげにどこかコミカルに歌い上げる可愛いロックチューンだ。
川谷絵音のバンド「Indio la End」の元ネタにもなったアルバム
インディゴ地平線』に収録されている、何気に人気の曲。

インディゴ地平線
インディゴ地平線


⑧田舎の生活

初期のアルバム『オーロラになれなかった人のために』収録の渋い一曲。
華やかな都会のウェーイを感じるシティポップとはまさに真逆。
田舎の時間が止まったようなのんびりした生活を思い偲ぶセンチな曲だ。
それも単なるノスタルジックさだけではなく、
どこか思いつめたような空気が漂う辺りに色々と妄想が膨らんじゃう。
ファンの中でも隠れ名曲的な扱いの一曲だ。

オーロラになれなかった人のために
オーロラになれなかった人のために


⑨不死身のビーナス

イントロから普段のスピッツからは想像出来ない怒涛のギターリフ!
スピッツが売れる直前のアルバム『空の飛び方』収録のロックナンバーだ。
音はカッコ良くても内容では泥臭さと青臭さを忘れないのがスピッツ
俺が大学を卒業する時、大学院のスピッツ好きの先輩がこの曲の歌詞

不死身のビーナス 明日も風まかせ

を色紙に書いてくれた事を覚えている。有難う。色紙はどっかいった。

空の飛び方
空の飛び方


⑩醒めない

最新のアルバムからも一曲。アルバムタイトル曲の『醒めない』だ。
ポップでリズミカルな流れから高らかに響くキュンと来るサビへの入りは
まさにスピッツの王道!マサムネがやらなきゃ誰がやる!
そしてロックの所信表明演説のような胸にぐっと来る歌詞にもやられる。
ロックスターの夢からまだまだ「醒めない」という若さを感じる熱い曲だ。

醒めない(通常盤)
醒めない(通常盤)

おわりに。

というわけでスピッツ勉強会、いかがだったでしょうか。
スピッツの新たな魅力に気付かれましたでしょうか。
もう既にマサムネにメロメロで軽く涎とか垂れてるんじゃないでしょうか。

スピッツはJ-POPのバンドというイメージが強い方も多いと思うが、
英国ロック、特に80年代のポリスやザ・スミスの影響を受けており、
ライブ会場等でも往年の英国バンドの曲がBGMとして良く流れる。
そういった部分も音楽好きに支持を得ている要素の一つなのだ。


そういや昔、コンビニのチケット販売機で
俺がスピッツのライブチケットを購入しようとしたときの話だが、
発売開始時間と同時にアクセスが殺到してなかなか画面が進まずに
販売機の前で何度も何度もチケットの購入操作を繰り返していた。

でも俺の後ろには既に知らない人が何人か並んでおり、
俺がチケットを取るためにずっと機械を占有するのは心苦しいと思って
チキンな俺はもうチケットは諦めて大人しくチキンでも買って帰ろうかと
「すみません、進みそうにないので次どうぞ。」と
後ろの人に販売機を譲ろうとしたら

「あ、まだ使っていいですよ。私も多分同じ目的なので。」


やっほーい!スピッツファンって優しいね!
その後粘ったお陰でチケット取れたし!有難う見知らぬスピッツファン!

さぁ、みんなもスピッツを聴いて心を解放しよう。
そうすればきっと世界はもっと優しくなれる。
結構「死」について歌ってる曲が多いけどまぁ気にするな。
宗教みたいなもんだ。スピッツで悟りが開けると思えば素敵じゃないか。


そしてスピッツをしっかり好きになれたのならばもう大丈夫。
今後は「どんな音楽が好きn…「ハイ、スピッツです!」
食い気味に答えてもらっても全然OK。新生活対策はバッチリである。

さらにこれでスピッツに興味を持たれたのなら、
是非色んなスピッツのアルバムに手を伸ばして欲しい。
ベストで終わるのは勿体ない、それがスピッツなのだ。

さぁ、不思議なスピッツワールドへと出掛けよう!

スピッツ管 10ml 滅菌済 1袋(10本入)
スピッツ管 10ml 滅菌済 1袋(10本入)

追記:
コメントに好意的な反応があって嬉しい!
正直はてなブコメの使い方良く分からんけど、
やっぱりみんなスピッツが好きなフレンズなんだね
スピッツの魅力が伝われば何よりです。