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脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

脱R論 - 一般人の一般人による一般人のための音楽ブログ。

【Album】Suchmos / THE KIDS [2017]

アーティスト:サ 邦楽 2010年代 80~84点 Album

 

キッズパワーを注入せよ。

THE KIDS(通常盤) THE KIDS(通常盤)
Suchmos

曲名リスト
1. A.G.I.T.
2. STAY TUNE
3. PINKVIBES
4. TOBACCO
5. SNOOZE
6. DUMBO
7. INTERLUDE S.G.S.4
8. MINT
9. SEAWEED
10. ARE WE ALONE
11. BODY

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先日突然、俺の嫁「サチモスってどういう意味?」という
日本人の3厘しか知らない事を質問してきた。
俺は残りの9割9分7厘サイドの人間だったので知らなかった。

でもそこはなんとか体裁を繕うのが得意な俺だ。
というかそのスキルだけで30年も生きてきたのが俺だ。
とっさにサチモスの英語の綴りを思い浮かべた。

「Suchmos」⇒「Such mos」⇒「そのような 

とりあえず上記の結論を脳内で導きだし嫁に話した。
後で調べたら蛾は「mos」じゃなくて「moth」だった。
ごめん嫁。あとサチモス。あとサチモスファン。
今度街で俺を見かけたらつり天井固めしていいから。


しかしサチモス。
こんなに「こいつはキタ」的なバンドに近年出会った事があっただろうか。
そしてこんなに「知ってればモテる」と思わせたバンドがいただろうか。

そもそも「モテる」とはどういうことか。
一部の人に愛されるだけではモテるとは言えない。
モテるという事は人々の最大公約数的な価値観の中で、
ヒエラルキー上位に位置する事を意味しているのだ。
 
これだけ多様性が広がりつつある世の中なので
そんな絶対的な価値を持ち続けている要素は無くなりつつあるが、
それでも偶に、おそらく人間の本能的なレベルにおいて、
「これは絶対に良い」と思えてしまうような、そんな存在が現れる。

サチモスは間違いなくその部類である。
絶対的に多くの人に通用する価値を備えている。
多分キリストが現れた時もこんな感じだったに違いない。
なんか凄い。これは正しいものなんだ。そんなオーラが彼らにはある。
サチモスを踏み絵にしてみよう。絶対皆踏めないから。

そんなサチモスが聖典(アルバム)を発布したぞ!
これには絶対的な価値がある。これ聴いてれば間違いない。絶対モテる。
2017年のモテる男の条件の一つは「サチモス聴いてる」だ。
さらに『STAY TUNE』 歌えればもう完璧。みんなメロメロ。
コーランを美しく読誦できるムスリムがモテるのと一緒。


ちょっと興奮気味に語ってしまったが、俺に落ち度はない。
全てはそうさせるサチモスが悪いのだ。
今年の初っ端からこんなアルバムが聴けるなんて有り難いぞ。
今年が厄年の人は聴いとけ。サチモスが厄払いにも効果があるって
どっかの大学教授とかがそのうち言い出すと思うから。

しかし実際にこのアルバムには只ならぬパワーがある。
それはきっと言語化出来ない「曲の説得力」だと思う。
脳の深部に直接的に作用するようなそんな不思議な音楽だ。

俺らこそが時代を作っているんだという風格。
聴いて一発で分かる有無を言わさないオシャレ具合。
どういう思考経路を通って考えてもオシャレ。
どんなパターンでニューロンを繋いでいってもオシャレ。

そんなガツンとくるような曲の説得力を武器に殴ってくるのが彼らだ。
おしゃれ泥棒のおしゃれ番長。それもスマート。限りなくスマート。

皆さん、サチモスからオシャレじゃない要素を感じる事ができますか?
サチモスがしゃもじで炊飯器からご飯をよそう姿が想像できますか?
俺は出来ません。きっと彼らはそんな事していません。


彼らは一年前に発売した『STAY TUNE』が
昨年の秋くらいから車のCMとなり人気が急上昇している。
確かにあの曲は凄かった。俺も最初聴いたときオーラをビシビシ感じた。 

そして今回のアルバム『THE KIDS』。

俺、このアルバムのDVD付きの限定版を予約しようと思っていたんよね。
CD買う時は俺はいつもタワレコオンラインで予約してるんだけど、
定期的にタワレコオンラインがポイント10倍みたいなのやるわけ。

だから大体ポイント10倍期間を待ってから予約をするんよ。
今回も別にそんなギリギリ直前の予約でもなかったし、
初回盤が無い事なんてそうそうないからポイント10倍期間を待ってたのよ。

そしたら俺が買う時はもう通常盤しか無かった
タワレコがダメでも、amazonなら、amazonならなんとかしてくれる、
そう思ってamazonもすぐ見たけどkonozamaだった。なんてこった。畜生。

サチモス舐めてた。俺が思った以上に彼らの人気は爆上げしてたようだ。
いいんだ。きっとDVDの内容なんて大した事が無かったんだ。
狐の葡萄だ。こうやって合理化しながら30年も生きてきたのが俺だ。


しっかしこのアルバムはしっかり期待通りだ。
『STAY TUNE』や『MINT』のシングルの他にも、
オシャレでモダンな曲が満載である。これを流しながらドライブすると、
俺の近所の田んぼだらけの田舎道ですら一気にシティに格上げされる。
景色ですらオシャレパワーを注入されて変貌するのだ。いい気分。

さらに今回のアルバムは単なるオシャレなシティポップには留まらない。
シングルで見せられたポップな面以外の面もしっかりと感じる。
そしてそのどれもが洗練されていて抜け目がない。

元々彼らはバンド形式とは言えジャズ、ソウル、ラップ、R&Bなど
様々な音楽を通過し咀嚼し変換させてきたバンドだ。
変幻自在の音楽を巧みに操るスタイルこそが彼らの真の姿である。


そして彼らはサウンドばかりに注目されがちなのだが、 
実は歌詞もすごい攻めておりそれにとてもロックを感じる。
決意・意思表明的なワードもあるが、
言い回しがどれもこれもいちいち挑発的でヒリヒリするぜ!

それはボーカルのヨンスがニヒルに笑っているようでありながら、
攻撃的に展開されるその縦横無尽な音楽性も相まって
世間に対して斜に構えつつも不敵な態度でいるという余裕すら感じる。

『STAY TUNE』の

ブランド着てるやつ もうGood night
Mで待ってるやつ もうGood night
頭だけ良いやつ もうGood night
広くて浅いやつ もうGood night


なんかは、以前も書いたけど言わずもがな
日本人の9割がグッナイしなければならない程の睡眠効果があるし、
『TABACCO』の

言いなりなら簡単だって一生言ってろ
プライドをグラムで売れ
それを買うやつに死ぬまで従え

なんかも日本人の9割に致命傷を与える程の殺傷力があっていいよね。



そしてまたこのアルバムのタイトルが『KIDS』というのが凄いと思うの。

この内容で「キッズ」だよ。マジかよ。英語多いし難解過ぎるよ。
いや最近のキッズはこれくらい聴くのか?
セガキだな。キッズもこれくらいの事はするよって事なのかも。

しかし俺がキッズだった頃のキッズ音楽はメロコアだったわけで、
そう考えると時代は変わるという事を思い知らされるなぁ。
でも結局はいつの時代も『THE KIDS ARE ALRIGHT』という事だね。


だが本当に良くもまぁこういう音楽が台頭してきたと思う。
サカナクションが1位をとった時もそう思ったけど、
俺らの時代では人気が出るなんて考えられなかったような曲が売れる。
これも時代が動いているという証拠なんだろう。

ロッキング・オンのボス、渋谷陽一だったっけか
気鋭のミュージシャンに「売れろ」と言い放っていたのは。
一時代を築きたいなら売れるしかない。
売れなければ大衆の耳に届く事もなく日の目を見ずに終わってしまう。

俺はサチモスはもっと売れるべきバンドだと考える。
彼らには時代の申し子になって欲しい。
日本人の3割には知って欲しい。

サチモスよ「売れろ」。
そして広げてくれ。その空気を。
そして変えてくれ。この空気を。


【採点】
・最強オシャレ音楽  40点
・絶対的モテ音楽   40点
・ませたキッズ音楽   5点
・初回盤欲しかった… -2点
83点

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