【Song】NUMBER GIRL / 透明少女 [1999]
世紀末サブカル野郎をノックアウト。
「オルタナティブ・ロック」って、
ロックならホントになんでもあてはまっちゃいそうなジャンルだ。
alternative、つまり「その他の、代わりの、新しい」的なロック。
音楽における超便利言葉。ロックっぽかったらオルタナって言っとけばいい。
この言葉が頻繁に使われだしたのは90年代だと思うが、
その前はハード・ロックやグラム・ロック、ヘヴィメタル、プログレ等々
おそらく便宜上だとは思うけどおおよそのカテゴライズがあった。
ただ、90年代になると「俺はそんな枠に当て嵌まらないぜヒャッハー!」的な
さすが世紀末だなって感じの野郎が大量発生してしまい、
その辺りが全部オルタナに入れられたという経緯があるようだ。
わぁ~、なんて便利な言葉なんでしょう、オルタナティブ・ロック!
そんな誰でも明日から便利に使いこなせる「オルタナ」なわけですが、
90年代に限らず万年世紀末で中二病な俺の頭の中には
なんとなく「あー、こりゃかんっぜんにオルタナだわ」みたいな
オルタナロックのイメージがある。
その筆頭がコイツラ、
20世紀末のサブカル好き御用達バンドだったナンバー・ガールだ。
彼らを今の時代にサブカルと言うと疑問に思う方もいるだろうが、
当時はやはりサブカルだった。どんなものも最初はサブカルから入るのだ。
この彼らの代表曲である『透明少女』はこれぞオルタナ代名詞という曲である。
少し前のフェスでアジカンがこの曲をカバーで披露したとか聞いた。
アジカンめ、なんという世紀末おっさんホイホイを仕掛けてくるのか!
この曲は当時の世紀末サブカル野郎を虜にした曲なのだ。
この曲と共にメジャーデビューした彼らは、
くるりやスーパーカー等97年組とともに
コアな音楽ファンをノックアウトしてしまった。
第一線とは言えない少しアングラなリスナー層から
熱烈な歓迎を受けるという事態に発展したのだ。
音楽的な面でのサブカルの転機は
俺はこの頃にあったんじゃないかと思ってる程だ。
実際この頃からそれまでアンダーグラウンドとされてきたジャンルのバンドが
次々と活躍を始めるし、その代表格のアジカンもナンバガをリスペクトしている。
むき出しで勢い全開のバンドサウンド。
ボーカルは聴きとりにくい上に歌詞を見ても良く分からない。
しかしきらきらした夏の始まりを想起させる言葉が並び、
ゴリゴリした曲調なのに文字通り透明感を感じさせる。
少しとっつきにくいけど独特の味とクセがある。
そんな謎めいた不思議な魅力のあるロックチューン、
それが『透明少女』だ。例えるならニッキだ。うまい。
これを「ザ・オルタナロック」だと思う理由は、
その全てが強烈な表現が本当にジャンルに仕分けできないからなのだ。
きっと蓮舫だって仕分けできなかっただろう。
仕分け出来ないならもうオルタナと呼ぶしかない。
どうしてもこれを仕分けしたいなら、
それはもう「ナンバーガール・ロック」と名づけよう。
それ程の影響力を誇った曲だったのだ。
桃色作戦でアツレキまくってて気付いたら夏だった。
そんなこの曲に青春をノックアウトされた世紀末サブカル野郎達は
今のロックシーンに何を思うのか。
彼らはこの曲の歌詞のラストのように街の中へ消えていったのか。
・世紀末だぜヒャッハー 30点
・これぞオルタナだぜヒャッハー 30点
・俺たちアングラ音楽好きヒャッハー 20点
・ニッキは結構好き 2点
82点
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