オリコンランキングはオワコンランキング その2
前回に引き続き。
一応簡単な前回のまとめ。
・我々が買っているのはCDではなく『楽しむ』という価値だ。
・昔はそれを提供する手段がレコードやCDのような形態だけだった。
・今は楽しみ方も様々でそれに伴い価値の提供形態も様々な方法がある。
オリコンだけの話ではないのだが、
CDの売り上げのみの集計で流行を分析しようとしているランキングは
はっきり言って時代感覚が遅れすぎててヤバいという話だ。
アメリカやイギリスの有名なチャートだって、
集計方法を時代と共に色々変化させて何とか流行を捉えようとしてきた。
しかし日本のランキングときたら!
未だにCDという一つの販売形態に拘って流行を調べようなんざ、
とても今の時流を捉えているとは言えない。
マジで昭和のお父さんだよ!
未だに若者は巨人大鵬卵焼きが好きとか思ってたりすんのか?
CDしか発信源が無かった時代はもうとっくに終わり、
もともとCDでしか得られなかった”何かの価値”は、
時代が変わり色んな形で提供する事が可能になった。
CD自体にも音楽以外の様々な付加価値が発生するのが現代の感覚だ。
もうCDばかりが中心の市場なんて到来しないんだよ!
そんな中オリコンが未だにCDに頼っているのは何故なのか?
それは勿論「金になるから」じゃないですかね。
他のフォーマットに比べて利益率が高いCDはそりゃ業界としては売りたい。
だからこんな時代になってもCDを買わせようと必死になってるのだ。
でもそれってオリコンの本来の目的なのか?
何が今トレンドであり何に人々が興味を持っていて、
そしてこれから共有・消費されていく価値観は何か。
そんな事をより多くの人々に伝えるのが理念だったのでは?
俺個人の考えでもあるが、チャート・ランキングというものは
多角的な見方をしなければならずそうあるべきではないだろうか。
もちろんランキングを見る側だって、
一つのランキングを妄信せずに色々比較して流れを読む事が大事だが…。
正確に流行をキャッチするのは今の時代はとても難しい。
そもそも音楽チャート自体も将来的に無くなるかもしれない。
冗談ではなく、今やポップカルチャーは複雑にクロスオーバーしつつあり、
これからも様々な娯楽の”ジャンルの垣根”は加速度的に無くなっていく。
仕分けなんて不可能な「何コレ?」みたいな感覚・価値観の娯楽が生まれる。
カテゴリー的にも”純粋な音楽”なんてもう分別出来ないのではないだろうか?
そんな中で「音楽というジャンル」で何が流行っているかを
本当に炙り出そうとするのは既にもう不可能に近いかもしれない。
でもだからこそ面白いしみんな興味を持ってくれるんですよ。
仕掛ける側からしたら逆に面白い時代だと言えないだろうか。
今は市場こそが全てを主導する時代になった。
CDじゃないと売り上げが無いと嘆くばかりじゃ変わらない。
どんな企業も時代に合わせて利益を出せるように知恵を絞っている。
突然の変化で倒産する企業もある。皆頭を使って生きているのだ。
だからこそ
CDなんて一つの側面だけでランキングを続けてても意味は無い。
昔はオリコンが市場を主導している一面もあったかもしれないが、
それが逆に権威を持っているという錯覚に陥ったのだろうか。
オリコンのような権威が先にあってそれがブームを先導するという錯覚。
ブームを形成するのはいつだって大衆であるはずだ。
そこを勘違いしていてはこれからの時代は見向きされなくなっていくのだ。
オリコンを始め、各ランキングに期待することは、
もっと時代の流れをセンシティブに捉えてそれを多くの人に伝える事である。
独自の路線でもいい、興味深いランキングが提供されると反応がある。
そうすればそっぽ向いていた人も
「おっ、いいモノ紹介してるね」と思って戻ってくるかも。
そうやって人々に信頼されるランキングが形成されていくのだ。
より多くの人がより多くのコンテンツを楽しめますように!
オワ婚 柴崎 竜人 幻冬舎 2012-07-13 by G-Tools |