脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】GLAY / シン・ゾンビ [2017]


安心して下さい、GLAYですよ。


知識がアップデートされていないという事は、
下手すると知識が無い状態よりも厄介なのかもしれないと思う。

真面目な話、日本のGDPは中国に追い抜かれてそれなりになるけど
未だに日本は中国をすぐに追い抜ける位置にいると思ってたり、
中国製の製品がすぐに壊れるのに対して、
日本製は堅牢で長持ちだと思ってたりしませんか?

実際はGDPはもう驚くくらいに突き放されてるし
最近は日本製より中国製の製品の方が耐久性があったりするんですよ。
なんの話をしてんだ俺は。先日会社でこんな話をしたからか。

つまりね、昔のイメージのままでいると
変化している現実とのギャップが生じて
物事を正しく認識出来なくなる危険性があるという事なのだ。


GLAYの今を、皆さんはちゃんと認識してますか?

TERUが両手を広げて仰ぐように歌っている姿で止まっていませんか?
今ね、彼らはこんな『シン・ゾンビ』とかやってるんですよ?

いやいや、いくらなんでもこの曲やりたい放題過ぎでしょ。

ノリがニコニコ動画っぽいなと思ったら、
どうやらマジでニコニコのクリエイターさんに動画作って貰ったっぽい。
GLAY(というかHISASHI)がニコニコで人気なのは有名だけど、
ここまでくるとさすがに色々と心配になってくる。


何がヤバいってさ、これこの前発売されたアルバムの一発目の曲なの。

GLAYの最新アルバム『SUMMERDELICS』。
オリコン1位を獲得して話題になった事もあって、
たまたま「お、久々にGLAYでも聴いてみるか」と、
アルバムを手に取った方もいらっしゃるんじゃないかと思う。


ちゃんとGLAYの情報を定期的に仕入れてきた人ならね、
この曲にさほど驚く事はないだろうけど、
久々にGLAYを聴いた人からすれば、
アルバムがいきなり「ゾンビの達人!曲を選ぶドン!」などという
意味不明な掛け声から始まった時点で
まずCDケースと中身が間違ってないか確認するだろう。

人間、ある程度の予想外の事態ならばすぐ順応できると思うが、
あまりに予想外すぎると何かの間違いじゃないかと疑ってしまう。
今回のGLAYの所業はまさにそのレベル。自分が手に取ったCDを疑う。
順応するまでかなり時間を要する。


そういえばかなり昔の話だが、
自販機で冷たい飲料を飲もうとコーラのボタンを押したと思ったら
ホットコーヒーが出てきた事があって
「きっと俺の押し間違えだよね」と自分の中で納得して
無理してコーヒー飲んだの思い出した。
なんか今になって腹立ってきた。


しかしこれで「GLAYも迷走し始めたか」「そろそろ彼らも要介護か」
などと考えてしまう人はまさに知識がアップデートされていない。
むしろ俺はこの姿こそがシン・グレイなのだと思う。

この『シン・ゾンビ』、
以前発表されていた『彼女はゾンビ』の別バージョンのような曲である。


だからリメイク的な位置づけの曲ではあるんだが、
ただこちらが『シン・ゾンビ』なので
きっとHISASHIの本気はこちらだと推察する。

というか今回のアルバム、HISASHI大活躍すぎる。
そして逆にTAKUROの割合が大分減っている。
各メンバがそれぞれで色んな曲を担当しているのが特徴的なアルバムだ。

そういえば少し前に朝のNHKのニュースのコーナーで
TAKUROとJIROがインタビューされててちょっと驚いた。
二人がアルバムについて語っていたんだけど、
TAKUROが今度のアルバムは他のメンバに
かなり頼っているみたいな話をしてたな。

しかしそれにしてもこの『シン・ゾンビ』を
アルバムの先頭打者に持ってくるのはクレイジーすぎる。
でも「じゃあどこならいいんだよ」と問われれば
うーん、確かに、この曲はどこにも居場所がねぇ。クセが凄い。


MVも観れば観る程に面白いというか面白さ通り越して意味不明。
動画の情報量が多すぎて1回じゃ処理しきれない。
しかしMVの中であの「ヘンゼルとGLAY・TERU」という
懐かしのネット上のネタが公式化されている事に衝撃だ。

てかMV観てると映像ばかりが気になって
肝心の曲が全く入ってこないんだけど。
これMVとしてどれだけの役割を果たしてんのか。


曲もHISASHIのフリーダムさが暴走してるわけだが、
俺はこの曲はサビへの突入が実に鮮やかだと思う。

原曲の『彼女はゾンビ』もそうなのだが、
これはHISASHIがスピッツの『メモリーズ』からの影響だと言っていた。


Aメロの後、息つく間もなくかなり早い段階でサビに入るんだけど
気持ち良くて清々しいくらいにスパッとサビに入る。

Bメロでちょっと落ち着いたりサビ前の余計な演奏もない。
少し捻って盛り上げようみたいな意図が感じられない潔さ。
回り道なんかしない男らしい疾走感があるのだ。


あと、歌詞もユニークながらも韻も踏んでおり、
音へのハマり方が見事だ。聴いてて楽しい軽快さがある。
それに加えて何気に色々なアーティストや曲のネタも入ってて、
テキトーに聞こえて実は入念に考えられている歌詞である。
いや、HISASHIはテキトーに作ったのかもしれんけど。


噛めば噛むほど楽しめる曲だ。
最近のGLAYを知らなかったという方は、
リハビリがてら最新アルバム『SUMMERDELICS』を聴いてみよう。
活き活きと活動を続ける彼らの今が楽しめるぞ。

ちなみにこの曲、
ガチで太鼓の達人とのコラボ曲であり難易度は「おに」だそうだ。
太鼓の達人というか音ゲー全般が大の苦手な俺は
きっと挑戦する事は無いと思うけど…。


【採点】
・HISASHIの本気   50点
・りゅうせー氏の動画 20点
・アルバムの先頭打者  1点
・決して迷走ではない  1点
72点

SUMMERDELICS(CD Only) SUMMERDELICS(CD Only)
GLAY

曲名リスト
1. シン・ゾンビ
2. 微熱Agirlサマー
3. XYZ
4. 超音速デスティニー
5. ロングラン
6. the other end of the globe
7. デストピア
8. HEROES
9. SUMMERDELICS
10. 空が青空であるために
11. Scoop
12. 聖者のいない町
13. Supernova Express 2017
14. lifetime

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